染付 皿 選び方から使い方まで陶芸愛好家向けガイド

白地に藍色の美しい染付皿は、陶芸に興味ある方にとって憧れの器の一つです。歴史や作り方、選び方から日常のお手入れまで、染付皿を長く楽しむために知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。あなたも染付皿の魅力を暮らしに取り入れてみませんか?

染付 皿 選び方 使い方

染付皿は食洗機で洗うと藍色が薄くなります。


この記事のポイント
🎨
染付の基本と歴史

中国で完成された白地に藍色の磁器技法と日本への伝来

🍽️
染付皿の選び方と見分け方

産地や年代による特徴と価値の判断ポイント

お手入れと長く使うコツ

使用前の水くぐらせから洗浄まで日常ケアの実践法

染付皿の基本知識と歴史的背景

染付とは、白色の胎土で成形した素地の上に酸化コバルトを主成分とした絵具で模様を描き、その上に透明釉をかけて高温で焼成した陶磁器のことです。白と藍色のコントラストが美しく、主に磁器で作られています。


参考)染付 - Wikipedia


染付の誕生はすでに9世紀には原型となる陶磁器が作られていたと考えられており、中国の元王朝末期に景徳鎮で完成されました。当時のヨーロッパではこのクオリティの陶磁器を作ることができなかったため、中国から伝来した染付は金銀にも勝る宝として重宝されました。


参考)染付の概要・歴史・魅力|中国美術をやさしく解説するサイト


日本へは17世紀初頭に伝わり、有田や瀬戸、京都などで製作が始まりました。江戸後期には日本全国の窯で作られるようになり、各地で独自の発展を遂げています。産地ごとに文様や技法に特徴があり、それぞれの地域性が染付の多様性を生み出しました。


染付皿の製作工程と呉須による絵付け技法

染付の製作は、まず素焼きした素地に鉛筆で下書きをすることから始まります。次に呉須(ごす)と呼ばれる酸化コバルトを主成分とした顔料を使って絵付けを行います。細い筆で模様の輪郭を描き、その中を濃淡をつけて塗る手法が特徴的です。


参考)染付(そめつけ)|ギャラリージャパン


「濃み」(ダミ)と呼ばれる技法では、たっぷりと絵具を含ませた太い筆を使い、白から青へのグラデーションで塗っていきます。筆に呉須を含ませてから穂先に少しだけ水を付けることで、自然な濃淡表現が可能になります。細部は針などを使って白抜きの線で描画することもあります。


参考)https://shizuka-m.jimdofree.com/%E6%9F%93%E4%BB%98how-to/


絵付けが完了したら、焼くと透明になる釉薬を全体にかけて、還元焼成で1250度まで上げて焼成します。


これが基本の工程です。



高温で焼き上げることで、呉須が美しい藍色に発色します。この青の発色こそが染付の最大の魅力であり、白磁の清らかさとのコントラストが染付を陶磁器の主流にした要因と言えます。


参考)染付の歴史と特徴・見分け方(骨董品査定)|株式会社 栄匠堂


染付皿の選び方と価値を見分けるポイント

染付皿を選ぶ際は、まず産地と年代に注目することが重要です。江戸時代に作られた古染付は現存数が少ないため特に高額で取引されており、手描きの精緻な文様、底裏の古い窯印、状態の良さが揃うと数万円から数十万円の査定も珍しくありません。制作年代と窯印が価値を決める最も重要な要素です。


参考)瀬戸染付焼は今いくらで売れる?骨董品市場での査定ポイント徹底…


中国の古染付には「虫食い」と「砂付き」という特徴的な景色があります。虫食いは、粗悪な土を使って焼成した際に表面のガラス釉と胎土の伸縮率の違いで生じる隙間部分が欠けたもので、砂付きは釉薬が窯の床にくっつくのを防ぐために撒かれた砂がくっついたものです。これらは本来は製造上の不具合ですが、古染付の特徴として価値が認められています。


参考)染付ってどんなもの?種類や成り立ちを紹介 - kaji’s …


日常使いの染付皿であれば、湯呑みや小皿、豆皿で1,000円から3,000円程度が相場となっています。


手ごろに楽しめますね。



参考)瀬戸染付焼の値段はどれくらい?価格の目安と選び方をわかりやす…


食卓に変化をつける目的で染付を新しく購入する場合は、普段使っている無地の器を出発点にして、その器と組み合わせて使えるサイズや形のものを選ぶのがおすすめです。


統一感が生まれます。



参考)https://esse-online.jp/articles/-/12843


染付皿の日常的な使い方とお手入れ方法

染付皿は磁器なので、基本的には使用前に特別な水浸しなどをせずに使い始めることができます。ただし、陶器や貫入のある器の場合は吸水性があるため、油ものや色の濃いお料理を盛り付ける前に水にさっとくぐらせるだけでも染み込みを防いでくれます。


ひと手間で経年変化をゆるやかにできますよ。



参考)はじまりの季節に。揃えたい白磁の食器


使用後はすぐに洗浄することをおすすめします。磁器は食材や調味料の色が移りにくいですが、素地に色が移ると落とすことが難しく、また匂いが付いてしまう原因にもなります。残り物などをのせたままにせず、なるべく早めに洗うことが大切です。


参考)https://shikioriori-store.jp/pages/oteire


洗い桶で洗うとお皿同士がぶつかって欠けやすくなりますので注意が必要です。カトラリーや他の食器と強くぶつからないように気をつけてください。


茶渋や醤油の汚れ、高台の黒ずみは食器用洗剤では落ちにくい場合がありますが、メラミンスポンジを使っても構いません。ただし強くこすると絵付けの剥げにつながる恐れがありますので、少しずつ優しく磨くようにしましょう。


参考)お手入れ・取り扱い方法|有田焼なら賞美堂本店オンラインショッ…


染付皿を食洗機で洗う際の注意点

白磁・無地・染付の器は基本的に食洗機を使用できます。絵付けのかすれや変色等の変化が起きることはないとされていますが、これは下絵付け技法の染付に限った話です。


一方、上絵付が施された器は注意が必要です。食洗機の高温・高圧な水流と強力なアルカリ性洗剤は、繊細な上絵付けを剥がしたり、色を褪せさせたりする原因になります。洗う回数を重ねることで摩擦により絵の具が剥げたり、かすれたりする場合があります。


参考)【食洗機対応表2025年版】哺乳瓶・ステンレス・アルミ・九谷…


食洗機は手洗いよりも強い摩擦が起きるため、新品の状態をより長くお楽しみいただくためには手洗いを推奨します。特に金彩は他の絵の具より摩擦に弱い性質があります。


長く使いたい染付皿は手洗いが基本です。



軽く薄い小皿などは、食洗機の水圧で小皿が動いて傷つくおそれがあるため、手洗いをおすすめします。


大切な器を守るための選択ですね。



参考)普段使いにおすすめの九谷焼9選|使いやすさはどう? - 和食…


染付皿を陶芸で自作する際の失敗例と対策

陶芸で染付皿を作る際、電動ろくろでの成形には特有の失敗パターンがあります。よくある失敗として、最初の土殺しの太さが細かったために皿の底が狭くなり、全体的に小枝パターンのような不安定な形になることがあります。これを避けるには、しっかりと広めの土殺しから始めることが重要です。


もう一つの典型的な失敗は、皿を成形する際に持つところがなくなってしまうことです。縁を巻き上げずに切ってしまうと指で持ったときに歪んでしまい、また底の部分の厚みが調整できないため極端に薄くなったり厚くなりすぎたりして正確に安定しません。


釉薬の作業では、色が綺麗に出ないという失敗がよく見られます。釉薬を掛けて焼成したら色が薄かった、想像していた色と違ったという経験はありませんか。そんな時の原因は釉薬のかき混ぜ不足にあります。釉薬は底に溜まりやすいため、使用前にしっかりとかき混ぜることが必須です。


参考)陶芸のよくある失敗


高台の仕上げも重要なポイントです。高台がざらざらしているものは、テーブルや他のお皿を傷つける可能性があります。購入後のお手入れとして、紙やすりで軽く削って滑らかにする必要があります。


これらの失敗を理解すれば、どんな大きいお皿もきっと作れるようになります。まずは頭で理解して、次に実践することが上達への近道です。


お皿成形の失敗例7選を解説した陶芸教室の動画(陶磁器工房 器楽)
染付の制作手順を写真付きで解説(森本静花 Ceramics Works)