還元炎は窯の中で酸素が不足した状態で発生する炎のことです。燃料が完全に燃焼するために必要な酸素量が足りないため、黒いススが上がり、炎が窯から出てくる状態になります。
参考)酸化焼成と還元焼成
この炎の内部には未燃焼の一酸化炭素や炭素が含まれており、還元性を持っています。ロウソクの炎に例えると、中心部の青く暗い部分が還元炎に相当します。
参考)鋳造用語集
還元焼成では、窯の温度が950度を超えたあたりで酸素の量を減らして還元状態を作ります。
これが基本の手順です。
参考)酸化・還元・中性炎
中性炎は酸化炎と還元炎のちょうど中間にあり、酸化性も還元性も持たない炎です。酸素の量を調整して青白い炎になるようにした状態がこれに当たります。
参考)https://sorachikara.com/im/process/syousei-14810/
全てのガスを燃焼させるのに十分な酸素がある状態を意味し、炎の中で最も熱い温度を示します。溶融金属に対して中立的な性質を持つのが特徴です。
参考)中性炎
バーナーのセッティングが正確でないと中性炎を得ることは困難になります。
つまり技術が問われます。
参考)Lampworker’s File: バーナーと…
炎の種類によって釉薬の発色が大きく変化するのは、土や釉薬に含まれる鉄分の化学変化が原因です。還元炎では土の中の鉄分が還元され、活性の高い状態になって釉薬が溶け始める頃に活発に動きます。
参考)https://www.noritakeshop.jp/knowledge-flame.html
具体的な発色の違いを見ると、土灰釉は還元炎で青みを帯びますが、酸化炎では黄褐色になります。藁灰釉は還元炎で青みのある白、酸化炎では純白に近い色になります。
参考)http://www.hoboshop.co.jp/yakimono%20faire.htm
酸化鉄を含む釉薬では、還元炎で青色に発色し、酸化炎では緑・黄・赤・黒など多様な色になります。
発色の幅が広いですね。
白磁を焼成する場合、中性炎で焼くことが原則とされています。白磁は胎土や釉薬から鉄分などの不純物を取り除いていますが、すべてを完全に除去することはできません。
この微量の鉄分が酸化炎になると黄色味を帯び、還元炎になると灰色や青白色を帯びてしまいます。どちらでもない中庸の状況、つまり中性炎で焼かなければ純白の白磁にならないのです。
白磁作りで中性炎の管理を失敗すると、作品全体の色が濁って商品価値が下がります。
色の管理が重要ですね。
還元炎焼成では、煙突から煙が見え、のぞき口から炎が見えるくらいに燃料を多めにして還元をかけます。この状態では温度上昇の効率は悪くなりますが、やきものによい効果を与えるとされています。
参考)https://www.jirobe.jp/roabout.html
中性炎焼成では酸化と還元の中庸を保ちながら温度を上昇させる必要があります。酸化雰囲気と還元雰囲気がせめぎ合う箇所では、発色が安定しない問題が起きます。
中性炎を維持するには、火力と酸素量の両方を細かく調整しながら300度までゆっくり温度を上げていく丁寧な作業が求められます。
調整が基本です。
赤楽の焼成では、炎の選択が作品の趣に直結します。酸化炎で焼くと明るい赤の発色になりますが、茶碗全体が明るい赤だと重みがなく、趣が軽く見えてしまいます。
参考)「中性炎」と言う炎も忘れないでね! - 楽茶碗は大嫌い!? …
中性炎で焼くと渋い赤色になり、酸化炎より趣が出ますが、全体のトーンが落ちて爽やかさが足りなくなります。還元炎はさらに問題で、赤色がグレーやウグイス色になってしまい、赤楽とは呼べなくなります。
そこで実践的な手法として、茶碗の腰から下を還元炎で焼き、口縁部から腰までを赤色に焼く部分的な使い分けがあります。
見応えある作品になります。
陶磁器を焼成する炎の種類と焼き上がりについて、陶磁器メーカーの解説
炎の状態を判断するには、炎の色・長さ・音の3つの要素を観察します。還元炎は短く、やわらかく、ぼさぼさした状態が特徴です。
酸化炎の中でガラスに金属膜が出来る場合は、酸素量が十分でなかったことを示すサインになります。
これは調整のヒントです。
色のコントロールを成功させるには、炎の調整を理解することが大切です。大半の色は還元炎の影響を受けるため、狙った発色を得るには還元のタイミングと程度を見極める必要があります。
窯の中を酸欠状態にしすぎると黒いススが大量に上がり、作品に付着して仕上がりを損ねることがあります。
適度な還元が原則ですね。

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