非鉄金属銘柄で投資チャンス発見|市況と選び方

非鉄金属銘柄への投資に興味はありませんか?電気自動車やAI需要により銅・アルミニウム・ニッケルなどの非鉄金属市場は成長が期待されています。本記事では主要銘柄の特徴や投資のポイント、市況の影響について詳しく解説します。あなたの投資戦略にどう活かせるでしょうか?

非鉄金属銘柄の投資ポイント

非鉄金属銘柄投資の3つのポイント
📊
市況連動性の理解

国際市況や為替相場に敏感に反応する特性を把握し、価格変動リスクを管理

🔋
EV・AI需要の拡大

電気自動車やデータセンター向けの銅・ニッケル需要増加による成長期待

♻️
リサイクル技術の進展

貴金属回収や資源循環による安定供給と環境負荷軽減の両立

非鉄金属銘柄の代表企業と特徴

 

非鉄金属銘柄への投資では、まず主要企業の特徴を理解することが重要です。住友金属鉱山(5713)は金、銅、ニッケルを扱う非鉄金属の大手企業で、株式市場では非鉄金属株の筆頭的な存在として知られています。金価格上昇時にも話題になる銘柄です。JX金属(5016)は非鉄金属と電子材料が2本柱で、資源開発・製錬に重点投資しており、ニッケルで非鉄メジャー入りを狙っています。三菱マテリアル(5711)は非鉄金属の総合首位企業で、幅広い製品ラインナップを持つのが強みです。

 

DOWAホールディングス(5714)は環境・リサイクル、製錬、金属加工、電子材料、熱処理が主力で、特に貴金属回収に強く、リサイクル事業を強化しています。三井金属鉱業(5706)は2025年に株価が2倍超の上昇を見せており、AI関連の銅箔需要や高性能配線材の需要増加が業績を押し上げています。大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)と東邦チタニウム(5727)はチタン製錬大手企業で、航空機向けチタン需要の恩恵を受けやすい銘柄です。

 

株探:非鉄関連銘柄一覧(主要非鉄金属銘柄の株価・PER・PBR・配当利回りなどの投資指標を網羅的に確認できる)

非鉄金属の種類と投資対象の特性

非鉄金属とは、鉄および鉄が主成分である鋼以外のすべての金属を指します。代表的なものには銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、スズ、ニッケル、マグネシウムなどがあり、合金も含めると数えきれないほどの種類が存在します。これらは大きく基本非鉄金属、貴金属、レアメタル、レアアースに分類されます。

 

銅は電気や熱伝導性に優れており、電子・電気製品の素材として広く使用されています。電気自動車では従来のガソリン車の約4倍の銅が必要とされ、EVを100万台生産するには8.3万トンの銅が必要だと経済産業省が試算しています。アルミニウムは軽量性が特徴で、自動車や航空宇宙分野の軽量化設計に使用され、EV化に伴う軽量化ニーズで採用が拡大しています。ニッケルはバッテリーやステンレス鋼の製造に使用され、EVのリチウムイオンバッテリーの正極材として需要が急増しています。

 

チタンは高強度と優れた耐食性が特徴で、航空機向けの需要が大きく、ロシアがアヴィスマ社を抱え世界有数の供給国となっているため、地政学リスクの影響を受けやすい金属です。

 

JX金属:非鉄金属って?(非鉄金属の定義と代表的な金属の種類について詳しく解説)

非鉄金属銘柄の市況と価格変動要因

非鉄金属銘柄は市況に左右される面が大きく、国際市況や為替相場に敏感に反応する特性があります。ロンドン金属取引所(LME)の価格動向が重要な指標となり、日本の非鉄企業は価格上昇や円安が業績のプラス要因に働きます。2025年初からの非鉄金属相場は底堅く推移していますが、2024年下期以降の価格帯にとどまっています。

 

銅価格は2024年5月に1トン1万1100ドル台となり、2年ぶりに最高値を更新しました。この背景には、生成AI開発に必要なデータセンターの建設ラッシュで電線需要の増大が見込まれていることがあります。一方で、中国経済の停滞や欧州経済の不振が価格の上値を抑える要因となっています。

 

非鉄金属市場には供給側の制約も影響を与えています。主要な非鉄金属の生産は特定の国に集中しており、地政学リスクが価格変動の要因となります。また、環境規制の強化により新規鉱山開発が困難になっていることも、長期的な供給制約の懸念を生んでいます。

 

SBI証券の投資情報部長は、非鉄セクターはインフレヘッジとしても機能する可能性があると指摘しています。株価純資産倍率(PBR)1倍割れなど市況産業として出遅れ感が強いセクターであり、銘柄によっては十分買い直される可能性があると見られています。

 

非鉄金属の価格動向と今後の市場予測(現在の市場トレンドと価格推移、今後の予測について詳細に解説)

非鉄金属銘柄の将来性とEV需要

非鉄金属銘柄の将来性を語る上で、電気自動車(EV)需要の拡大は最も重要な要素です。再生可能エネルギー関連設備や電動モビリティなど、非鉄金属の新たな需要が期待されています。特に、軽量で高強度のアルミニウムや、電気伝導性に優れた銅の需要増加が見込まれています。

 

EVではバッテリー用負極向け銅箔やモーター用巻き線、放熱部品などで銅が採用されることから、劇的に銅の需要量が増加するものとみられます。2023年の自動車用銅需要は約20万トンに達し、EV一台あたりの銅消費量は従来のICE車の約2倍とされています。放熱性を重視したコールドプレートやバッテリー冷却プレートには銅合金が採用されるケースが多く、今後もEV向け需要が牽引していく見込みです。

 

ニッケル、コバルト、リチウムなどのバッテリー材料の需要も急増しています。研究によれば、2030年までに各国政府が温室効果ガスの実質ゼロ排出を目指す中、リチウムとコバルトの需要は2015年比で18倍と37倍に増加すると予測されています。EVの普及率が40~100%に達すると、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンの需要はそれぞれ2909~7513%、2127~5426%、1039~2684%、1099~2838%増加する可能性があります。

 

太陽光発電と風力発電でも大量の送電ケーブルに銅が使用されます。米ゴールドマン・サックスの試算によれば、クリーンエネルギー技術の普及を背景に、供給不足の懸念が高まっており、長期的に見て高い成長が見込まれています。

 

非鉄金属の概要と投資分析(非鉄金属の種類、産業での役割、投資における重要性を詳しく解説)

非鉄金属リサイクルと資源循環の投資価値

非鉄金属銘柄への投資において、リサイクル技術と資源循環の視点は従来の採掘・製錬とは異なる独自の投資価値を提供します。リサイクルによる供給の強化は、資源の有効利用とともに、価格の安定化に寄与し、環境負荷の軽減を実現する重要な要素となっています。

 

株式会社アサカ理研は、使用済み電子部品や産業廃棄物から金・銀・パラジウムなどを高純度で抽出する技術を強みとしており、資源循環型社会の実現に貢献しています。精密部品等の回収再生・洗浄・貴金属の回収精錬・販売を手がけ、工業薬品の製造・販売も行っています。

 

タケエイグループでは、神奈川県川崎市のリサイクルセンターで首都圏からの建設廃棄物を多い日で700t受け入れています。重機や光学選別機を使い選別し、RPFという固形燃料として再生しています。また、自動車や小型家電のスクラップからは、比重の違いを利用した重液選別という方法でアルミなどを分離・回収し、自動車メーカーへ原料として出荷しています。

 

近年増加している太陽光パネルは寿命が20~30年とされ、近い将来には大量廃棄時代を迎えるといわれています。金属やプラスチック、ガラスなど複数の素材で構成された複合製品のため、リサイクルには多くの課題がありましたが、TREホールディングス傘下の企業では、その太陽光パネルから資源を回収する取り組みを進めています。

 

リサイクル技術の進展は、鉱山開発による環境破壊を抑制し、採掘コストの上昇リスクを低減する効果があります。非鉄金属のリサイクル率が向上することで、新規鉱山への依存度を下げ、供給の安定性を高めることができます。この持続可能な非鉄金属産業を目指す方向性は、ESG投資の観点からも注目されており、長期的な投資価値を生み出す要素となっています。

 

テレビ東京ビジネスオンデマンド:大量廃棄時代の課題に挑む驚きの選別技術(非鉄金属リサイクル企業の先進的な取り組みを紹介)

 

 


JIS使い方シリーズ 非鉄金属材料選択のポイント