三島唐津の文様は実は釉薬をかける前に作られます
三島唐津茶碗は、朝鮮の李朝三島の技法を受け継いだ唐津焼の一種です。象嵌(ぞうがん)という技法を用いて繊細な文様を生み出します。
参考)唐津焼
この技法では、半乾きの素地に印花紋や線彫りなどの文様を施し、その窪みに白い化粧土を塗り込みます。化粧土が半乾きになったら、表面の余分な化粧土をゴムベラやカンナで削り取り、文様を浮かび上がらせます。その後、釉薬を流しかけて焼き上げると、白と土の色のコントラストが美しい模様が完成します。
印花の押印には竹製の道具や100円ショップのアイテムも活用できます。カンナを使う方法とゴムベラを使う方法があり、作家によって独自の技法を編み出しています。彫り込みの深さや化粧土の濃度によって、仕上がりの印象が大きく変わります。
文禄慶長の役の後、豊臣秀吉によって新たに朝鮮陶工が渡来し、彼らの技術が唐津焼に融合しました。「一楽二萩三唐津」という言葉が示すように、茶人たちから高く評価されてきました。三島唐津もこの時期に技法が確立され、茶席を彩る重要な茶碗となったのです。
参考)広島にて唐津焼を高価買取いたします!古唐津・茶碗・皿・水指・…
江戸時代初期には有田で磁器生産が始まり、唐津焼は苦境に立たされます。それでも藩の御用品を焼く役御茶碗窯と庶民向けの窯に分かれて存続し、三島唐津の技術は途絶えることなく受け継がれました。人間国宝・中里無庵の功績により、昭和以降に再び脚光を浴びるようになります。
三島唐津茶碗の価格は作家や状態によって幅があります。Yahoo!オークションの過去120日間のデータでは、唐津三島茶碗の平均落札価格は約21,123円です。約82件の取引があり、比較的流通量は安定しています。
参考)Yahoo!オークション -「唐津三島茶碗」の落札相場・落札…
楽天市場で販売されているふるさと納税の三島唐津平茶碗は44,000円です。裏千家15代家元鵬雲斎の箱書が付いた中里重利作の作品になると、さらに高額になります。書付のある作品や人気作家の茶碗は、プレミアム価格で取引されることが一般的です。
入手方法としては、以下の選択肢があります:
初めて購入する場合は、信頼できる専門店で実物を見て選ぶのが確実です。
唐津焼は吸水性の高い陶器ですので、適切な手入れが長持ちの秘訣です。使用前には「目止め」を行い、ぬるま湯に数時間浸して汚れの染み込みを防ぎましょう。茶会の直前にも軽く湯通しすると、急な温度変化による割れを防げます。
使用後は洗剤やスポンジを使わず、指でこするようにして水またはお湯で洗います。抹茶が残っているとシミの原因になるため、しっかり汚れを落としてください。洗った後はきれいな布巾で水気を拭き取り、一晩ほどしっかり乾燥させます。
保管時は高台を上にして乾かすのが基本です。高台が無釉のものは、高台を上にして斜めに立て掛け、全体が空気に触れるようにします。乾ききらないうちに高台を下にすると、高台の中に湿気が溜まりカビの原因になります。器を重ねるときは薄い布や紙を挟むと傷や湿気が防げます。
三島唐津茶碗を選ぶとき、多くの人は文様の美しさに目を奪われます。しかし実は、高台の削り跡や土の質感にこそ、作家の技術と個性が表れるのです。
高台の仕上げ方を見れば、作家の丁寧さが分かります。高台内側の削り跡が均一で、指に引っかかりがないものは、ろくろの技術が確かな証拠です。土の質感は、鉄分の多い土ほど焼き上がりに深みのある色合いが出ます。手に取ったときの重さも重要で、適度な重量感があるものは土の締まりが良く、長く使える茶碗と言えます。
文様だけでなく、釉薬の濃淡にも注目しましょう。三島唐津は釉薬を流しかけるため、自然な濃淡が生まれます。この濃淡の美しさは、作家の釉薬掛けの技術を反映しています。均一すぎる釉薬よりも、自然な流れのある釉薬の方が、使い込むほどに味わいが増します。
参考)https://www.coconoki.com/brand/utagama/mishima/
実際に手で持って、口当たりを確かめることも大切です。茶碗の縁(口縁)が薄すぎず厚すぎず、唇に優しく触れるものを選びましょう。茶の味わいは、茶碗の形状や厚みにも影響されます。自分の手に馴染むサイズ感を見つけることが、長く愛用するための第一歩です。
唐津市観光協会の唐津焼ガイド
唐津焼の基礎知識と各種類の特徴について詳しく解説されており、三島唐津以外の技法も学べます。
Watajima Potteryの三島手技法解説
現役作家による象嵌技法の実際の工程が写真付きで紹介されており、技術の細部まで理解できます。