削り工具の選び方と使い方|陶芸作品を美しく仕上げるコツ

陶芸で作品の完成度を左右する削り工具について、種類や選び方、使い方のポイントを詳しく解説します。初心者が陥りがちな失敗を避け、プロのような仕上がりを実現するために知っておくべきことは何でしょうか?

削り工具の種類と選び方

削り工具は安ければ安いほど良いと思っていませんか?

この記事の3ポイント要約
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削り工具の基本種類

カンナ、ワイヤーツール、リブなど用途別の特徴を理解することで作業効率が大幅に向上します

適切な工具選びのポイント

作品のサイズや形状、削りたい部位に応じて最適な工具を選ぶことで失敗を防げます

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メンテナンスと保管方法

工具の寿命を延ばし、常に最高のパフォーマンスを維持するための実践的なケア方法を紹介します

削り工具の基本的な種類と特徴


陶芸で使用する削り工具には、大きく分けて5つの種類があります。それぞれの工具は設計された目的が異なり、使い分けることで作品の完成度が格段に上がります。


最も基本的なのがカンナ(かんな)です。金属製の刃が付いた工具で、回転する作品の表面を削って形を整えます。刃の形状によって用途が変わり、平刃は広い面の削りに、丸刃は曲面や溝の加工に適しています。


カンナは必須の工具ですね。


次によく使われるのがワイヤーツール(線鋸)です。細い針金をU字型に張った工具で、粘土の切断や表面の粗削りに使います。針金の太さを変えることで、削り取る量を調整できるのが特徴です。


リブと呼ばれる工具も重要です。プラスチックや木製の薄い板状の道具で、作品の表面を滑らかに仕上げたり、曲面を整えたりする際に使用します。形状は三角形、半円形、波型など多様で、作品の形に合わせて選びます。


削りベラは細かい部分の加工に欠かせません。先端が尖った小型の工具で、装飾的な模様を入れたり、細部を繊細に削ったりする作業に向いています。


材質はステンレスや竹製が一般的です。


最後にスポンジも削り工具の一種として使われます。水を含ませて表面を撫でることで、削りカスを取り除き、表面を滑らかにする効果があります。


つまり用途に応じた使い分けが基本です。


削り工具選びで失敗しない3つのポイント

削り工具を選ぶ際、価格だけで判断すると後悔する可能性が高いです。安価な工具は刃の素材が粗悪で、すぐに切れ味が落ちたり、錆びやすかったりします。結果的に頻繁に買い替える必要が生じ、かえって高くつくケースが多いです。


1つ目のポイントは刃の材質を確認することです。ステンレス製は錆びにくく長持ちしますが、炭素鋼製は切れ味が鋭い代わりにメンテナンスが必要です。初心者はステンレス製から始めるのが無難でしょう。


刃の材質が作業効率を左右します。


2つ目は柄の握りやすさです。長時間の作業では手の疲労が蓄積するため、柄の太さや形状が自分の手にフィットするかが重要になります。できれば実際に手に取って確認するのが理想的です。木製の柄は手に馴染みやすく、プラスチック製は水に強いという特徴があります。


3つ目は作品のサイズに合わせた工具サイズの選択です。大きな作品には刃幅が広いカンナ(5cm以上)が効率的ですが、小さな作品や細部の加工には刃幅2cm程度の小型カンナが適しています。


サイズ選びが作業の快適さを決めますね。


また、セット商品を選ぶ際は、本当に必要な工具が含まれているか吟味してください。使わない工具が多く含まれているセットより、必要な工具を単品で揃える方が結果的に経済的な場合もあります。


初心者向けのスターターセットでも、5,000円〜15,000円程度の価格帯であれば、最低限の品質は確保されています。極端に安い2,000円以下のセットは、工具の精度や耐久性に問題があることが多いです。


削り工具を使う最適なタイミングと乾燥度

削り作業のタイミングを誤ると、作品にヒビが入ったり、変形したりする原因になります。陶芸では粘土の乾燥状態を「水分含有量」で表すことがあり、削り作業に最適な状態は「半乾き」と呼ばれる段階です。


半乾きとは、粘土の表面は乾いているが内部にはまだ水分が残っている状態を指します。具体的には、指で押しても跡が付かず、少し冷たく感じる程度です。この状態の粘土は削りやすく、きれいな削りカスが出ます。


半乾きが削り作業の黄金タイミングです。


粘土が柔らかすぎる状態(生乾き)で削ると、工具に粘土が付着して作業が困難になります。また、削った部分が歪んだり、指の跡が付いたりして仕上がりが悪くなります。逆に完全に乾燥してしまうと、粘土が硬くなりすぎて削りにくくなり、工具の刃を傷める原因にもなります。


季節や湿度によって乾燥速度は変わります。夏場は3〜6時間、冬場は6〜12時間程度で半乾きの状態になることが多いです。ビニール袋やラップで作品を覆うことで、乾燥速度をコントロールできます。


どういうことでしょうか?
湿度の高い梅雨時期は乾燥に時間がかかるため、作業スケジュールに余裕を持つことが大切です。また、エアコンの風が直接当たる場所では、部分的に乾燥が進みやすいので注意が必要です。


削り作業の判断基準として、作品を軽く叩いた音で確認する方法もあります。「コンコン」と高い音がすれば削りに適した状態、「ボスボス」と低い音なら水分が多すぎる状態です。


音での判断は経験が必要ですね。


削り工具の正しい使い方と角度調整

削り工具を効果的に使うには、正しい角度と力加減が重要です。カンナを使う際、刃を作品に当てる角度は30〜45度が基本とされています。この角度で削ることで、粘土が薄く均一に削れ、表面が滑らかに仕上がります。


角度が急すぎる(60度以上)と、刃が粘土に食い込みすぎて削りムラができます。逆に角度が浅すぎる(20度以下)と、刃が滑って削れず、表面を撫でるだけになってしまいます。


30〜45度の角度が基本です。


力加減も重要なポイントです。初心者は力を入れすぎる傾向がありますが、適切な角度で工具を当てれば、軽い力で十分削れます。力を入れすぎると、削りすぎて作品の厚みが不均一になったり、工具の制御が難しくなったりします。


削り作業は必ず作品を回転させながら行います。ろくろの回転速度は、削る部位や作品の大きさによって調整しますが、一般的には1分間に30〜60回転程度が適切です。回転が速すぎると制御が難しくなり、遅すぎると削りムラができやすくなります。


作品の外側を削る場合と内側を削る場合では、工具の持ち方が異なります。外側は工具を手前に引くように削り、内側は奥から手前に押すように削るのが基本です。これにより、安定した削りができ、失敗のリスクが減ります。


工具の持ち方で仕上がりが変わります。


削りカスが出たら、こまめにスポンジで拭き取ってください。削りカスが溜まると、作品の表面を傷つけたり、削り具合が見えにくくなったりします。スポンジは水を含ませて固く絞った状態で使うのがコツです。


削り工具のメンテナンスと長持ちさせる保管方法

削り工具を長く使い続けるには、適切なメンテナンスと保管が欠かせません。使用後のケアを怠ると、工具の切れ味が落ちたり、錆びたりして、作品の仕上がりに悪影響を及ぼします。


使用後は必ず工具を水洗いしてください。粘土が付着したまま放置すると、乾燥して固まり、次回使用時に落とすのが困難になります。水洗い後はすぐに乾いた布で水気を拭き取り、自然乾燥させます。


水洗いと乾燥が基本ケアです。


金属製の工具、特に炭素鋼製のカンナは錆びやすいため、完全に乾燥させた後、薄く油を塗っておくと良いでしょう。食用油やミシン油を布に含ませて軽く拭くだけで、錆の発生を大幅に防げます。ステンレス製の工具でも、長期間使わない場合は同様の処理をおすすめします。


刃の切れ味が落ちてきたら、研ぎ直しが必要です。カンナの刃は砥石で研ぐことができますが、角度を一定に保つのが難しいため、初心者は専門店に依頼するのが確実です。研ぎ直しの費用は1本500〜1,000円程度で、切れ味が回復すれば長く使い続けられます。


保管場所も重要なポイントです。湿気の多い場所に置くと錆びやすくなるため、風通しの良い乾燥した場所を選んでください。工具箱やツールスタンドを使って整理すると、必要な時にすぐ取り出せて作業効率も上がります。


乾燥した場所での保管が原則です。


刃先を保護するために、専用のカバーやケースを使うのも効果的です。他の工具と接触して刃が欠けたり、誤って手を切ったりするのを防げます。布や厚紙で簡易的なカバーを自作することもできます。


ワイヤーツールの針金が緩んできたら、早めに張り直しましょう。緩んだ状態で使うと削りムラができ、作品の仕上がりが悪くなります。交換用の針金は陶芸用品店で購入できますし、細いステンレス線で代用することも可能です。


リブやスポンジは消耗品ですが、使用後に汚れを落として乾燥させれば、それなりに長持ちします。特にスポンジは雑菌が繁殖しやすいので、定期的に洗浄して清潔に保つことが大切です。


定期的な点検と清掃で工具の寿命は大きく変わります。月に一度、すべての工具の状態をチェックし、必要に応じてメンテナンスを行う習慣をつけると良いでしょう。


削り工具で作品の完成度を高める独自テクニック

熟練した陶芸家は、削り工具を使って作品に独自の表情を加えています。単に形を整えるだけでなく、削り跡を意図的に残したり、リズミカルな模様を刻んだりすることで、作品の芸術性を高めているのです。


「削り跡を残す技法」は、あえて工具の跡を消さずに仕上げる方法です。カンナで削った際の螺旋状の跡や、リブで撫でた際の波模様が、作品に動きと質感を与えます。この技法は特に花器や壺などの大型作品で効果的です。


削り跡は作品の個性になります。


削る方向を変えることで、光の当たり方が変わり、表面に立体感が生まれます。縦方向と横方向の削りを組み合わせたり、斜めに削ったりすることで、複雑な表情を作り出せます。


「段削り」という技法もあります。作品の表面を段階的に削り、意図的に段差を作る方法です。この技法を使うと、作品に陰影が生まれ、単調な形が一気に個性的になります。茶碗や皿の高台(こうだい)部分で特に効果的です。


削りの強弱をつけることで、厚みに変化を持たせる方法もあります。厚い部分と薄い部分を意図的に作ることで、光の透過具合が変わり、作品に繊細な表情が生まれます。これは磁器のような白い粘土で特に美しい効果を発揮します。


厚みの変化が光と影を生み出しますね。


掻き落とし」という装飾技法では、削りベラを使って表面の化粧土を部分的に削り取ります。下地の粘土の色が見えることで、コントラストが生まれ、絵画的な表現が可能になります。この技法は練習が必要ですが、マスターすれば作品の表現の幅が大きく広がります。


工具の選び方でも表現が変わります。刃の幅が広いカンナは大胆な削りに、細いカンナは繊細な線に適しています。複数の工具を使い分けることで、一つの作品の中に多様な表情を持たせられます。


削り工具を使った装飾には、作品の構想段階から計画を立てることが重要です。どの部分をどう削るか、どんな模様を入れるか、あらかじめスケッチしておくと、作業がスムーズに進み、失敗も減ります。


計画的な削りが成功の鍵です。


こうした技法を試す際は、まず練習用の作品で実験してみるのがおすすめです。失敗を恐れず、様々なパターンを試すことで、自分だけの表現スタイルが見つかります。陶芸教室で先生や他の生徒の技法を観察するのも、新しいアイデアを得る良い機会になります。


陶芸の技法や作品例を学べる日本陶芸倶楽部では、削りを使った装飾技法の詳細な解説と作品事例が紹介されています。プロの技を参考にすることで、あなたの作品の完成度も確実に向上するでしょう。




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