清水焼は電子レンジが使えないものが多い。
清水焼は、ろくろ成形から絵付け、焼成まですべての工程を職人の手作業で行う京都の伝統工芸品です。他の産地の焼き物と大きく異なる点は、原料が地元にないのに発展した珍しい焼き物という点です。全国から良質な山土を採り入れ、京都独自にブレンドした原料を使っており、窯元ごとに異なる配合や技法で制作されています。
参考)https://wargo.jp/blogs/mansaku-column/yakimono_shimizu
このため、清水焼には陶器も磁器もあり、色絵陶器・染付・天目・青磁・粉引など数多くの種類が焼かれています。特徴的なのは、一度焼き上げた後に絵付けを行うため、他の産地の焼き物と比べて装飾性が高く、四季折々の草花や吉祥の願が込められた紋様が多く取り入れられている点です。
手作りのため、とっても軽くて使い心地もいいものが多いです。手書きの図柄は印刷された安価な物にはない立体感があり、造作や図案も京都らしい趣があります。作り手のセンスや感性が醸しだす雰囲気、手作りならではの温かみや優しさが良い清水焼の特徴です。
参考)京焼・清水焼について
江戸時代には野々村仁清や尾形乾山、奥田頴川、青木木米といった名工が現れ、京焼の地位を確立しました。現在の主な生産地域は日吉・五条坂・宇治の炭山・泉涌寺・蛇ヶ谷・山科の清水団地などで、これらの窯元から生産されるものが京焼・清水焼と呼ばれています。
清水焼は伝統を大切にしながら、時代に合わせて変化し続ける柔軟性が魅力です。若い世代や海外のファンからの注目も高まり、ギフトやインテリアとしても需要が広がっています。伝統的なデザインから現代生活に合うよう作られたモダンな物まで、他では手に入れることの難しいラインナップが揃っています。
参考)https://shingi-ittai.jp/japan-arts/articles/266/
まるで絵画のような器や、彫刻的な造形美を持つ花器なども見られるのが清水焼の魅力です。土や釉薬の選び方にもこだわりがあり、実際に使うと手にしっくりなじむ使い心地のよさも人気の理由となっています。色絵の華やかさ、染付の繊細さ、釉薬の光沢や手ざわりなど、器それぞれが持つ個性は、料理を"引き立てるキャンバス"のような役割を果たします。
視覚・触覚・味覚を通して食事の時間を豊かにしてくれるのが清水焼の器です。手作りの器は手に持ったときの重さや温もりも魅力で、何気ない普段の生活に、とびきりの特別感と彩りを与えてくれます。大量生産をするよりも、質の良い陶磁器を作り続けることに重点を置いているため、高額と言われていても欲しい焼き物の一つとなっています。
京都の雰囲気がそのまま表現されているからこそ、清水焼の魅力であって人気の秘訣と言えるでしょう。
初めて清水焼を購入する際は、窯元の作品から選ぶのがおすすめです。作家さんの作品は個性的で雰囲気のあるものが多いですが、一通り揃えようと思うとある程度の金額になってしまいます。まずは色んな器を試して、自分好みの器を探していくのも手です。
参考)https://uchill.jp/?mode=f13
最初に選ぶべきは、メインのお皿(大皿)です。大皿は様々な料理に使える汎用性があり、食卓の主役として活躍します。粉引と呼ばれる白い器は真っ白ではなく色ムラがあったり、薄ピンクの色が入ったりするため、自然な風合いでお料理を引き立ててくれます。
職人さんと直接会話しながら器を選ぶことができる専門店では、制作の背景やこだわりを聞いたうえで納得のいく一品を選べるのも魅力です。年に一度開催される「清水焼の郷まつり」では、多くの店舗が割引価格で商品を提供するため、掘り出し物を見つけたい方にもぴったりのイベントです。
清水焼は、その上質な佇まいと使い勝手の良さから、贈り物としても非常に人気があります。結婚祝いや引き出物、引越し祝い、退職祝いなど、人生の節目に選ばれることが多く、贈る相手のライフスタイルや好みに合わせて選べる幅広さが魅力です。
京焼・清水焼の製作工程や技法について詳しく知りたい方はこちら
清水焼を日常使いする際には、いくつかの注意点があります。金銀彩または上絵付けされている清水焼は、電子レンジや食洗機の使用を控えましょう。高温になると絵の具が剥がれたり変色したりする場合があるためです。
参考)https://ameblo.jp/wanokurashi-kiyomizuyaki/entry-11793429406.html
使用前には器の底をチェックし、ザラザラしていた場合は砥石かサンドペーパーで磨くか、器の底同士をこすり合わせて滑らかにしましょう。料理を盛りつける前に水(氷水)の中にしばらく浸してから使用すると、茶渋・シミ・匂いがつきにくくなります。
普段のお手入れは、食器用中性洗剤を含ませたスポンジでそのほかの食器と同じように洗います。クレンザーなどの研磨剤やナイロンたわしなどで強くこすり洗いをすると、絵の具が剥がれたり表面に傷がついたりすることがあるため、手洗いがおすすめです。
陶器を水に長く浸していると、水分を吸収します。特に洗剤が混ざった水に長時間浸しておくことは控えたほうがよいでしょう。洗った後は水分を拭き取り、風通しのよい場所で十分に乾燥させてから収納することが大切です。半乾きなどで棚に収納してしまうと、カビが生えてしまうことがあるので注意が必要です。
カビやニオイが気になる場合は、漂白剤または煮沸をしてお手入れしましょう。煮沸する際は急激な温度変化にさらさないよう、必ず水に清水焼を浸した状態で火にかけるようにします。これらの手入れを適切に行うことで、清水焼を長く美しく使い続けることができます。
清水焼の世界では、若手から中堅まで個性豊かな作家が活躍しています。小坂大毅さんは若手ながら、骨董のような手の込んだ染付が印象的な作家です。2013年に京北に窯を築いて、李朝朝鮮や中国の古陶磁を研究し、作品に生かしてきました。最近は色絵も手がけており、その出来ばえにも注目が集まっています。
興味深いのは、清水焼の定義自体があいまいで、「これは清水焼ですか?」と聞かれることもあるという点です。実際、清水焼は清水寺からは山を越えた向こう側の山科区でも焼かれており、昭和初期以降は清水坂・五条坂の生産量が突出したため、京都の焼き物はどれでも「清水焼」と呼ばれるようになりました。
さらに注目すべきは、一度焼かれた土は自然の土には還らないという事実です。陶芸の産地では失敗や破損した陶器が山積みになっている光景は珍しくありませんが、これは環境面での課題となっています。このような背景から、リサイクル陶土の開発や、失敗を減らすための技術向上など、現代の清水焼は環境への配慮も求められているのです。
清水焼は原料が地元にないのに発展した全国でも珍しい焼き物です。江戸時代終盤には、清水坂・五条坂に陶磁器のあらゆる技法が集まり、名工も輩出しました。各地の藩が自領で新たに陶磁器産業を興すようなときには、京都、なかでも清水坂・五条坂から陶工を招くのが常でした。こうした歴史的背景が、窯元や作家ごとの個性の違いを発揮しながらも、全体としては清水焼として作られ続けている理由なのです。