有田焼どこの県|佐賀県産地の歴史と特徴を解説

有田焼は佐賀県有田町で400年以上続く日本初の磁器です。伊万里焼との違いや白磁の美しさ、製作工程まで、陶芸に興味がある方に向けて産地と魅力を詳しくご紹介します。気になりませんか?

有田焼は佐賀県有田町の磁器

有田焼は佐賀県の地図上でどこを見るべきかわからない人が8割います。


この記事のポイント
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有田焼の産地は佐賀県

有田町を中心に、西松浦郡エリアで400年以上続く磁器の産地です

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伊万里焼との関係

伊万里港から出荷されたため、かつては同じ焼き物を「伊万里焼」と呼んでいました

白く透明感ある磁器

泉山の陶石を使った、美しい白磁と繊細な絵付けが特徴の日本初の磁器です

有田焼の産地は佐賀県西部の有田町

有田焼は佐賀県の西部に位置する有田町で作られる磁器です。有田町は西松浦郡に属し、面積は約65.85平方キロメートル、人口は約20,000人の小さな町です。町の約7割が山と森林に覆われた自然豊かな地域で、有田川に沿って東西に細長く広がる地形が特徴的です。


参考)有田焼 - Wikipedia


1616年に朝鮮半島から渡ってきた陶工・李参平が有田東部の泉山で白磁鉱を発見し、近くの上白川に天狗谷窯を開いて日本初の白磁を焼いたのが有田焼の始まりです。


つまり有田焼は日本初の磁器です。


この発見以降、多くの陶工たちが磁器製作に取り組み、一大産地を形成していきました。


参考)有田焼について - アリタセラ / Arita Será


現在、有田町には約150の窯元と約260の卸・小売のやきものの店がひしめいています。谷あいの内山地区には歴史的価値の高い建造物が連なり、1991年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。江戸時代の面影を残す町並みは、有田焼の歴史を感じられる貴重な観光スポットです。


参考)有田焼について|有田焼なら賞美堂本店オンラインショップ


有田町では毎年、陶器市などのイベントが開催され、多くの観光客が訪れます。地元の竜門峡から流れる水は名水100選にも選ばれており、陶芸だけでなく農作物の栽培も盛んです。有田焼に興味がある方は、実際に産地を訪れて窯元巡りや陶芸体験を楽しむこともできます。


参考)陶磁器の里を訪ねて 〜有田〜 - fremtiden(フラム…


有田焼と伊万里焼の関係と違い

有田焼と伊万里焼は元々同じ焼き物を指していました。江戸時代、有田で作られた磁器は伊万里港から全国や海外に輸出されていたため、「伊万里」や「伊万里焼」と呼ばれていたのです。同じく長崎県の三川内や波佐見で作られた肥前の磁器も「伊万里」と呼ばれていました。


参考)有田焼と伊万里焼の違いとは?その魅力と歴史を解説!


明治時代以降、船から鉄道へ輸送手段が変わると、有田地区で作られたものを「有田焼」、伊万里地区で作られたものを「伊万里焼」と産地名で区別するようになりました。


これが両者が分かれた理由です。


現在では、有田焼は高級品から日常使いの食器まで幅広く生産し、伊万里焼は献上品を作っていた鍋島の伝統技術を受け継ぎ、品格のある高度な作品を生産しています。


製法面では、有田焼は「柿右衛門様式」や「鍋島様式」といった華やかな技法が特徴です。特に「濁手(にごして)」と呼ばれる乳白色の素地に、赤色を主体とし青や緑などを添えた鮮やかな絵付けが施される柿右衛門様式が有名です。薄くて透明感のある白磁を使って鮮やかな色絵を描くのが特徴です。


参考)伊万里焼(いまりやき)・有田焼(ありたやき)とは?それぞれの…


使用される原材料はほぼ同じで、特に有田の泉山で採れる「陶石カオリン)」が用いられます。良質な泉山陶石のおかげで、白く硬い磁肌が特徴となっています。ちなみに、江戸時代に有田で作られた歴史的・骨董的価値の高い作品は「古伊万里」と呼ばれ、現在の伊万里焼とは区別されます。


骨董品的価値の有無が違いです。



有田焼と伊万里焼の詳しい歴史と技法の違いについては、こちらの記事が参考になります。

有田焼の白磁と絵付けの特徴

有田焼の最大の特徴は、白く透き通るような美しい生地と、藍色や多彩な色で描かれた絵付けです。磁器は高温で焼かれるため硬く、透明感のある白色を持ち、釉薬の光沢が美しいのが特徴です。陶器よりも緻密で水を吸わず、軽く叩くと澄んだ音がします。


これが磁器の魅力です。



参考)有田焼とは?歴史・特徴・見分け方を徹底解説|裏印・作家・買取…


有田焼の生地は、泉山や天草の陶石を用いて作られます。陶石を粉砕し、水簸(すいひ)、土絞り、土練りをして陶土を作る工程を経ます。この泉山陶石は国指定史跡にもなっており、400年以上にわたって有田焼の原料として使われてきました。泉山陶石の良質さが有田焼の白さを支えています。


参考)https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00325421/index.html


絵付けには呉須(ごす)と呼ばれる藍色の顔料が伝統的に使われます。呉須で描かれた染付と呼ばれる技法は、有田焼を代表するスタイルの一つです。また、初代酒井田柿右衛門による赤絵の技法が完成し、今日の伊万里・有田焼の基礎を築きました。赤色を主体に、青や緑、金などを組み合わせた多彩な絵付けは、江戸時代にヨーロッパの王室や貴族の間で高く評価されました。


参考)有田焼とは。伊万里焼と呼ばれた歴史と現在の姿


有田焼の形状は皿や鉢、壺など多岐にわたり、日常使いから高級骨董品まで幅広く存在します。手描きの絵付けが施された作家物は技術・希少性が評価され、一方で量産品は工場で制作されるため比較的リーズナブルです。裏印や箱書きを確認することで、作家物か量産品かの判断が可能です。


有田焼の見分け方や裏印の確認方法については、こちらの記事が詳しく解説しています。

有田焼の製作工程と分業制

有田焼の製作工程は、土作りから焼成まで複数の工程に分かれています。作業は分業制で行われており、土をつくる生地係、ろくろや鋳型から磁器の形を成型する型係、素焼きしたものに絵付けをする絵付係などに細分化されています。各分野の専門知識を持った職人たちが、それぞれの工程を手掛けることで、高い品質と繊細な表現力が実現されています。


参考)https://shingi-ittai.jp/japan-arts/articles/303/


成形工程では、ろくろ成形鋳込み成形が代表的な方法です。ろくろ成形では、ろくろに乗せた藤土を「延べ下げ」という方法でなじませ、熟練の技で魔法のように形を変えていきます。ベベラと呼ばれる長いヘラで形を作り、雄しべ等で内側を整えます。トンボ弱で直径と深さを量り、形状の均一な製品を作ります。


鋳込み成形は、方に液体状の糖度を流し込んで成形する方法です。石膏で作られた方は水分を吸収し、石膏に接している部分から固まっていきます。時間によって暑さが決まり、糖度を捨ててしばらくして型から外します。大量に生産する場合は、この石膏でできた鋳型が使われます。


参考)有田焼ってどんな焼き物?特徴や歴史について調べました


成型した器は乾燥させ、ヤスリなどの道具を使いながら形を丁寧に整えます。湿ったスポンジで表面を滑らかにする仕上げ工程を経て、素焼きと本焼きが行われます。丁寧なお仕事のものは、手で持った時の感触がまったく違います。手書きのものとプリントのものを見分けるには、線描きの部分をよく見比べて勢いや太さに違いがあるかチェックしましょう。


参考)有田焼のお買い物のコツ 選ぶときの注意点|有田焼


有田焼を購入する際の産地訪問のメリット

有田町を訪れると、有田焼を実際に手に取って選べるメリットがあります。アリタセラは佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-169にあり、約800台分の駐車場を備えた大型施設です。10時から17時まで営業しており、店舗によって営業時間が異なります。JR有田駅から「赤坂団地東口」バス停下車後、徒歩約5分でアクセスできます。


参考)【佐賀】有田焼の町を観光!魅力的な器やおしゃれなカフェ、歴史…


有田内山地区は、江戸時代の面影を残す歴史的な町並みが魅力です。JR有田駅から徒歩約14分、または西九州自動車道「波佐見・有田」ICから下の番所跡付近まで車で約6分です。トンバイ塀のある裏通りは、有田焼の窯を築くために使われた耐火レンガの廃材を利用した塀が続く風情ある場所で、JR上有田駅から徒歩約10分です。


陶山神社は有田焼の陶工たちの信仰を集める神社で、鳥居や狛犬まで磁器でできている珍しいスポットです。JR上有田駅から徒歩約14分、西九州自動車道「波佐見・有田」ICから約9分です。


約20台分の駐車場があります。


有田ポーセリンパークは西洋風の宮殿が目を引く施設で、やきもの体験もできます。


産地を訪れることで、窯元巡りや陶芸体験を通じて、有田焼の製作工程を肌で感じられます。実際に職人の技を見学したり、自分で作品を作ったりすることで、有田焼への理解が深まります。百田陶園やギャラリー有田など、多くの店舗が並ぶエリアでは、作家物から日常使いの食器まで、幅広い選択肢から自分好みの一品を見つけられます。購入前に実物を確認できるのが最大の利点です。


有田町の観光スポットや窯元情報については、こちらの楽天トラベルのガイドが詳しく紹介しています。