灰長石を釉薬に多く入れすぎると艶が出ません。
灰長石は化学式NaAlSi₃O₈で表される長石の一種です。ナトリウム(Na)とアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)を主成分とする鉱物で、陶芸では釉薬の重要な原料として使われています。
長石グループの中でも、灰長石はナトリウムを多く含む点が最大の特徴です。カリウムを多く含むカリ長石(正長石)と対比されることが多く、両者の中間的な性質を持つ「曹灰長石」という種類も存在します。
灰長石の融点は約1170~1250℃で、カリ長石(約1200~1300℃)より低めです。つまり、比較的低い温度で溶けやすいということですね。この特性により、低温焼成の釉薬にも使いやすいメリットがあります。
透明度の高さも見逃せません。ナトリウム成分が多いため、溶けたときにガラス質の透明な層を作りやすい性質があります。青磁や白磁のような透明感のある釉薬を作る際には、この特性が重要な役割を果たします。
産地によって成分比率が微妙に異なる点にも注意が必要です。日本国内では福島県や岐阜県で採掘されたものが流通していますが、産地ごとにナトリウムとカリウムの比率が変わるため、同じ「灰長石」でも焼成結果が若干異なることがあります。
釉薬における灰長石の役割は、ガラス質を形成する「ガラス化剤」としての機能です。高温で溶けて透明なガラス層を作り、器の表面を覆って保護します。
流動性への影響も大きいですね。灰長石の配合量が多いほど、釉薬は高温でよく流れるようになります。逆に言えば、流れすぎを防ぎたいときは配合量を減らす必要があります。
光沢度についても重要なポイントがあります。灰長石を適切な量(釉薬全体の30~50%程度)配合すると、美しい光沢が出ます。しかし60%を超えて配合すると、意外にも艶が失われてマットな質感になってしまうんです。これは灰長石が多すぎると結晶化が進み、ガラス質の均一性が失われるためです。
発色への影響も見逃せません。透明度が高いため、下地の素地の色や、釉薬に混ぜた顔料の色を鮮やかに見せる効果があります。鉄や銅などの着色剤を使う場合、灰長石ベースの釉薬では色が明瞭に出やすくなります。
日本セラミックス協会の技術資料(PDF)には、長石の種類と釉薬特性の詳しいデータが掲載されています
収縮率にも注意が必要です。灰長石は焼成時の収縮が比較的大きいため、配合量が多いと貫入(ひび割れ模様)が入りやすくなります。意図的に貫入を作りたい場合は利用できますが、避けたい場合は他の原料とのバランスを考える必要があります。
最も大きな違いは主成分です。灰長石はナトリウムが主体、カリ長石はカリウムが主体という点で明確に異なります。この成分差が、釉薬の仕上がりに直接影響を与えます。
融点の違いも実用上重要ですね。灰長石は約1170~1250℃、カリ長石は約1200~1300℃と、灰長石のほうが低温で溶けます。そのため1200℃以下の焼成では灰長石のほうが扱いやすいという特徴があります。
透明度では灰長石が優位です。ナトリウム成分は透明なガラス質を作りやすいため、透明釉や透き通るような青磁を作る際には灰長石が適しています。一方、カリ長石は若干乳濁しやすく、白っぽい仕上がりになる傾向があります。
艶の質感にも違いが現れます。灰長石ベースの釉薬は水のような透明な光沢になりやすく、カリ長石ベースは柔らかい光沢になります。作りたい作品のイメージに応じて選択すると良いでしょう。
価格面ではカリ長石のほうがやや安価な傾向があります。産出量が多く流通量も多いため、コストを抑えたい場合はカリ長石を主体にする選択肢もあります。
実際の配合では両者を混合して使うケースも多いです。例えば灰長石30%、カリ長石20%といった配合で、両方の特性を活かした釉薬を作ることができます。目指す質感や焼成温度に応じて、比率を調整するのが基本です。
基本的な透明釉の配合例を紹介します。灰長石40%、石灰石15%、珪石30%、カオリン15%という比率が初心者にも扱いやすい標準的なレシピです。1230℃前後で焼成すると、透明で光沢のある釉薬になります。
青磁釉を作る場合は、上記の透明釉に酸化鉄を0.5~2%程度加えます。灰長石の透明度が高いため、鉄分の美しい青緑色が引き出されます。焼成温度は1250~1280℃が理想的です。
白マット釉には灰長石の配合を減らします。灰長石25%、カリ長石25%、石灰石20%、珪石20%、カオリン10%という配合で、柔らかいマット質感が得られます。この場合、灰長石だけでなくカリ長石も併用することで、艶を抑えた仕上がりになります。
流し掛け用の釉薬では流動性を高めます。灰長石を50%まで増やし、石灰石を20%、珪石を25%、カオリンを5%にすると、よく流れる釉薬になります。
ただし流れすぎに注意が必要です。
日本陶芸協会のサイトには、様々な釉薬レシピと焼成条件が詳しく掲載されています
低火度焼成(1150~1180℃)向けには、灰長石を55%まで増やした配合も有効です。灰長石55%、石灰石10%、珪石25%、カオリン10%で、比較的低温でも十分に溶けてガラス化します。
電気窯で焼成する場合に便利な配合ですね。
配合を変更する際の注意点があります。灰長石の比率を5%変えるだけで、流動性や光沢が大きく変わることがあります。初めての配合を試す際は、小さなテストピースで必ず試し焼きをしてから本番に使うことをおすすめします。
湿気対策が最も重要です。灰長石は粉末状で保管することが多いため、湿気を吸うと固まってしまいます。密閉容器に入れ、シリカゲルなどの乾燥剤と一緒に保管するのが基本です。
粉塵対策も忘れてはいけません。微細な粉末を扱うため、吸い込むと健康被害のリスクがあります。作業時は必ず防塵マスクを着用し、換気の良い場所で扱うようにしましょう。
計量の精度にも気を配る必要があります。デジタルスケールで0.1g単位まで計量できる環境が理想的です。灰長石の配合量が数%違うだけで、釉薬の性質が変わることがあるためです。
ふるい分けは必須作業ですね。市販の灰長石にも粗い粒子が混じっていることがあります。使用前に80メッシュ以上のふるいを通すことで、釉薬の均一性が高まります。
混合する順序にもコツがあります。灰長石は比較的軽い粉末なので、他の原料と混ぜる際は最初に水に分散させてから加えると、均一に混ざりやすくなります。乾燥状態で混ぜると、静電気で容器に付着しやすく、正確な配合が難しくなります。
長期保管する場合は、購入時のロット番号を記録しておくと良いでしょう。同じ「灰長石」でも産地や採掘時期により微妙に成分が異なるため、過去のレシピを再現する際にロット情報があると役立ちます。ラベルに購入日とロット番号をメモする習慣をつけると安心です。
使い残しの管理も重要です。一度開封した灰長石は、なるべく早く使い切ることをおすすめします。どうしても長期保管する場合は、小分けにして密閉容器に入れ、直射日光の当たらない冷暗所に保管しましょう。

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