シチリア陶器デシモーネの魅力と歴史・購入ガイド

シチリア陶器デシモーネはなぜ世界中で愛されるのか?ジョヴァンニ・デ・シモーネとピカソの意外なつながり、現行品と創業者期ヴィンテージの違い、日本での入手方法まで徹底解説。あなたはデシモーネを正しく選べていますか?

シチリア陶器デシモーネの魅力と歴史・購入ガイド

デシモーネの「壁掛け皿」を普通に食洗機で洗うと、数千円〜数万円の損失になります。


🎨 この記事でわかること
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デシモーネの誕生と歴史

ピカソとの師弟関係から生まれたシチリア陶器の名ブランド。創業者ジョヴァンニ・デ・シモーネの生涯と作風の秘密に迫ります。

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デシモーネの絵柄・種類

魚・鳥・人物・太陽など豊富なモチーフと、「ジョヴァンニ期」「スザンナ期」それぞれのデザインの特徴を解説します。

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日本での入手方法と価格帯

通販・百貨店イベント・直輸入ショップなど、日本でデシモーネを購入できるルートと、小皿6,000円台〜大皿10万円超まで幅広い価格帯を紹介します。


シチリア陶器デシモーネの誕生:ジョヴァンニとピカソのつながり


シチリア陶器デシモーネを語るうえで、創業者ジョヴァンニ・デ・シモーネ(Giovanni De Simone)の人生は欠かせません。1930年10月28日、イタリア・シチリア島のパレルモに名門貴族の息子として生まれた彼は、わずか13歳でファエンツァ陶芸学校(Scuola di Ceramica di Faenza)に入学し、陶器制作の道を歩み始めます。ファエンツァは「ファイアンス焼き」の語源にもなった陶芸の聖地で、日本でいえば有田や瀬戸に相当する権威ある産地です。


その学校時代、ジョヴァンニはパブロ・ピカソと出会い、その革新的な造形感覚から多大な影響を受けたといわれています。これは驚くべき事実です。後に世界を席巻する天才画家と陶芸学生が、同じ場所で学んでいたのです。ピカソも陶器制作に情熱を傾けた芸術家であり、両者の接点は絵画の枠を超えた「陶器というキャンバス」への共通認識にありました。


1951年、ジョヴァンニはプロの陶芸家として正式に活動を開始します。その後、数々の国際的な賞を受賞しながら、南イタリアの芸術復興と促進に生涯を捧げました。つまり彼は単なる職人ではなく、地中海文化の担い手として活動した芸術家だったといえます。


残念ながら1991年3月23日、60歳という若さで逝去。その後、三女のマルゲリータさんが工房を引き継ぎましたが、後に工房は閉鎖。現在は次女のスザンナ・デ・シモーネ(Susanna De Simone)が「La Fabbrica della Ceramica」という工房名でブランドを継承し、唯一「DESIMONE」のサインを持つ製品を作り続けています。現行品の裏には「La Fabbrica della ceramica」のスタンプが入っている点が、ジョヴァンニ存命期の作品とは異なるポイントです。


デシモーネの歴史・創業者の生涯と工房の変遷について詳しく解説(GALERIE BOCHU)


シチリア陶器デシモーネの絵柄の特徴:なぜ一目でわかるのか

デシモーネの陶器を一度見たことがあれば、次に見たときも必ずわかります。それほど個性的な作風を持っています。鮮やかな原色の色彩、大胆にシンプル化された人物・動物・魚・鳥のモチーフ、子どもが描いたかのような温かみのあるタッチ——これらがデシモーネならではの「顔」です。


絵柄の主題は非常に多彩です。


- 🐟 魚・海の生きもの:最も人気の高いシリーズ。鮮やかな色の魚が躍動感あふれる筆致で描かれます
- 🐓 ニワトリ・鳥:シチリアの農村風景をイメージさせる定番モチーフ
- 🧑‍🌾 人物・農夫・漁師:シチリアの日常を描いた生活感あるシーン
- 🌞 太陽・月:地中海の明るい自然を象徴する壁飾りとして人気
- 🍊 レモン・オレンジ・果樹園:シチリアらしい農村風景
- 🎭 プピ(Pupi)人形劇:シチリア固有の伝統芸能を題材にした珍しいモチーフ


色づかいはオレンジ・イエロー・ブルー・レッドなど原色が中心で、白地にカラフルな絵が映える構図が多いです。これはイタリア伝統のマヨリカ焼き(Maiolica)の技法——素焼きのテラコッタに白い錫釉(すずゆう)をかけ、その上から顔料で絵付けして約1000℃で焼成する技法——がベースになっています。


意外なことに、ピカソに影響を受けたジョヴァンニは、コミカルで親しみやすい作風の一方、抽象画的なデザインの作品も残しています。日本では可愛らしいカラフル路線のイメージが強いですが、それがデシモーネのすべてではありません。コレクターの間ではむしろピカソ的な抽象モチーフのヴィンテージ品が高値で取引されることもあります。これは意外ですね。


デシモーネの作風の詳細・ジョヴァンニ期とスザンナ期の違いを写真付きで解説(イタリアを楽しもう!)


シチリア陶器デシモーネの種類とラインナップ:絵皿からオブジェまで

デシモーネが手がけるアイテムは、食卓まわりのうつわ類からインテリア装飾品まで幅広いラインナップを誇ります。食器好きや陶磁器コレクターにとってはとくに嬉しいポイントです。


代表的なアイテムカテゴリを整理すると、以下のようになります。


| カテゴリ | 代表商品 | 日本での価格帯目安 |
|---|---|---|
| 小皿・絵皿(12cm) | 天使・魚・月・太陽などのモチーフ | 6,000〜9,000円(税込) |
| 中皿(21〜25cm) | 農夫・ロバ・ダンス・ギター弾きなど | 20,000〜32,000円(税込) |
| 大皿(37cm以上) | オレンジ農園・風景など | 100,000円超 |
| オブジェ・置物 | ネコ・ライオン・ニワトリ型ポット | 20,000〜25,000円(税込) |
| 壁飾り(太陽) | 直径30cmのサン・オブジェ | 25,000〜52,000円(税込) |
| カップ&ソーサー | エスプレッソカップなど | 市場による |
| タイル | 壁装飾用セラミックタイル | セットで5,000円台〜 |


なかでも壁飾り用の絵皿は、食器としての機能と装飾品としての機能を兼ね備えているのが特徴です。ただし、壁掛け用の皿には裏側に穴が開いているものがあり、実際に食器として使うと想定外のトラブルになることがあります。実際の購入者の体験談でも、壁飾り用を食卓で使い続けて熱によるヒビが入ったケースが報告されています。用途に合わせた選び方が基本です。


現行品の製造はスザンナ・デ・シモーネが監修する工房が担当しており、すべてシチリアの職人によるハンドペイント仕上げです。同じ柄でも1点ごとに微妙な差異があり、「完全に同じ品」は存在しません。これもコレクターが魅力を感じるポイントのひとつです。


デシモーネ陶器の豊富な商品ラインナップと実際の価格一覧(リビングスタジオ 直輸入ショップ)


シチリア陶器デシモーネを日本で買う方法:通販・百貨店・現地購入

デシモーネは今や日本国内でも入手しやすくなっています。主な購入ルートを知っておくと、失敗のない買い物につながります。


国内通販での購入は最も手軽な方法です。楽天市場・Yahoo!ショッピングでは140件以上の取り扱いがあり、小皿から大皿・オブジェまで幅広く揃います。直輸入専門ショップ「リビングスタジオ(千葉県大網白里市)」はシチリアから直接仕入れており、国内最大規模の品揃えとして知られています。


百貨店の催事・イタリアフェアも見逃せない機会です。日本橋三越・西宮阪急など各地の百貨店でイタリアフェアが開催される際、デシモーネ陶器の専門ブースが出展されることがあります。実物を手に取って確認できる点は通販にはない大きなメリットです。


シチリア現地での購入はもちろん最もコストパフォーマンスが高い選択肢です。パレルモの旗艦店(Via Cavour 38, Palermo)のほか、カターニア・シラクーサ・ラグーサ・ノートなどシチリア各地にショップがあります。現地では小皿が23ユーロ(約3,700円)、カップが43ユーロ(約7,000円)程度と、日本の定価より割安で手に入ることが多いです。ただし、航空機での輸送中に破損するリスクがある点は十分に注意が必要です。


メルカリ・ヤフオクでのヴィンテージ品購入という選択肢もあります。ジョヴァンニ・デ・シモーネ存命期(1991年以前)に作られたヴィンテージ品はオークションで平均1万2,000円前後で落札されており、状態がよければさらに高値になることもあります。裏面のサインが「DESIMONE」のみのものがジョヴァンニ期の作品、「La Fabbrica della ceramica」のスタンプが入ったものが現行スザンナ期の作品です。購入前にサインを確認するのが原則です。


シチリア現地のデシモーネショップで実際に購入した体験談・現地価格の参考情報(note/食の工房オフィスアルベロ)


シチリア陶器デシモーネの正しいお手入れ:ハンドペイント品の扱い方

デシモーネをはじめとするシチリア陶器のハンドペイント製品は、正しいお手入れをしないと絵付けがかすれたり、釉薬ひびが入るリスクがあります。購入後の扱い方を知っておくことで、長く楽しめます。


まず大前提として、食洗機は使用NGです。高温の湯と強い水圧・洗剤が合わさると、マヨリカ焼きの上絵付け(顔料による手描き部分)が徐々に損傷します。1〜2回で目に見える変化が出るものではありませんが、繰り返し使用することで絵柄のにじみや色落ちが起きます。購入価格が6,000円〜10万円超の商品だけに、この損失は大きいです。


手洗いで使うお湯も、高温は避けた方が無難です。50℃以下のぬるま湯と中性洗剤で、スポンジの柔らかい面を使って洗うのが基本です。


電子レンジも基本的には使用を避けることを推奨します。陶器の素地に細かな気泡が含まれている場合、急激な加熱で割れやひびの原因になります。食卓での使用と壁飾りとしての鑑賞を兼ねる場合でも、熱い料理の盛り付けには注意が必要です。前述のように「壁掛け用の穴あき皿に熱いものを入れてヒビが入った」という実例があります。これは注意すれば大丈夫です。


収納時は直接重ね置きを避け、皿と皿の間にフェルトや紙などのクッション材を挟みましょう。シチリアの伝統製法で作られたマヨリカ焼きは、現代の工業製品に比べると厚みにばらつきがあり、そのまま重ねると釉薬面に傷が付きやすいです。コレクションとして複数枚を所有している場合はとくに重要な点です。


デシモーネを「飾る」だけでなく「使う」という独自視点:食卓スタイリングの可能性

デシモーネ陶器はコレクターアイテムとして壁に飾るイメージが強いですが、実は食卓に積極的に使うことで、その魅力が何倍にもなります。これが意外と知られていない視点です。


日本のイタリア料理店では、デシモーネの絵皿を前菜の盛り付けに使ったり、水差しジャグ)として実際にサービスに取り入れているケースがあります。カラフルな絵柄が食材の色を引き立て、テーブル全体が南イタリアのリストランテのような雰囲気になります。


エスプレッソカップとしての使い方も本場流です。デシモーネのエスプレッソカップは容量60〜70mlほど(ちょうど日本の醤油皿くらいのサイズ感)で、朝のコーヒータイムに使うだけで一日の始まりが特別な体験に変わります。前述の食の工房の方も「ディップやソースを入れて食卓に出す」と語っています。つまり単用途に縛られないのがデシモーネの強みです。


小皿(12cm)は箸置きやおつまみ皿として日本の食卓にも自然に馴染みます。長辺7〜8cm程度の豆皿サイズはアクセサリートレイとしても人気があり、使い方次第でインテリアのアクセントになります。食卓で実際に活躍させることで、陶器としての「生きた価値」を実感できるはずです。


陶磁器愛好家にとって、コレクションを「眺める」だけでなく「日常に溶け込ませる」ことは大きな喜びです。デシモーネはその両立ができる希少なブランドのひとつといえます。ただし、前述の通りハンドペイント品のケアだけは忘れずに。お手入れに注意すれば問題ありません。


シチリア現地のデシモーネ店舗情報と実際のアイテムの使い方イメージ(SiciliaWay)




【SUSANNA DE SIMONE(スザンナ・デ・シモーネ) シチリア陶器】絵皿 Ф19×H3cm / M5-537SA