伊万里焼どこで作られる?産地と窯元の見分け方

伊万里焼は佐賀県有田町で作られているのに、なぜ「伊万里」という名前なのでしょうか?産地の誤解を解き、本物の伊万里焼を見分けるポイントをお伝えします。購入前に知っておくべき産地表示の注意点とは?

伊万里焼どこで作られる産地

伊万里焼を有田焼と混同してしまうと、産地表示が異なる作品を購入する可能性があります。


この記事の3ポイント要約
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伊万里焼の本当の産地

佐賀県有田町が製造地で、伊万里港から出荷されたため「伊万里焼」と呼ばれるようになった歴史的経緯があります

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現代の産地区分

現在は有田町製を「有田焼」、伊万里市製を「伊万里焼」と呼び分けており、窯元の所在地で名称が異なります

見分け方のポイント

裏印や産地表示を確認し、購入時には窯元の所在地を明記した証明書があるかチェックすることが重要です

伊万里焼の産地は佐賀県有田町と伊万里市


伊万里焼という名前から「伊万里市で作られている」と思いがちですが、実際の産地は少し複雑です。


歴史的には、佐賀県有田町で作られた磁器が伊万里港から出荷されていたため、「伊万里焼」と呼ばれるようになりました。江戸時代から明治時代にかけて、有田で焼かれた磁器の約8割が伊万里港を経由して全国や海外へ運ばれていたという記録があります。


つまり、流通の拠点が名前の由来です。


現在では産地の呼び分けが明確になっています。有田町の窯元で作られたものを「有田焼」、伊万里市の窯元で作られたものを「伊万里焼」と区別するのが一般的です。


ただし、伊万里市内にも約30の窯元があり、独自の作風を持つ伊万里焼を製造しています。有田町の窯元数は約150と圧倒的に多く、技法や絵付けのバリエーションも豊富です。


産地表示を確認する際は、窯元の所在地が「佐賀県西松浦郡有田町」なら有田焼、「佐賀県伊万里市」なら伊万里焼と判断できます。


伊万里焼の歴史的背景と港の役割

なぜ製造地と名前が一致しないのか、その理由は江戸時代の流通システムにあります。


1600年代初頭、朝鮮人陶工・李参平が有田で磁器製造に成功しました。


これが日本初の磁器生産とされています。


当時、有田は山間部に位置していたため、完成した磁器を運び出すには港が必要でした。


最寄りの港が伊万里港だったため、有田焼は「伊万里の港から来た焼き物」として全国に広まったのです。伊万里港は天然の良港で、大型船の停泊にも適していました。


特に1650年代から1700年代にかけて、伊万里港からヨーロッパへ大量の磁器が輸出されました。オランダ東インド会社の記録によれば、年間で数十万個の磁器が伊万里港から積み出されていたことがわかっています。


この時期の磁器は「古伊万里」と呼ばれ、現在では骨董品として高値で取引されています。古伊万里の中には、1点で数百万円の価値がつくものもあるほどです。


鉄道が開通した明治時代以降も、伊万里の名前は商品ブランドとして定着していたため、有田で作られた磁器も含めて「伊万里焼」と呼ばれ続けました。


伊万里焼と有田焼の違いと見分け方

同じ磁器でも、現代では産地によって特徴が分かれてきています。


有田焼は白磁の美しさと精緻な絵付けが特徴です。特に染付(青い絵付け)や色絵(多色の絵付け)の技術が高く評価されています。有田焼の中でも「柿右衛門様式」や「鍋島焼」といった様式は、世界的に知られる高級品です。


一方、伊万里市で作られる伊万里焼は、素朴で力強い作風が多く見られます。民芸的な味わいを重視した作品や、実用性を追求した食器類が中心です。価格帯も有田焼に比べて手頃なものが多く、日常使いしやすいのが特徴です。


見分けるポイントは以下の通りです。


📌 裏印(高台の裏に押される窯印)を確認する
📌 産地表示シールや証明書をチェックする
📌 購入店で窯元の所在地を尋ねる
📌 絵付けの細かさと色の発色を比較する
裏印には窯元の名前や所在地が記されていることが多く、これが最も確実な判別方法です。


ただし、古い作品や骨董品の場合は、裏印だけでは判断が難しいこともあります。購入金額が高額な場合は、鑑定書の有無を確認することをおすすめします。鑑定書には産地や製造年代、窯元名が明記されています。


伊万里焼を購入できる場所と注意点

本物の伊万里焼を手に入れるには、信頼できる購入先を選ぶことが大切です。


直接購入できる場所として、佐賀県内の窯元や陶器市が挙げられます。有田町では毎年4月29日から5月5日にかけて「有田陶器市」が開催され、約120万人が訪れる一大イベントです。伊万里市でも春と秋に陶器市が開かれています。


オンラインでの購入も可能ですが、注意点があります。産地表示が曖昧な商品や、極端に安価な商品は、中国製や東南アジア製の可能性があるためです。


購入時の確認ポイントはこちらです。


✅ 窯元の正式名称と所在地が明記されているか
✅ 産地証明書や品質保証書が付属するか
✅ 返品・交換の条件が明確か
✅ 実物の写真(特に裏印部分)が掲載されているか
東京や大阪などの大都市にも、佐賀県のアンテナショップや専門店があります。例えば、東京有楽町の「佐賀県アンテナショップ」では、有田焼・伊万里焼の正規品を購入できます。


有田焼卸団地協同組合
有田焼の正規窯元リストと、購入できる店舗情報が掲載されています。


価格の相場としては、日常使いの器で3,000円から10,000円程度、装飾品や美術品として作られた作品は数万円から数十万円です。古伊万里の骨董品になると、数百万円の値がつくこともあります。


伊万里焼を買う前に知っておくべき陶器の基礎知識

陶器と磁器の違いを理解しておくと、購入時の判断材料になります。


伊万里焼は「磁器」に分類されます。磁器は陶石(とうせき)という石を原料とし、1300度以上の高温で焼成されるため、硬く透光性があります。軽く叩くと金属的な高い音がするのが特徴です。


一方、陶器は粘土を原料とし、1000度から1200度程度で焼かれます。


吸水性があり、叩くと鈍い音がします。


備前焼信楽焼は陶器の代表例です。


磁器のメリットはこれらです。


🔸 水や汚れが染み込みにくい
🔸 耐久性が高く欠けにくい
🔸 電子レンジや食洗機に対応している製品が多い
🔸 白く滑らかな質感で絵付けが映える
ただし、急激な温度変化には弱いという特性があります。熱湯を注いだ直後に冷水で冷やすと、ひび割れる可能性があるため注意が必要です。


日常的に使う食器として伊万里焼を選ぶ場合は、使用後の手入れも考慮しましょう。磁器は基本的に食洗機対応ですが、金彩や銀彩が施された装飾品は手洗いが推奨されます。金彩部分は研磨剤入りのスポンジで洗うと剥がれてしまうためです。


保管時は、器同士を直接重ねず、間に柔らかい布やキッチンペーパーを挟むと傷がつきにくくなります。特に高価な作品や骨董品を所有する場合は、専用の桐箱に入れて湿度の低い場所で保管することが基本です。




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