薪窯 nanana 鎌倉の玄米パンと森林保全

神奈川県鎌倉市にある「薪窯 nanana」は、農薬不使用のササニシキを使った玄米パンをレンガ積みの薪窯で焼くこだわりのパン屋です。森林保全への想いから生まれた薪窯パンの魅力とは一体何なのでしょうか?

薪窯 nanana とは

薪窯 nanana の3つの特徴
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農薬不使用のササニシキ

希少なササニシキを玄米・白米で取り寄せ、グルテンフリーのお米100%パンを製造

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レンガ積みの薪窯

店主自らがレンガを積み上げて作製した本格薪窯で、遠赤外線効果を活かして焼成

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森林保全への想い

間伐材を薪として購入し、日本の森林保全に貢献する「パンづくりは森づくり」を実践

「薪窯 nanana」は、2019年8月23日に神奈川県鎌倉市の小町通り裏路地にオープンしたパン屋です。店主の中田竜明さんは、もともと北海道旭川市で薪窯のパン屋を営んでいましたが、森林保全への想いから鎌倉に移転しました。JR鎌倉駅東口から徒歩約5分の立地で、黒を基調としたシックな外観が特徴です。
参考)https://makigamananana.stores.jp

お店の前には大量の薪が積み上げられており、店内にはガラス張りの厨房と本格的な煉瓦造りの薪窯が見えます。2022年5月28日からは、小麦粉を使った自家製酵母パンから、お米100%を使用したグルテンフリーパンへと商品を全面的に切り替えました。農薬・化学肥料を使わずに育てられた希少な「ササニシキ」を玄米や精米の状態で取り寄せ、生米から生地をつくり、レンガを積み上げて作製した薪窯で焼き上げています。
参考)薪窯 nanana (ナナナ) - 鎌倉/パン

薪窯nanana 公式オンラインストア
公式サイトでは商品ラインナップやオーナーの想い、予約販売の情報が掲載されています。

 

薪窯 nanana の店舗情報とアクセス

 

薪窯 nananaは、鎌倉の観光名所である鶴岡八幡宮から徒歩約1分の距離にあり、観光のついでに立ち寄りやすい立地です。営業時間は11:30〜17:30で、定休日は火曜日・水曜日です。小町通りから一本路地に入った住宅街の一角にあるため、喧騒から離れた落ち着いた雰囲気でパンを購入できます。
参考)薪窯nanana

店舗販売に関しては、電話でのお取り置きやご予約を承っています。通販に関しては予約販売形式で、月に1〜2回オンラインストアの注文受付を行っており、すべて冷凍便での配送となります。キャッシュレス決済には対応しておらず、カード・電子マネー・QRコード決済は利用できないため、現金の用意が必要です。​

項目 詳細
住所 神奈川県鎌倉市小町2-2-3​
アクセス JR鎌倉駅東口から徒歩5分​
営業時間 11:30〜17:30​
定休日 火曜日・水曜日​
電話番号 0467-60-1030​
価格帯 1,000円〜1,999円​

薪窯 nanana のパンラインナップ

薪窯 nananaでは、すべてお米100%のグルテンフリーパンを提供しています。主力商品は、ササニシキの玄米60(ハーフサイズ798円、1本1,596円)で、素朴な味わいが特徴です。その他、宇治抹茶と小豆(991円〜1,982円)、黒ごまと岩塩(892円〜1,784円)、山葡萄とクルミ(942円〜1,884円)、黒米と濃厚チョコ(991円〜1,982円)など、多彩なラインナップがあります。
参考)【噂のベーカリー vol.158】薪窯 nanana(鎌倉市…

パウンドケーキのような見た目ですが、表面は固く、中はもっちりとした食感が楽しめます。以前は北海道産小麦を使ったパンやピザも提供していましたが、グルテンフリーのパンをお求めになるお客様のことを考え、ピザの提供を終了しました。すべてのパンの原材料は店内で表示されており、小麦やオーガニックのドライフルーツ、ナッツなどは小瓶に入れて実際に見ることができます。​
お米を主材料としているため、日持ちを考慮して冷凍便での配送となっています。店頭では試食も可能で、フレンドリーな店員さんが丁寧に説明してくれます。グラノーラシリーズでは「そのまま食べる玄米グラノーラ きなこと黒糖」(1,080円)も人気商品です。​

薪窯 nanana のグルテンフリー玄米パンの健康効果

薪窯 nananaで使用しているササニシキは、「糖度が低く」「血糖値の上昇が穏やか」という特徴があり、身体に優しいお米として注目されています。ササニシキはGI値(グリセミックインデックス)が60前後と低めで、一般的な低アミロース米のGI値80前後と比較して、血糖値の上昇が緩やかです。これは糖質を気にする方や糖尿病患者にも適しています。
参考)ササニシキの味や産地を比較!種類や特徴・栽培の現状・口コミも…

グルテンフリーパンの最大のメリットは、グルテン関連のアレルギーや不調を軽減できることです。セリアック病やグルテン過敏症の人にとって、グルテンの摂取は小腸の粘膜に炎症を起こし、栄養の吸収を妨げる原因となります。米粉は小麦粉と比べて脂質の含有量も少なく、食物繊維を豊富に含んでいるため、腸内環境を整える効果も期待できます。
参考)https://komeko-palette.com/blogs/blog/blog_55

玄米の場合、繊維とともに消化されるため急速な血糖値上昇を抑える効果があり、糖尿病の予防にもなります。腹持ちも良くなるため過食の害を防げるのも特徴です。ササニシキはアミロース含有量が高いことから、腹持ちが良くダイエット中の主食にも適しています。さらに、アレルギー対応や無農薬栽培の選択肢も増えており、健康意識の高い方から支持されています。
参考)精白米と玄米の違い|ササニシキ.com

グルテンフリーパンの効果とメリット・デメリットを徹底解説
米粉パンの健康効果や栄養価について詳しく解説されています。

 

薪窯 nanana の薪窯の特徴とレンガ構造

薪窯 nananaの薪窯は、店主がレンガを積み上げて自作した本格的な煉瓦造りです。薪窯は「石窯」とも呼ばれ、石やレンガで炉を作り、内部で火をおこして調理ができるようにしたものです。一般的な薪窯製作では、耐火レンガと断熱レンガの2種類を使用します。耐火レンガは重く熱が伝わりやすく、バッテリーのように蓄熱させることができます。一方、断熱レンガは軽く(1個約1キロ)、その名の通り断熱し、熱を外に逃さないようにする役割があります。
参考)石窯の基本 href="https://www.makiclub.com/p02" target="_blank">https://www.makiclub.com/p02amp;#8211; 石窯を徹底的に解説するサイト

石窯調理の最大の特徴は、薪を燃やした熱で窯を構成する耐火レンガを加熱し、その熱で調理をすることにあります。薪で熱せられた耐火レンガが遠赤外線を放出し、この遠赤外線がパン生地の表面だけでなく、内部にある水分に直接働きかけて、内側から効率よく熱を通していきます。この「内側から火が入る」という特性が、薪窯パンの美味しさの最大の秘密です。
参考)基本的な石窯の使い方を知ろう href="https://ishigama.diy-style.com/ishigama/433.html" target="_blank">https://ishigama.diy-style.com/ishigama/433.htmlamp;#8211; 2層式石窯の場…

遠赤外線の力で内側から効率よく熱が伝わるため、薪窯でのパンの焼き時間は一般的なコンベクションオーブンの40分に対し、わずか15〜20分ほどで焼き上がります。この短時間焼成により、パン生地の水分を必要以上に飛ばすことなく、しっとりと焼き上げることができます。さらに、窯の中で燃える薪が立ち上るスモーキーで香ばしい香りがパン生地にほのかに移る「燻煙効果」も、薪窯ならではの魅力です。
参考)【パン屋の裏側】薪窯で焼くパンはなぜ美味しい?本物の職人技と…

薪窯 nanana の森林保全への取り組み

店主の中田竜明さんがパン屋になったきっかけは、「日本の森林保全に、自分なりに関わっていきたい」という想いでした。バイクで日本一周をしながら日本の森の荒れた現状を調べていた時、森の整備から出た「間伐材」を薪にしているパン屋さんに巡り会い、自分もやりたいという気持ちになったそうです。日本の森林では、人工的に植えられた木々が放置されているところが多く、放置され密集した「人工林」は地面にまで日の光が通らず不健康な状態が全国に広く存在しています。​
森林を健康にするためには、程よく木を伐って地表に日の光が当たるように整備する必要があります。適切に間伐を行うことで、密集した木々を間引き、森林に満遍なく太陽光が行き届き、多様な生態系を作り出すことができます。木の根が弱り地滑り災害につながるリスクを抑えられるのも間伐のメリットです。薪窯 nananaでは、森林整備で伐った木を薪として購入し、日本の代表的な人工林である杉の木を薪にしてパンを焼いています。
参考)“間伐材の利用”がSDGsのカギを握る?現状の問題点やメリッ…

間伐材の利用は、森林の多面的な機能の発揮に加えて、持続可能な生産と消費の形態を確保することにつながります。スギ、ヒノキの間伐材の多くは山に放置されたままが現状ですが、そうした間伐材を薪として消費することにより、林業の活性化、森林環境保全につながります。「パンづくりは森づくり」というお店の裏コンセプトのもと、パンを買ってくださる方と日本の森が自然と繋がるお店を目指しています。
参考)間伐材とSDGs、ESGの関係 間伐材マークとは 間伐材マー…

間伐材の利用がSDGsのカギを握る理由
間伐材利用の重要性とSDGsとの関連について詳しく解説されています。

 

薪窯 nanana の独自の取り組みと店主の哲学

店主の中田竜明さんは、パンづくりで大切にしていることとして、食べた時に「小さな感動」があるかどうかを挙げています。抽象的ではありますが、世の中の様々な「美味しい」の中で自分のつくりたいものを追求していく際の判断基準として、「小さな感動」は大切な要素だと語っています。実は2022年5月以前、お店では小麦粉を使った自家製酵母パンを提供していましたが、原因が分からないままパンの酵母の調子が悪くなり、1年以上閉店していました。​
ずっと試行錯誤を続けていたものの店主の納得する出来にはならず、最終的に小麦粉を使った自家製酵母パンから、お米を100%使用したパンを提供するお店として再開しました。この真面目な姿勢とご自身の求めているパンに妥協しない姿勢が、現在の高品質なグルテンフリー玄米パンに結実しています。店員さんもとてもフレンドリーで、パンの説明や窯の中を見せてくれるなど、丁寧な接客が評判です。​
お店では、農薬・化学肥料を使わずにお米を育てている農家さんから直接取り寄せた希少なササニシキを使用しています。京都と山梨産の米粉も使用し、油も国産の米油、砂糖はきび砂糖、塩は北海道の釜揚げ塩と、すべての原材料にこだわっています。こうした原材料へのこだわりとディスプレイの工夫により、来店者は安心してパンを選ぶことができます。数年かけて培ったパンづくりの経験を、お米100%の玄米パンに全て注いでいる姿勢が、多くの顧客から支持を得ています。
参考)https://ameblo.jp/atelier-amij/entry-12855894388.html

食べログ 薪窯 nanana
実際に訪れた方の口コミやレビューが多数掲載されています。