粉引皿とは特徴や使い方選び方手入れ

粉引皿は優しい白さと温もりが魅力の陶器ですが、他の器にはない独特の構造からシミやカビに注意が必要です。使い始めの目止めや日々の手入れ、選び方のポイントまで、粉引皿を長く楽しむための知識をお伝えしますが、あなたは正しく扱えていますか?

粉引皿の特徴と使い方

洗った粉引皿を重ねるとカビます

この記事のポイント
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粉引皿とは白化粧をかけた陶器

素地と釉薬の間に白い泥の層があり、柔らかく水分を吸いやすい構造が特徴です

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使う前に水に浸す目止めが基本

30分以上水に浸すことで匂い移りや汚れを防ぎ、シミやカビのリスクを減らせます

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経年変化で器が育つ楽しみ

使い込むほど渋い風合いになり、愛着が深まる独特の魅力があります

粉引皿とは白化粧を施した陶器


粉引皿は、素地釉薬の間に白い泥の層を挟んだ陶器です。粉を引いたように白く見えることから「粉引」と名付けられました。


参考)「粉引」ってどういう器か知っていますか?


この白化粧の層が独特の柔らかさと温もりを生み出します。グレーに近い白色は和洋どちらの料理にも合わせやすく、他の食器とのコーディネートもしやすいのが魅力です。


参考)『十河隆史(そごうたかし)さん 粉引の器類』の使い方・メンテ…


韓国の李朝時代から受け継がれてきた技法で、何百年も使われてきた器も存在します。シンプルながら趣のある佇まいが、陶芸愛好家から高い評価を得ています。


参考)「粉引ってなに?」陶器でよく聞く粉引の魅力や特徴とは?


粉引皿は水分を吸いやすい構造

粉引皿は他の陶器よりも吸水性が高い特徴があります。表面の釉薬に入る細かいヒビや小さな穴から水分が入り込み、白化粧の層を通ってベースの粘土に染み込みます。


陶器は15分で水を完全に吸水しきった飽和状態になります。粉引皿を水に入れると白からグレーに変わるのは、水分をたっぷり含んだ証拠です。


参考)水に入れたら白い器がグレーに変わってしまいました。|うつわの…


一度入った水分は抜けにくい構造になっています。粘土層から白化粧層、さらに釉薬層を通らないと水分が蒸発しないためです。


つまり水分が入りやすいということですね。


この構造が原因で、料理の色を吸い込みやすく、シミやカビが起こりやすくなります。


使う際には一手間かけた手入れが必要です。



粉引皿の使い始めは目止めが必須

新品の粉引皿は、使い始めに30分以上水に浸す「目止め」を行います。できれば一昼夜浸けて、しっかり水分を吸わせると匂い移りや汚れの防止になります。


鍋に米のとぎ汁を入れて器を浸し、弱火で30分ほど煮てそのまま冷ます方法もあります。


よく洗って自然乾燥させれば完了です。



参考)粉引の器とは


ただし、デンプン質での目止めは吸水性の高い粉引皿にはカビや劣化の原因になるという意見もあります。作家や窯元によって推奨方法が異なるため、購入時に確認すると安心です。


参考)器が育つという不思議。粉引皿の魅力をご存知ですか|ずっと使い…


毎回の使用前にも、さっと水にくぐらせてから料理を盛ると良いでしょう。


この一手間でシミを防ぎやすくなります。



目止めは基本です。


粉引皿は乾燥に時間がかかる

粉引皿は他の陶器に比べて乾燥に時間がかかります。表面を布巾で拭っても、内部に水分が残っていることがあります。


参考)粉引のお手入れ


夏場なら外に出して数日、冬なら一週間ほど乾燥が必要です。そのまま収納するとシミやカビの原因になってしまいます。


洗った後は重ねないのがコツです。しっかり乾かさないうちに器を重ねると、黒いカビやシミができてしまいます。


乾燥を徹底することが、粉引皿を長く使うための最重要ポイントです。食器棚にしまう前に、完全に乾いたことを確認しましょう。


窯元では室内に火を焚いた乾燥部屋を作って乾燥させるところもあります。家庭では風通しの良い場所に立てかけて乾かすと効率的です。


粉引皿を長時間放置すると染みになる

料理を盛ったまま一昼夜以上放置すると、陶器から沁み出た水分がテーブルに浸透してシミの原因になります。器自体にも料理の色や匂いが移りやすくなります。


油分のあるドレッシングをかけた料理でも、使用後すぐに洗えばシミや匂い移りは気になりません。食べ終わったらなるべく早く洗うのが鉄則です。


粉引皿に使える調理器具も確認しておきましょう。電子レンジと食洗機は使えますが、オーブンと直火は使えません。


割れや欠けにも注意が必要です。洗浄時や何かにぶつけたり落としたりすると破損しやすいため、丁寧に扱いましょう。


粉引のお手入れ詳細はこちら
目止めから日常の使い方、トラブル対処法まで詳しく解説されています。


粉引皿は経年変化で育つ器

粉引皿は使い込むほど少しずつ渋くなり、新品とは違った風合いへと育ちます。何度も水分を吸って呼吸してきた器は、独特の味わいを持つようになります。


これが「器を育てている」感覚につながり、使うたびに愛着が深まります。同じ器でも時間とともに表情が変わるのは、粉引ならではの楽しみです。


器が熱を加えられて膨張すると、粘土と白化粧と釉薬がそれぞれ異なる膨張率で引っ張り合います。これが釉薬の貫入や白化粧のヒビを作る原因となり、使うほど表情が豊かになります。


何百年も受け継がれてきた粉引の器も存在し、長い時間をかけて育てられた器は格別の美しさを持ちます。あなたの粉引皿も、丁寧に使い続ければ唯一無二の器に成長するでしょう。


これは使えそうです。


粉引皿の選び方は用途と作家で決める

粉引皿のサイズは7寸(22cm)と9寸(26cm)が代表的です。7寸は一人分のサラダを盛り付けるのにぴったりで、9寸は大皿として使えます。


線刻が施された粉引皿は、シックで個性的な印象を与えます。表面に線文を施してから粉引きをかけた器は、目を引く存在感があります。


参考)301 Moved Permanently


作家によって色味や質感が異なるため、実際に手に取って選ぶのがおすすめです。窯の中で焼く場所によって仕上がりの色が変わり、青みのある白になったり、ニュートラルな白になったりします。


参考)https://shop.senchado.jp/blogs/dougu/20211217_kokusendai-kobachi


唐津焼の粉引皿は、フレンチにも使いやすい形にリサイズされたものもあります。うつわの中央をはしる白い線は化粧土の美しい表情を見せてくれます。


参考)ONESTORY


価格は作家や窯元によって幅がありますが、100円ショップでも粉引風の器が手に入ります。まずは手頃な価格のものから試して、粉引の扱いに慣れるのも良いでしょう。


参考)https://jp.daisonet.com/products/4985094117345


粉引皿は和洋どちらの料理にも映える

粉引皿はシンプルな白さが特徴で、和洋どちらの料理を載せても違和感がありません。完全な白ではなくグレーに近い色味なので、他の食器とのコーディネートもしやすいのが利点です。


鮮やかな紫キャベツのピクルスやカラフルな野菜を盛り付けると、色の対比が美しく映えます。トマトやパプリカなど、元気なカラーの野菜を盛り付けてテーブルに置けば彩りも豊かになります。


ワンプレート料理にも適しており、すっと立ち上がった縁がすっきりとした印象を作ります。土のぬくもりを感じる粉引プレートは、鉄粉によって生まれる斑点がチャーミングです。


参考)【おしゃれなお皿選び】4つのコツとおすすめ20選 - うつわ…


おかきやコロコロしたおせんべいをさっと出すときにも活躍します。お餅とあんこを盛り付ければ、寒い季節の和のお茶時間が楽しめます。


アイスクリームを盛り付けて塩やオリーブオイルを振りかける使い方も提案されています。粉引皿の多様な使い方を試して、あなたのお気に入りの盛り付けを見つけてください。


器が育つという不思議。粉引皿の魅力をご存知ですか
粉引皿の実際の使用例と、水との関係について詳しく検証されています。




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