目止めせずに使い始めると、陶器の平鉢にカレーの黄色いシミが永久に残ります。
平鉢とは、底が浅く口が広い形状の鉢のことです。皿よりも少し深さがあり、鉢よりも浅いという独特のポジションにあります。つまり皿と鉢の「いいとこどり」の食器、というわけです。
和食器の世界では、食器を大きく「皿(浅くて平たい)」と「鉢(深さのあるもの)」の2種類に分類します。その中間に位置するのが平鉢で、正式には「浅鉢」と呼ばれることもあります。深さがある鉢のことを「盛鉢」「深鉢」と呼ぶのに対し、口が広く浅いものを「平鉢」と区別するのが一般的です。
底が浅く広がりがあるため、煮物・和え物・揚げ物・サラダなど、どんな料理でも盛り付けやすいのが特長です。また、食べる際に中の料理が見えやすく、見栄えよく盛り付けられます。これは使えそうです。
平鉢は家庭で「普段使いの万能食器」として重宝されています。特に陶器製の平鉢は、素材のぬくもりが料理に温かみを添えてくれるため、陶器に興味を持ち始めた方が最初に揃えるべき一枚としても人気が高い食器です。
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 平鉢(浅鉢) | 浅めで口が広い | 煮物・サラダ・揚げ物など |
| 盛鉢(深鉢) | 深さがある | 鍋料理・麺類など |
| 大皿 | ほぼ平らで深さが少ない | ワンプレート・刺身など |
参考:平鉢の解説と和食での使われ方についての情報
平鉢:和食器 | 和食の素材
平鉢を選ぶうえで欠かせないのが「サイズ感」の理解です。和食器は「寸(すん)」という単位で表されることが多く、1寸は約3cmに相当します。サイズが分かれば選び方に迷いません。
鉢の場合は「メインの盛り付けには6〜7寸、取り鉢には4寸」が基本です。平鉢として使うなら、まず7寸サイズを1〜2枚揃えることから始めると、料理の幅が広がります。
また、平鉢は「皿」に近い使い方もできるため、同じ6寸の皿と平鉢を両方揃えなくても、平鉢1枚で代用できるケースが多いのも特長です。コスパよく食器を揃えたい方にも向いています。
参考:和食器のサイズ別の用途と選び方の詳細
【お皿のサイズ】知っておきたい和食器の種類と使い方 – うちる
陶器の平鉢を選ぶ際、「産地」の違いを知っておくと、自分のライフスタイルや好みに合った一枚に出会いやすくなります。日本には多くの焼き物の産地があり、それぞれに個性があります。
美濃焼(岐阜県)は、日本国内で作られる陶磁器の約50〜60%を占める最大の産地です。実は、スーパーや100円ショップで売られている食器の多くが美濃焼だったりします。種類が豊富で価格帯も幅広く、1,000円台からおしゃれな平鉢が手に入ります。シンプルなデザインからカラフルなものまで、スタイルを問わず使いやすいのが強みです。
益子焼(栃木県)は、粘性の少ない陶土から生まれる、ぽってりとした厚みと素朴なテクスチャーが魅力です。土の質感を活かした温かみのある仕上がりは、和食はもちろん、シンプルなパスタや洋食料理にも合わせやすいとして人気があります。価格帯は1枚3,000〜8,000円前後が中心です。
波佐見焼(長崎県)は、分業体制による大量生産で品質を保ちながらリーズナブルな価格を実現してきた焼き物です。磁器が中心ですが、陶器の平鉢も製造されています。シンプルかつスタイリッシュなデザインが多く、北欧インテリアとの相性も抜群です。最近は2,000〜5,000円台でおしゃれな平鉢が揃えられます。
産地ごとに個性が異なります。使いやすさを重視するなら美濃焼や波佐見焼、手仕事の風合いを楽しみたいなら益子焼や萩焼が条件です。
参考:日本の主要な焼き物産地の特徴と選び方
和食器の選び方~知っておきたい和食器のこと – DOUBLEDAY
「平鉢は和食専用の食器」だと思っている方は多いかもしれません。しかし実際には、陶器の平鉢はパスタやカレー、サラダなどの洋食とも相性が良く、幅広い料理に活用できます。これは意外ですね。
和食での盛り付けでは、「余白を意識する」ことが基本です。平鉢の縁から内側に向かって1〜2cmほどのスペースを空けて盛り付けると、見た目が引き締まり料理が映えます。煮物は少し汁気を切ってからのせると、平鉢の浅さでも汁がこぼれにくくなります。
洋食では、カラフルな食材の色を平鉢の色と対比させる盛り付けが効果的です。たとえば、白っぽい土色の益子焼の平鉢にトマトソースのパスタを盛ると、色の対比が引き立ちます。一方、渋い黒や濃い茶の美濃焼の平鉢には、白いクリームソース系の料理がよく映えます。
また、同じ料理でも器の形を変えるだけで食卓の印象が大きく変わります。これは使えそうです。丸い平鉢・楕円の平鉢・角型の平鉢を1枚ずつ揃えておくと、テーブルコーディネートの幅が一気に広がります。同じ産地・同じ釉薬(色)で揃えると統一感が出て、食卓がすっきりとしたインテリアになります。
参考:カレーやパスタ皿に適した陶器の選び方
おしゃれなカレー皿の選び方 – うちる
陶器の平鉢を買ったときに、いきなり料理を盛り付けてはいけません。陶器には目に見えない無数の小さな穴があいており、食材の色素や油分がその穴に入り込むとシミや臭い移りが取れなくなります。これを防ぐために必要なのが「目止め(めどめ)」です。
目止めとは、陶器の素地の微細な穴をでんぷん質でふさぐ作業のことです。米のとぎ汁を使う方法が最もポピュラーで、器が浸かるくらいの米のとぎ汁を鍋に入れ、弱火で約20分煮沸します。そのまま鍋ごと冷まし、洗って乾燥させれば完了です。目止めが条件です。
目止めをせずに陶器の平鉢にカレーを盛り付けると、黄色いシミが永久に残る可能性があります。一度ついたシミは完全に除去するのが難しく、大切にしていた平鉢が台無しになってしまいます。買った直後に30分ほどかけて目止めをするだけで、こうした失敗を防げます。
電子レンジについても注意が必要です。陶器は吸水性があるため、内部に含んだ水分が電子レンジの加熱で急激に膨張し、割れることがあります。「電子レンジ可」の表示がある陶器の平鉢だけ使用し、冷蔵庫から出したばかりのものをすぐレンジにかけるのは避けましょう。急激な温度変化に注意すれば大丈夫です。
食洗機については、陶器は基本NGです。食洗機の高温乾燥により内部の水分が膨張してひび割れが起きるリスクがあります。「食洗機対応」の表記がない限り、陶器の平鉢は手洗いを基本としてください。洗い終わったあとは水気をしっかり拭き取り、食器棚にしまう前に自然乾燥させる時間を取るのが理想です。湿気が残ったまま収納するとカビの原因になるため、痛いところですね。
シミや臭いがついてしまった場合は、レモンを絞った水で煮沸を2〜3度繰り返す方法や、重曹を溶かした水に半日〜1日浸け置きする方法が効果的です。どちらも最後に十分洗い流し、しっかり乾燥させることが前提です。
参考:陶器の目止めと正しいお手入れ方法の詳細解説
陶器のお手入れ方法 完全ガイド – 日本雅
参考:波佐見焼を含む和食器の目止め・お手入れの基本について
陶器の器のお取り扱いと「目止め」について – マルヒロ

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