青磁釉 酸化焼成で実現する釉薬の発色と特徴

酸化焼成でも美しい青磁色を実現できる青磁釉の仕組みとは?還元焼成との違いや釉薬の調合、焼成温度まで、ブランド陶器に興味がある方に向けて詳しく解説します。あなたの作品作りにどう活かせるでしょうか?

青磁釉と酸化焼成の基本

青磁釉と酸化焼成の基本

この記事で分かること
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酸化焼成の仕組み

電気窯でも実現できる酸化焼成による青磁釉の発色メカニズム

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釉薬の調合方法

長石や石灰、鉄分の配合比率と各成分の役割

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焼成温度の管理

1200℃以上の高温焼成で得られる美しい青磁色の秘密

青磁釉における酸化焼成の仕組み


青磁釉は伝統的に還元焼成で焼かれますが、現代では酸化焼成でも青磁色を実現する釉薬が開発されています。酸化焼成とは、窯内に十分な酸素を供給しながら焼成する方法で、電気窯での焼成は基本的にこの酸化焼成になります。本来の青磁は釉薬に含まれる1%程度の酸化鉄が還元焼成によって青緑色に発色しますが、酸化焼成では黄色やクリーム色になってしまいます。
参考)https://blog.goo.ne.jp/meisogama-ita/e/84b0649d6816aabee7cae8d9c46d2383


しかし市販されている「酸化青磁釉」は、人工的に作られた青磁色の顔料を釉薬に添加することで、酸化焼成でも青磁らしい色を出せるように調整されています。銅青磁と呼ばれる釉薬は、酸化銅を呈色剤として青磁色に発色させたもので、生の釉薬を見るとすでに青磁色をしているため容易に見分けることができます。酸化焼成は完全燃焼状態であり、素地や釉薬に含まれる様々な物質が酸素と結合して色味や質感が変化する特徴があります。
参考)焼成とは 「酸化焼成」と「還元焼成」 - HatsuZan …


青磁釉の調合と成分構成

青磁釉の基本的な調合は、長石と灰を主成分とし、そこに酸化鉄を1~2%添加する配合が一般的です。具体的な調合例としては、福島長石5:石灰石1:朝鮮カオリン1:硅石3の比率に、外割でベンガラ2%を加えるものがあります。長石釉と石灰釉の2種類があり、長石釉は粘りのある釉で淡い緑色をしており、石灰釉は塩基性成分の石灰を加えているため黄色っぽくザラザラした感じになります。
参考)青磁釉


安定した青磁釉の調合例としては、長石60%、土灰30%、藁灰10%、弁柄2%という配合があり、人によってはバリウムや酸化亜鉛、酸化錫、酸化ストロンチウム等を加えることもあります。茨城県の研究では、福島長石・ネズミ石灰・マグネサイト・亜鉛華・炭酸ストロンチウム・炭酸バリウム・蛙目粘土・珪石を用い、着色剤として酸化第一鉄を1%添加した青磁釉が開発されています。鉄分の粒子の細かさが発色の良し悪しを左右し、微粒子が細かいほど均等に散らばって柔和な反射光を生み出します。
参考)https://blog.goo.ne.jp/meisogama-ita/e/fe13c0b02cb53dbc699012551faf3c4b


青磁釉の焼成温度と釉掛け厚み

青磁釉は1200℃以上の高温で焼成される高火度釉で、焼成温度によって発色が大きく変化します。市販の銅青磁釉の推奨焼成温度は1200~1280℃で、推奨温度は1230℃とされています。青磁釉の大きな特徴は厚掛けすることで、釉薬の厚さを2~3ミリにする必要があります。一般的な釉薬の厚さがハガキ1枚分(約0.3mm)なのに対し、青磁釉や志野釉などは特に厚掛けする必要があり、ハガキ2~3枚分の厚さが目安となります。
参考)[陶芸の専門店]陶芸.com 銅青磁釉 2リットル(液体釉薬…


厚掛けの方法としては、薄い釉を数度に分けて塗る方法が基本で、下地の釉が十分乾燥後に行わないと釉が流れ落ちてしまいます。流し掛けでは2~4度程度の施釉とし、徐々に施釉する間隔を長くする必要があります。素焼きの破片に掛けてみて、カッターナイフなどで削り取って厚さを確認することで、適切な厚みを管理できます。青磁釉は厚く掛けることで透明感のある青緑色が得られ、釉薬が陶器の表面に滑らかに伸びて上品で清涼感のある青色を発色します。
参考)https://www.ne.jp/asahi/yasuhiko/hayashi/tsudanuma/tougei-question/205yuyaku-atsusa.htm


青磁釉の発色に影響する鉄分濃度

青磁釉の発色において、鉄分の濃度は極めて重要な要素です。鉄分が少ない場合は淡い青白磁や透明感のある釉になり、控えめな色味が上品さを感じさせます。一般的な釉薬では、鉄分が少ないと黄色に、中程度だと茶色に、多いと黒色に発色する傾向がありますが、青磁釉では鉄分を多くしても青色は濃くならないという特性があります。
参考)青磁の色味の秘密:鉄分と焼成方法が生み出す美しさ|松尾靖隆


酸化焼成と還元焼成では鉄の発色メカニズムが異なり、還元焼成では酸素が少ない状態で焼成することで鉄分が還元され、鮮やかな青緑色が得られます。一方、酸化焼成では酸素が豊富な環境で焼成するため、釉薬が黄色味を帯びることがあります。高濃度酸化鉄(約8%)を含む釉薬を1100度以上の還元雰囲気下で焼成すると、生成した金属鉄が冷却過程で酸化されて赤色に変化する辰砂釉になります。青磁釉では弁柄の最適な添加量は1.5%とされており、これより多くても少なくても理想的な青磁色は得られません。
参考)https://www.aichi-inst.jp/tokoname/research/report/tokoname_1998_04.pdf


青磁釉の歴史的背景と現代的活用

青磁は紀元前14世紀頃の中国(殷)が起源とされ、後漢代に流行し以後次第に普及しました。龍泉窯で焼かれた青磁は広く海外に輸出され、日本ではその時代と色によって青味の砧手、緑味の天龍寺手、黄味の七官手とおよそ3種類に分けられています。砧青磁は南栄時代に造られ、青緑の釉薬から素地の土が透けて見える光沢の穏やかな発色が特徴で、国宝・重要文化財に指定された「青磁鳳凰耳花生」が有名です。
参考)青磁とは?魅力や特徴とその歴史について解説


現代では、本来の青磁釉の難しさを克服するため、誰でも容易に青磁らしき色を出せる釉薬が開発されています。電気窯での酸化焼成が主流になった現代において、酸化青磁釉は趣味の陶芸家から製陶所まで幅広く活用されています。しかし、伝統的な還元焼成による青磁釉の美しさは依然として高く評価されており、特にガス窯での焼成は炎で焼かれた作品として最高とされています。青磁釉の焼き方のポイントとして、釉薬の色が変わる温度帯の炎の合わせ方、その状態でどれくらい時間をかけるか、ピンホールをいかに出さないように焼くかという3点が重要です。
参考)青磁に強い - 陶芸窯炉オーダーメイド ㈱大築窯炉工業


酸化青磁釉の具体的な商品情報
市販されている酸化青磁釉1kgの商品ページで、水の割合や泥漿の作り方について参考になります。


酸化青磁釉のカラクリについて
酸化焼成でも焼ける青磁釉の仕組みについて、専門家が分かりやすく解説している記事です。


青磁釉の研究論文
愛知県窯業試験場による青磁釉の塩基組成や鉄分添加量に関する詳細な研究報告です。

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