釉ムラ防ぐコツと原因、味わい深い作品作り

釉ムラは陶芸作品の仕上がりを左右する重要な要素です。意図しないムラは失敗に見えますが、実は作品に個性を与える魅力にもなります。原因と対策を知れば、思い通りの作品が作れるようになるでしょうか?

釉ムラの原因と防ぎ方

釉薬を厚く塗りすぎると焼成時に流れます。


この記事の3ポイント要約
🎨
釉ムラの主な原因

釉薬の濃度、塗り方、素地の状態が釉ムラを生み出す3大要因。 特に釉薬の濃度管理が重要です。

釉ムラを防ぐ基本技術

均一な塗布、適切な濃度調整、素地の下準備が釉ムラ防止の鍵。 施釉前の素地の乾燥状態確認も必須です。

💡
釉ムラを活かす表現

意図的な釉ムラは作品に味わいを生み出す技法。 窯変や流し掛けで個性的な作品が生まれます。

釉ムラが発生する主な原因


釉ムラは釉薬の濃度、塗り方、素地の状態という3つの要因が複雑に絡み合って発生します。


最も多い原因は釉薬の濃度管理の失敗です。


釉薬の濃度が適切でないと、焼成後に予想外のムラが現れます。濃すぎると釉薬が厚く溜まり、薄すぎると素地が透けて見えるのです。比重計で測定すると、多くの釉薬は1.4~1.6の範囲が適正とされています。


どういうことでしょうか?
釉薬は水と粉末を混ぜた液体ですが、時間とともに粉末が沈殿します。使う前にしっかり撹拌しないと、容器の底は濃く、上部は薄い状態になるのです。この状態で施釉すると、作品ごとに濃度が異なり、焼成後のムラにつながります。


素地の吸水性も重要な要因です。素焼きの温度が低すぎると素地の吸水性が高くなり、釉薬を吸い込みすぎて厚塗りになります。逆に高すぎると吸水性が低下し、釉薬がはじかれてムラになるのです。一般的な素焼き温度は800~900℃が基本です。


塗り方の技術も見逃せません。筆塗りでは筆の動かし方や重ね塗りの回数、浸し掛けでは浸す時間や引き上げる速度が釉ムラに直結します。


釉ムラを防ぐ釉薬の濃度調整方法

釉薬の濃度管理は釉ムラ防止の最重要ポイントです。プロの陶芸家の多くは、使用前に必ず比重計で濃度を確認しています。


比重計は1,000~2,000円程度で入手でき、釉薬に浮かべるだけで濃度が測定できます。目盛りが1.4~1.6の範囲に入っていれば適正です。


これは使えそうです。


比重計がない場合は、指を釉薬に浸して爪が透けて見える程度が目安とされています。ただし、この方法は経験が必要で、初心者には比重計の使用をおすすめします。


釉薬が濃すぎる場合は水を少しずつ加えて調整します。一度に大量の水を加えると薄くなりすぎるため、50mlずつ加えて撹拌し、比重を測定する作業を繰り返してください。


薄すぎる場合は釉薬の粉末を追加するか、沈殿するまで静置して上澄みを捨てる方法があります。粉末追加の場合は、少量ずつ加えて十分に撹拌することが重要です。


釉薬の濃度は季節や保管状況で変化します。夏場は水分が蒸発しやすく濃くなりやすいため、密閉容器での保管が基本です。使用前の濃度確認を習慣にすれば、釉ムラのリスクは大幅に減少します。


日陶産業の釉薬製品ページ
釉薬の種類別の適正濃度や使用方法について詳しい技術情報が掲載されています。


釉ムラを生まない施釉の基本技術

施釉方法には筆塗り、浸し掛け、流し掛け、吹き付けなどがありますが、それぞれにムラを防ぐコツがあります。


筆塗りでは一方向に均一な力で塗ることが原則です。縦方向に塗った後、横方向に重ねて塗ると均一になります。筆に含ませる釉薬の量を一定に保つのがポイントです。


浸し掛けは最も均一に施釉できる方法とされています。作品を釉薬に浸す時間は3~5秒が目安で、引き上げる速度は一定に保ちます。急いで引き上げると下部が厚く、ゆっくりすぎると全体が厚くなるのです。


意外ですね。


流し掛けは大きな作品や内側への施釉に適していますが、ムラが出やすい方法です。釉薬を流す位置を変えながら、全体に均等に掛けることを意識してください。


一箇所に集中すると、そこだけ厚くなります。


吹き付けは最も均一な施釉が可能ですが、設備が必要です。スプレーガンと空気圧縮機があれば、霧状の釉薬を均一に吹き付けられます。距離は20~30cm(定規の長さくらい)を保ち、円を描くように動かすのがコツです。


どの方法でも重要なのは、素地が完全に乾燥していることです。水分が残っていると釉薬の吸収にムラが生じます。


施釉前日から乾燥させておくのが基本です。


釉ムラ防止のための素地の下準備

素地の状態は釉ムラに大きく影響するため、施釉前の下準備が重要です。特に見落としがちなのが、素地表面の清掃です。


素焼き後の素地には粉塵や油分が付着していることがあります。これらは釉薬の吸収を妨げ、その部分だけ釉薬が薄くなるのです。柔らかい刷毛で表面を軽く払い、清潔な布で拭くだけで効果があります。


素地の吸水性を均一にする方法もあります。素焼き温度が低めで吸水性が高い場合、施釉前に霧吹きで全体を軽く湿らせると、釉薬の吸い込みが緩やかになります。


ただし、湿らせすぎは禁物です。


素地に亀裂や欠けがあると、その部分に釉薬が溜まります。施釉前にしっかり確認し、軽い傷はサンドペーパーで滑らかにしておきましょう。目の細かいサンドペーパー(400番程度)を使うと、素地を傷めずに処理できます。


厚いですね。


素地の厚みにムラがある場合も注意が必要です。厚い部分は吸水性が低く、薄い部分は高いため、同じように施釉しても釉薬の厚みに差が生じます。成形段階から厚みを均一にする意識が大切です。


高台や縁など、釉薬を掛けたくない部分には、マスキングテープやワックスで保護します。これにより、不要な部分への釉薬付着を防ぎ、全体の仕上がりを向上させられます。


焼成時の釉ムラ発生と窯の管理

施釉が完璧でも、焼成過程で釉ムラが発生することがあります。


窯の温度分布や昇温速度が原因です。


電気窯でも場所によって温度差があります。一般的に窯の中央部は温度が高く、端や下部は低めです。この温度差は20~30℃にも達し、同じ釉薬でも発色や流れ方が変わるのです。


どうなりますか?
温度が高い場所では釉薬が流れやすく、下部に溜まって厚くなります。逆に温度が低い場所では釉薬が十分に溶けず、マット調になったりムラが残ったりします。作品の配置を工夫することで、この影響を最小限にできます。


昇温速度も重要です。急激に温度を上げると、釉薬が突沸してピンホールやムラの原因になります。特に700~900℃の範囲では、1時間あたり100℃程度のゆっくりした昇温が推奨されています。


窯詰めの際は、作品同士が近すぎないように配置します。近すぎると空気の流れが悪くなり、局所的な温度ムラが生じるのです。作品間は3cm以上(親指の幅2本分くらい)空けるのが基本です。


温度計やゼーゲルコーンを使って、窯の実際の温度を把握することも大切です。設定温度と実際の温度にはズレがあることが多く、このズレを知ることで焼成の精度が上がります。


陶芸窯の温度管理に関する技術情報
窯の種類別の温度分布特性や、適切な温度管理方法について詳しく解説されています。


釉ムラを個性に変える表現技法

意図的な釉ムラは、作品に独特の味わいを生み出す重要な表現技法です。


多くの陶芸家がこの技法を追求しています。


窯変は釉ムラを活かした代表的な技法です。焼成時の炎や温度変化により、釉薬が予想外の発色やムラを見せます。特に薪窯や炭化焼成では、灰が釉薬に溶け込んで独特の景色を作り出すのです。


流し掛けでわざとムラを作る技法もあります。2色以上の釉薬を重ねて流すと、色が混ざり合ったり、境界にグラデーションができたりします。これは天目茶碗の曜変などで見られる伝統的な表現です。


いいことですね。


刷毛目技法では、釉薬を刷毛で塗る際の筋を残すことで、独特の模様を作ります。朝鮮陶磁の伝統技法で、ムラが作品の個性になる典型例です。


掻き落としは、施釉後に竹串などで釉薬を掻き取り、素地を露出させる技法です。釉薬の厚みに差をつけることで、焼成後に立体的な表現が生まれます。


これらの技法では、釉ムラは失敗ではなく狙った表現です。基本的な釉ムラ防止技術を習得した上で、意図的にムラを作ることで、オリジナリティのある作品が生まれます。


釉ムラを恐れずに、実験的な施釉に挑戦してみてください。思わぬ発見が作品の幅を広げるきっかけになります。自分だけの釉ムラ表現を見つけることが、陶芸の醍醐味の一つです。




Ghbunuz レトロ風インスタ映えチーズパイコーヒーカップ&ソーサーセット、陶器製、手作り、ミルクティー・カフェラテ用、底面滑り止め無釉、気泡・黒点・釉薬ムラあり、完璧求める方ご遠慮ください (6インチチーズパイ - カスタード,170ML)