安い総織部の皿ほど貫入が多く割れやすいです。
総織部は織部焼の一種で、器の全面に緑色の銅釉を施したものを指します。
織部焼には青織部や鳴海織部など様々な種類がありますが、総織部は最もシンプルで力強い印象を持つタイプです。銅を含む釉薬を酸化焼成することで生まれる深い緑色が特徴で、同じ窯で焼いても一つ一つ微妙に色合いが異なります。
この色のばらつきこそが総織部の魅力ですね。
岐阜県土岐市や多治見市を中心に、現在も多くの窯元や作家が総織部の器を制作しています。伝統的な技法を守りながらも、現代の食卓に合うデザインを追求する作家が増えており、若い世代からも注目を集めています。
総織部の皿は和食だけでなく、洋食やスイーツとも相性が良いことから、飲食店でも採用されるケースが増えています。
総織部の皿の価格は、サイズや作り手によって大きく変わります。
一般的な5寸皿(直径約15cm)で3,000円から8,000円程度、有名作家の作品になると1万円を超えることも珍しくありません。7寸皿(直径約21cm)以上の大皿になると、1万5,000円から10万円以上の価格帯まで存在します。
価格差が生まれる最大の理由は、釉薬の質と焼成技術の違いです。安価な総織部は釉薬が薄く、貫入(ひび割れ模様)が粗く入りやすい傾向があります。貫入自体は織部焼の味わいですが、あまりに粗いと汚れが入り込みやすく、耐久性も下がります。
つまり安すぎる皿は避けるべきということですね。
高品質な総織部を見分けるポイントは以下の通りです。
購入前に実物を手に取れる場合は、光にかざして釉薬の厚みを確認してください。薄い部分があると、そこから貫入が広がりやすくなります。
また、窯元や作家の情報が明記されている商品を選ぶことで、品質の目安になります。岐阜県の伝統工芸品指定を受けた窯元の製品は、一定の品質基準をクリアしているため安心です。
岐阜県公式サイトの伝統工芸品ページでは、認定窯元の一覧が確認できます。
総織部の皿を購入したら、必ず目止め処理を行ってください。
目止めとは、陶器の細かい気孔を塞ぐ作業のことです。総織部は貫入が入りやすい性質上、目止めをしないとシミや臭い移りの原因になります。特に醤油や油分の多い料理を盛り付けると、貫入の隙間に染み込んでしまいます。
目止めの基本的な手順は次の通りです。
米のとぎ汁に含まれるでんぷん質が、陶器の気孔を埋めてくれます。とぎ汁がない場合は、小麦粉を水に溶いたものでも代用可能です。小麦粉の場合は水1リットルに対して大さじ2杯程度を目安にしてください。
この作業だけで寿命が大きく変わります。
目止め後は、使用前に毎回水に浸す習慣をつけると、さらにシミ防止効果が高まります。5分程度水に浸してから使用するだけで、汚れの染み込みを大幅に減らせます。
目止めは購入時だけでなく、使用していて貫入が目立ってきたと感じたら再度行うことをおすすめします。年に1回程度の頻度で目止めを繰り返すことで、美しい状態を長く保てます。
総織部の皿は、使用後すぐに洗うことが長持ちの秘訣です。
料理を食べ終えたら、できるだけ早く水かぬるま湯で洗ってください。放置時間が長いほど、汚れや油分が貫入に染み込みやすくなります。洗う際は柔らかいスポンジを使い、研磨剤入りの洗剤は避けましょう。
食器洗い機の使用については、作家や窯元によって見解が分かれます。
現代の総織部は以前より丈夫に作られているため、食器洗い機対応と明記されている製品も増えています。ただし、急激な温度変化は貫入を広げる原因になるため、乾燥機能は使わず自然乾燥させる方が安全です。
手洗いが基本ということですね。
洗浄後は水気を拭き取り、風通しの良い場所で完全に乾燥させてください。湿気が残った状態で収納すると、カビの原因になります。特に梅雨時期や湿度の高い環境では、1日程度立てかけて乾燥させることをおすすめします。
長期間使わない場合は、新聞紙などで包んで収納すると湿気を防げます。
シミができてしまった場合の対処法もあります。軽いシミなら、漂白剤を薄めた水に一晩浸けると改善することがあります。ただし、漂白剤の濃度が高すぎると釉薬を傷める可能性があるため、必ずパッケージの指示に従ってください。
頑固なシミには重曹ペーストが有効です。重曹に少量の水を加えてペースト状にし、シミ部分に塗って30分程度放置してから洗い流します。この方法は月に1回程度までにとどめてください。
総織部の深い緑色は、白や赤の食材を引き立てる効果があります。
刺身や寿司などの生魚料理は、総織部の皿に盛り付けると高級感が増します。特にマグロの赤身やサーモンのオレンジ色は、緑色とのコントラストが美しく映えます。大根のつまや青じその緑も、総織部の濃い緑と重なることで奥行きが生まれます。
和菓子との相性も抜群です。
白い練り切りや羊羹を総織部の小皿に乗せると、茶席のような雰囲気を演出できます。抹茶スイーツのように緑色の食材でも、総織部の深い緑とは色味が異なるため違和感がありません。むしろ同系色のグラデーションが上品な印象を与えます。
意外なのが洋食との組み合わせです。カプレーゼやブルスケッタなど、トマトやバジルを使ったイタリアン前菜は、総織部の皿に盛り付けると和洋折衷の新鮮な見た目になります。チーズの白さも映えるため、ワインのおつまみにも適しています。
器のサイズ別の使い方も押さえておきましょう。
総織部の皿は深さによっても用途が変わります。平皿は見た目重視の盛り付けに向いており、鉢型の深皿は汁気のある料理や煮物に適しています。購入前に、自分がよく作る料理の種類を考えて選ぶと失敗が少なくなります。
季節感を出す工夫として、夏は冷やした料理を盛り付けると涼しげな印象になります。冷製パスタやそうめん、冷や奴などが特におすすめです。総織部の緑色が、視覚的に涼しさを感じさせてくれます。
総織部の皿を実際に手に取って選びたい場合は、産地の窯元を訪れるのが最も確実です。
岐阜県の多治見市や土岐市には、織部焼を扱う窯元が集中しています。多治見市の「織部の里公園」周辺には、複数の工房が点在しており、窯元直売や作陶体験も可能です。作り手から直接説明を聞けるため、器の特徴や使い方を詳しく学べます。
多治見市文化振興事業団の公式サイトでは、陶磁器関連施設の情報が確認できます。
都市部で購入したい場合は、百貨店の陶器売り場や専門店を利用してください。東京なら日本橋や銀座の百貨店、大阪なら梅田や心斎橋の百貨店で、定期的に織部焼の催事が開かれています。専門知識を持つスタッフに相談しながら選べるのが利点です。
オンラインショップも選択肢の一つです。
楽天市場やYahoo!ショッピングでは、多数の窯元や陶器店が総織部の皿を出品しています。実物を見られないデメリットはありますが、価格比較がしやすく、地方在住でも購入できる利点があります。購入時は商品レビューを必ず確認してください。
レビューで特に注目すべきポイントは以下の通りです。
初めて総織部を購入する場合は、まず小さめの皿から試すことをおすすめします。5寸皿なら価格も手頃で、使い勝手を確認しながら総織部の特性を学べます。気に入ったら徐々にサイズや種類を増やしていく方が、失敗が少なくなります。
作家物を選ぶ際は、個展やギャラリーでの購入も検討してください。作家と直接会話することで、制作背景や込められた思いを知ることができ、器への愛着が深まります。価格は高めになりますが、一生物として大切に使える器が見つかる可能性が高まります。
陶器市での購入も魅力的な選択肢です。春と秋に開催される多治見陶器まつりでは、通常価格の2割から5割引で総織部の皿を購入できます。ただし人気商品は早い時間に売り切れるため、開催初日の朝早くから訪れることをおすすめします。
購入後は必ず領収書や保証書を保管してください。万が一初期不良があった場合の返品交換や、作家物の場合は将来的な価値証明にもなります。特に高額な器を購入する際は、箱や栞も大切に保管しましょう。

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