素焼き後に化粧土を掛けると再素焼きしないまま本焼きすると剥がれます。
素焼き後に化粧土を施す最大のメリットは、作品の形が崩れる心配がないことです。生乾きの状態で化粧土を掛けると、水分の影響で素地がゆがんだり割れたりするリスクがありますが、素焼き後なら水分をいくら吸収しても作品が壊れません。失敗しても洗い流せる点も初心者には安心でしょう。
ただし素焼き素地は無数の気孔が開いているため、急激に水分を吸収します。このため化粧土が分厚くなり過ぎたり、はがれやすくなることがあります。素焼き素地は水分をたくさん吸収するということですね。
参考)https://blog.goo.ne.jp/meisogama-ita/e/bed865d799325c39c25f0d001188e166
化粧土を少し薄めに溶いたり、素焼き素地に予め若干の水分を含ませておくと厚掛けを防ぐことができます。施す前に作品を水に通しておいた方が接着がよくなります。素焼きをした器を適度に濡らし素地に馴染ませることがポイントです。
化粧土の剥がれは陶芸でよくある失敗のひとつです。原因は化粧土そのものの種類、化粧土の濃度、本体の乾燥具合、化粧土を掛けるタイミング、釉薬との相性などが考えられます。特に素焼き後に施す場合は、素地との親和性に絶妙な調整が必要になります。
参考)過去最大数の失敗作
素焼きでは化粧土の流動性が抑えられ、作品の表面に無数の気孔が発生します。このため「剥がれ」や「ピンホール」、「ぶく」が出来易くなります。素焼き素地は水分を急激に吸収するため化粧土が伸び難く、塗りに斑(まだら)が起こり易いです。
素焼き後に透明釉を掛ける時に化粧土が剥がれ落ちた事例もあります。
粘土を乾かしすぎたことが原因でした。
化粧土が素地への付着性が弱い場合や作品が乾燥し過ぎている場合に剥がれが多く発生します。付着性を高めるためには化学糊「CMC」や、ゼラチン、膠(にかわ)を入れる方法もあります。
素焼き後に化粧土を施した場合、もう一度素焼きをする工程が推奨されます。
具体的な手順は以下の通りです。
この二度目の素焼きを行うことで化粧土が固まり、安全に施釉できます。素焼きをしないで施釉すると剥離したり様々なトラブルの原因になります。化粧泥が上から掛けた釉薬で溶けて剥がれてしまう場合もあるため、もう一度素焼き焼成することが重要です。
二度焼きが原則です。
参考)[陶芸の専門店]陶芸.com 素焼化粧 2リットル(液体)(…
ただし、浸し掛けのタイミング(1~3秒)によって化粧土の厚さを調整できるメリットもあります。化粧土を厚く塗れる点は素焼き後の利点のひとつでしょう。白化粧の吸収と密着度を高めることができるため、手間をかける価値があります。
参考)白化粧
陶芸.com - 素焼化粧 2リットル(液体)
素焼き後専用の化粧土商品情報が掲載されています。
化粧土を施すタイミングは大きく分けて「生化粧」と「素焼き化粧」の2つがあります。生化粧は成形をした粘土が生乾きの時に化粧を施す方法で、素焼き化粧は素焼きをした作品に化粧を施す方法です。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
生化粧のメリット・デメリット
生化粧の最大のメリットは土との親和性が良くボディによく馴染むことです。素焼き化粧とは違う滑らかな表情を得られます。デメリットは水分量やタイミング、手際が重要なことで、失敗をしたら洗い落とせません。タイミングを誤るとヒビが入ったり形が崩れてしまいます。生乾きとは高台削り終了直後程度の乾燥具合を指します。
素焼き化粧のメリット・デメリット
素焼き化粧のメリットは、失敗をしても洗い落とせることや象嵌などの装飾をしやすく形が崩れないことです。初めての場合は素焼き後のほうが失敗が少ないです。デメリットは素焼きをした土との親和性に絶妙な調整が必要なこと、白化粧を施した後にもう一度素焼きを行う等の工夫が必要なことです。
参考)色化粧土
どちらの方法を選ぶかは、あなたの技術レベルや求める表現によります。安全性を重視するなら素焼き化粧が向いています。
素焼き後に化粧土を施す際、濃度調整が成功の鍵を握ります。化粧土を若干薄くして厚掛けは避けることが基本です。素焼き素地は水分をたくさん吸収するため、通常の濃度では分厚くなり過ぎるリスクがあります。
具体的には以下のステップで準備します。
素焼き素地を適度に濡らすことで、急激な水分吸収を抑えられます。濡らし過ぎると化粧土が薄まってしまうため、加減が必要です。いったん白化粧土をかけたらとにかく触らないことが一番重要です。
南蛮掛または安南掛と呼ばれる東南アジアの技法では、素焼き後に化粧土を使う方法が伝統的に行われています。ただし生用の化粧土ではなく素焼用に調合した化粧土を使う必要があります。
専用の素焼化粧土を使えば失敗を減らせます。
釉薬専科カネアツ - 素焼化粧 1L
素焼き素地専用に調合された化粧土で、カ焼原料を多く使用しています。
素焼き後に化粧土をかけてその上から透明釉薬をかけて焼くと、釉薬に化粧土がすわれて味気なくなる現象があります。これは化粧土が釉薬に溶け込んでしまう現象です。
意外ですね。
参考)陶芸で素焼きした作品に、化粧土をかけ、本焼きはできますか?葉…
この問題を防ぐには、化粧土を施した後にもう一度素焼きをしてから釉薬を掛ける方法が有効です。二度目の素焼きによって化粧土が固まり、釉薬に溶け出しにくくなります。素焼きをしないで施釉すると剥離したり様々なトラブルの原因になります。
もう一度素焼きすることが条件です。
参考)素焼化粧(すやきげしょう) 1L 陶磁器の釉薬専門店|岐阜県…
透明マットや透明釉を使う場合、白化粧は土に吸着しているのに透明マットが上手く乗らない事例もあります。釉薬との相性は化粧土の種類や焼成温度によっても変わるため、テストピースで事前確認することをおすすめします。白化粧を施した後にもう一度素焼きを行う工夫が必要です。
参考)陶芸初心者です。白化粧について質問です。材料店から素焼き用の…
素焼き後の化粧土施工でよくある失敗パターンを知っておくと、作品を守れます。
❌ 厚塗りしすぎる
素焼き素地は水分を急激に吸収するため、普通にかけるだけで化粧土が厚くなります。厚く掛け過ぎると亀裂が入ったり剥がれの原因になります。
化粧土の厚さに注意すれば大丈夫です。
参考)https://blog.goo.ne.jp/meisogama-ita/e/a52dca0f837ae46b9a5709a62dc3956a
❌ 再素焼きをスキップする
化粧土を施した後すぐに釉薬をかけて本焼きすると、化粧土が釉薬で溶けて剥がれてしまいます。もう一度素焼きを行って化粧土を固める工程は省略できません。
❌ 素地を濡らさずに施す
乾いた素焼き素地に直接化粧土をかけると、急激な吸水で斑になったり接着が弱くなります。
事前に水に通すか軽く濡らすことが必須です。
❌ 乾燥させすぎる
作品が乾燥し過ぎている場合、化粧土の付着性が弱くなります。
適度な湿り気を保つことが重要です。
粘土を乾かしすぎて化粧土が剥がれ落ちた事例もあります。素焼き後であっても素地の状態管理は大切です。化学糊「CMC」やゼラチン、膠を化粧土に添加すると付着性を高められます。
わ!かった陶芸 - 化粧土2(亀裂、剥がれ、めくれ対策)
化粧土の剥がれ対策について詳細な解説があります。
陶芸の熟練者は、作品の目的や表現によって化粧土を施すタイミングを使い分けています。通常の教科書では「生乾き施工か素焼き後施工か」という二者択一で説明されますが、実際にはもっと柔軟なアプローチがあります。
表現の違いで選ぶタイミング
滑らかで均一な白化粧を求めるなら生乾き施工が向いています。一方、あえてムラや素朴な風合いを出したい場合は素焼き後施工の特性を活かせます。素焼き化粧は土との親和性が生化粧より劣りますが、それが独特の質感を生み出します。
複数回の化粧掛けテクニック
素焼き後に一度化粧土を施し、再素焼きしてから更に部分的に化粧土を重ねる技法もあります。この方法では濃淡のグラデーションや立体的な表現が可能になります。
乾燥させてから塗り重ねる方法です。
作品の厚みで判断する
薄手の作品は生乾き時の水分で変形しやすいため、素焼き後施工が安全です。厚手の作品なら生乾き時でも変形リスクが低いため、密着性の良い生化粧を選べます。
作品の厚みが判断基準になります。
あなたの作品にどの方法が合うか、小さなテストピースで試してみることをおすすめします。焼成温度や粘土の種類によっても最適な方法は変わるため、自分だけの最適解を見つけることが上達への近道です。
テストピースで確認するのが基本です。