鉄粉除去で車磨き|粘土で錆を防ぐ

車に付着した鉄粉は放置すると錆や塗装劣化の原因になります。鉄粉除去剤や粘土を使った効果的な除去方法から定期メンテナンスの頻度まで、プロが実践する正しい手順をご紹介します。コーティング車にも優しい除去テクニックを知りたくありませんか?

鉄粉除去で車磨き

鉄粉除去の基礎知識
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鉄粉とは何か

走行中のブレーキパッド摩擦や線路沿いの鉄粉飛散が主な原因です

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放置時のリスク

酸化進行による錆や塗装面の劣化が発生します

除去のメリット

ワックスやコーティング効果を最大限に引き出せます

鉄粉除去前の洗車準備が重要

 

鉄粉除去を始める前のステップは、仕上がりの品質を大きく左右します。まず基本となる洗車作業を丁寧に行うことで、除去剤の効果が最大限に発揮されるようになります。カーシャンプーを使った洗車により、ボディ表面のホコリや油分などの軽い汚れを除去することが重要です。この準備段階を省くと、除去剤が本来の力を発揮できないばかりか、効率も低下してしまいます。

 

洗車後の水分処理も同様に大切です。除去剤をスプレーする前に、マイクロファイバークロスやタオルで水分をしっかり拭き取ることが、薬剤の濃度を保ち効果を高めるコツとなります。ただし手間を省きたい場合は、濡れた状態でも施工は可能ですが、若干効果が薄まる点は理解しておきましょう。特に冬場の低温時には、水分が多いと乾燥が遅くなるため、事前の水切りは不可欠です。プロショップでは必ず水分を完全に除去した状態で施工するのはこうした理由があります。

 

鉄粉除去剤スプレーの正しい使い方

市販の鉄粉除去剤スプレーは、最も手軽で初心者向けの方法です。スプレータイプの除去剤の反応メカニズムは、含まれるアルカリ成分が酸化鉄(鉄粉)に化学反応を起こし、溶かし出すという仕組みです。使用時はボディやホイール全体にスプレーを吹き付けた後、一定時間(通常5~10分間)放置することが重要です。この放置時間中に薬剤が鉄粉に浸透し、反応が進行します。

 

商品によっては紫色に変色する除去剤もあり、色の変化で鉄粉の反応を目で確認できます。この変色は鉄粉が反応している証で、プロユーザーからも高く評価されています。放置時間を終えたら、カーシャンプーで丁寧に洗い流し、最後に拭き上げます。重要な注意点として、除去剤が乾燥する前に必ず水で洗い流すことが大切です。乾燥させてしまうと塗装面に薬剤が固着し、跡が残る可能性があります。コーティング車の場合も、中性タイプの除去剤を選べばコーティング膜を傷めることなく施工できます。

 

粘土クレイバーで鉄粉を物理除去する方法

クレイバー(鉄粉取り粘土)は、スプレータイプより強力で確実な除去が可能な方法です。専用の粘土が鉄粉や微細な汚れを物理的に吸着し、通常の洗車では落とせない汚れも効果的に除去できます。使用前に粘土を温水に数分間浸して柔らかくし、手のひらサイズに成形することが基本です。粘土が硬いままだと効果が低下し、ボディを傷める可能性も高まるため、必ず柔らかくしてから使用します。

 

施工時は専用の潤滑剤(クレイルブリカント)をパネルにスプレーし、粘土を前後に軽く動かします。力を入れすぎないことがポイントで、鉄粉の抵抗が減り、パネルが滑るようになったら除去完了の目安です。ブレーキダストや虫の死骸、鳥の糞など複数の汚れに対応する汎用性の高さが特徴です。クレイバー使用後は若干の傷が付く場合があるため、仕上げにポリッシャーでの研磨を推奨する専門家も多くいます。ただし硬化系コーティング施工車に使用すると、コーティング被膜を傷めるため注意が必要です。

 

鉄粉除去の最適な頻度と季節対策

鉄粉除去の頻度は、基本的に半年に1回程度が目安です。ただし環境によって大きく異なります。鉄道沿線や製鉄加工工場が近い地域を走行・駐車することが多い場合は、3~4ヶ月に1回の頻繁な除去が必要になります。これは飛散する鉄粉の量が通常より多いため、早期に対策しなければ錆が深く進行するためです。季節別の対策としても重要な違いがあります。

 

春から夏にかけてのシーズンは、高温と湿度により鉄粉の酸化が加速します。特に梅雨時期の高湿度は錆の進行を著しく早めるため、梅雨前後での除去作業が効果的です。秋冬は相対的に酸化の進度が遅いですが、塩分を含む融雪剤の使用地域では鉄粉との複合汚染が問題になり、より頻繁な除去が求められます。年間の走行距離が多い場合や、屋外駐車が主体の車については、半年ごとでなく3ヶ月ごとの定期除去も検討する価値があります。

 

コーティング施工車の鉄粉除去における注意点

コーティング車に対する鉄粉除去は、通常の塗装車とは異なる配慮が必要です。一般的なコーティングは有機系で柔軟性があり、スプレータイプの中性除去剤であれば通常の施工で問題ありません。しかし硬化系コーティング(セラミックコーティングやガラス膜コーティング)の場合は、物理的摩擦に弱いため、粘土クレイバーの使用を避けるべきです。クレイバーを使用すると、せっかくのコーティング被膜に細かい傷を多数付けてしまい、防水性や光沢が大幅に低下します。

 

硬化系コーティング施工車には、スプレータイプの除去剤一択で対応するのが安全です。施工前に必ず自分の車のコーティング種別を確認し、施工方法を選択することが肝要です。コーティングの種類が不明な場合は、施工店に問い合わせるか、プロショップでの施工を依頼することをお勧めします。間違った方法でのクレイバー使用は、高額なコーティング再施工費が発生するリスクがあるため、慎重な判断が重要です。

 

ホイール磨きの深掘り情報:鉄粉除去をホイール部分に適用する場合、一般的な塗装面より強い除去効果が必要です。ホイールに付着するブレーキダストは鉄粉よりも粘着力が強く、単なるスプレータイプでは不十分な場合があります。専用のホイール用クレーバーや強力ホイールクリーナーの使用が効果的で、これらは塗装面用より強力な成分を含んでいます。ホイール部分で先に実験してから、ボディに本格施工するという段階的なアプローチも、初心者には推奨される方法です。

 

鉄粉除去後の塗装保護とメンテナンス

鉄粉除去完了後の塗装面は、クリーニング効果で表面が活性化した状態です。この状態は非常にワックスやコーティング剤の吸収性が高く、効果を最大限引き出すタイミングとなります。除去作業の後に必ずワックスを施工することで、新たな汚れ付着や鉄粉再付着を防止する保護膜が形成されます。特にプロショップでは、鉄粉除去→研磨→ワックス施工というシーケンシャルな工程が標準化されているのはこの理由です。

 

除去直後から次の除去作業までの間は、定期的な洗車と撥水加工の継続が重要です。ワックス層が健全に保たれていれば、新たに付着する鉄粉は表面に浮く傾向があり、軽い洗車で除去できます。逆にワックスが劣化した状態では、鉄粉が直接塗装面に付着し、酸化が急速に進むことになります。月1回程度のカーシャンプー洗車と、2ヶ月ごとの撥水加工スプレー施工が、長期的な塗装保護に効果的なメンテナンスリズムです。

 

参考リンク集:鉄粉除去について詳しく解説したプロフェッショナル向けの情報です。

 

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