流紋岩特徴見た目|成分・石英・模様・色・判別・鉱物・産地

流紋岩は火山岩の中でも独特な見た目と組成を持つ岩石です。白っぽい色や縞模様、含まれる鉱物など、多様な特徴があります。流紋岩の見た目の特徴を詳しく知りたくありませんか?

流紋岩特徴見た目

流紋岩の主な見た目の特徴
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色と外観

白色から明灰色が基本だが、含有成分により黒色、褐色、ピンク色など多様な色を示す

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流理構造

マグマが流動時に形成される縞模様や流れ模様が特徴的に見られることがある

斑晶と石基

石英や長石の結晶(斑晶)が、きめ細かい基質(石基)の中に点在する斑状組織を示す

流紋岩は火山岩の一種で、その見た目には非常に多様性があります。最も一般的な特徴は明るい灰色できめ細かい石基の中に、白い長石や灰色の石英などの斑晶が点在する斑状組織です。流紋岩の名前の由来となった流理構造(マグマの流れ模様)は、実際にはそれほど多く見られるわけではありませんが、見られる場合は非常に印象的な縞模様を形成します。

 

参考)https://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/rock/igneousrock/rhyolite.html

流紋岩はケイ長質岩に分類されるため、通常は白っぽい色をしていますが、硫化鉄などの微粒子を含むと黒っぽい外観になることもあります。色だけで流紋岩を判断することはできないため、含まれる鉱物や組織の観察が重要です。流紋岩のSiO₂含有量は70%以上であり、これが明色を示す主な理由です。

 

参考)流紋岩 - Wikipedia

流紋岩は安山岩や玄武岩に比べて二酸化ケイ素の鉱物(主に石英)を含むことが多く、輝石類やかんらん石はあまり含みません。密度は約2.5g/cm³と、他の火山岩よりもやや軽い傾向があります。流紋岩の粘性の高いマグマは流出しても広がりにくく、急峻な地形を形成する傾向があります。

 

参考)流紋岩

流紋岩の色と石基の見た目

 

流紋岩の色は多様で、白色、明灰色、ピンク色、褐色、さらには黒色まで幅広いバリエーションがあります。最も一般的な流紋岩は、明るい灰色できめ細かい石基を持ち、その中に白いアルカリ長石や斜長石、灰色の石英の斑晶が点在しています。石基とは、火山岩中で斑晶以外の小さな鉱物やガラス質部分を指し、マグマが地表で急冷されたために結晶が成長できないまま固結した部分です。

 

参考)流紋岩の宝石:特性、意味、価値など

黒っぽい流紋岩も存在し、これは石基中に微細な硫化鉄(主に磁硫鉄鉱)が含まれるためです。このタイプの流紋岩では、黒っぽい石基中に白い長石類や灰色の石英の斑晶が点在する斑状組織が見られます。風化面では硫化鉄の酸化によってできた水酸化鉄により、淡褐色になっていることが多いです。

流紋岩の石基の色と質感は、マグマの冷却速度や含有成分によって大きく変化します。急速に冷却されるとガラス質になり、黒曜岩(黒曜石)のような黒いガラス状の流紋岩になります。一方、比較的ゆっくり冷却されると、微細な結晶からなる石基が形成されます。流紋岩は花崗岩と同じ化学組成を持ちますが、冷却速度の違いによって異なる組織を持つことが特徴です。

 

参考)https://www.jseg.or.jp/chushikoku/assets/file/faq/4-01.pdf

色のタイプ 原因となる成分 主な特徴
白色・明灰色 高SiO₂含有量 最も一般的な流紋岩の色​
黒色 硫化鉄の微粒子 風化面は褐色になる​
ピンク色 アルカリ長石の色

やや粗い斑晶を持つことが多い
参考)https://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/rock/zougankoubutu/feldspar-rhyolite.html

褐色・緑褐色 ガラス質(真珠岩) 水分を数パーセント含む​

流紋岩の石英と長石の見分け方

流紋岩に含まれる主要な斑晶鉱物は、石英と長石類(アルカリ長石と斜長石)です。これらの鉱物は肉眼で観察できる大きさの結晶として、石基の中に点在しています。石英は灰色でガラス光沢が強く、半透明の外観を持っています。一方、長石類は白色で半透明から不透明に近い外観を持ち、やや鈍いガラス光沢を示します。

アルカリ長石と斜長石は互いに区別しにくいことが多いですが、いくつかの特徴で見分けることができます。アルカリ長石は時にわずかに赤みがかることがあり、この場合は白い斜長石と区別可能です。また、透明感に富むアルカリ長石はサニディン(ハリ長石)と呼ばれ、マグマ中で急冷してできたものです。まれに、アルカリ長石が水で濡らすと青白い光を発することがあり、これは「月長石」または「ムーンストーン」と呼ばれ、明確に斜長石と区別できます。

斜長石の完全なへき開面には、アルバイト式双晶による平行な条線が見られることがあり、これもアルカリ長石と区別する手がかりになります。流紋岩中の長石類の硬度はナイフと同じくらいで、1方向に完全、もう1方向に明瞭なへき開を持っています。石基にも長石類は顕微鏡的な大きさで豊富に含まれています。

流紋岩中の長石類の詳細な解説(倉敷市立自然史博物館)
流紋岩に含まれる長石類の種類や見分け方について、写真付きで詳しく解説されています。

 

流紋岩に含まれる斑晶が不定形(破片状)の場合、これは火砕流堆積物としての流紋岩であることを示唆します。直接マグマが冷えて固まった溶岩としての流紋岩の場合、斑晶はより自形から半自形の結晶形状を示します。

流紋岩の流理構造と縞模様

流理構造は流紋岩を特徴づける最も印象的な見た目の特徴の一つで、マグマが流動しつつ冷えて固まる際に形成される縞模様や流れ模様のことです。この構造は、すでに晶出した斑晶や石基の鉱物がレンズ状、縞状、線状などに配列した流れ模様として観察されます。流紋岩の名称は、この流理構造に由来していますが、実際にはこのような明瞭な縞模様を持つ流紋岩はそれほど多くありません。

 

参考)https://www.nature.museum.city.fukui.fukui.jp/shuppan/kenpou/60/60-11-20.pdf

流理構造は、粘り気のある流紋岩マグマが流れつつ冷えて固まる際に形成されやすいです。一般に、火山岩では流紋岩マグマのような粘性の高いマグマが流動時にこのような縞模様を作りやすい傾向があります。流理構造の走向や形状から、マグマの流動方向や溶岩の流れの特性を推定することができます。

黒曜岩(黒曜石)でも、拡大して観察するとマグマの流れ模様が筋になって見えることがあります。真珠岩と呼ばれる褐色や緑褐色のガラス状流紋岩にも、流理構造が認められることがあります。流理構造は板状節理の形成にも影響を与え、板状節理面は主に流理構造が原因となって形成されます。

 

参考)https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1392646/geofield59.pdf

隠岐の流紋岩は、流れるような縞模様が刻まれており、白い岩肌は景観的にも見どころとなっています。流理構造が擾乱している部分も観察されることがあり、これはマグマの流動過程における複雑な動きを示しています。

流紋岩に含まれる鉱物の特徴

流紋岩に含まれる主な鉱物は、石英、長石類(アルカリ長石と斜長石)、そして有色鉱物として黒雲母や普通角閃石です。石英は流紋岩を特徴づける重要な鉱物で、安山岩や玄武岩に比べて流紋岩は二酸化ケイ素の鉱物を豊富に含みます。石英以外にも、時に鱗ケイ石やクリストバライトが含まれることがあります。

 

参考)流紋岩(リュウモンガン)とは? 意味や使い方 - コトバンク

アルカリ長石はカリウムやナトリウムを主成分とし、化学式は(K,Na)AlSi₃O₈で表されます。隠岐の流紋岩は、カリウムやナトリウムなどに富むアルカリ長石を多く含むことが特徴です。斜長石はナトリウムやカルシウムを主成分とし、化学式は(Na,Ca)(Al,Si)₄O₈です。

流紋岩は玄武岩や安山岩と異なり、輝石類やかんらん石をあまり含みません。有色鉱物として黒雲母や普通角閃石が含まれることがありますが、これらは斑晶として肉眼で観察できます。黒雲母が含まれれば流紋岩、角閃石ならデイサイト、輝石なら安山岩、かんらん石なら玄武岩に区分できることが多いです。

 

参考)石ころ鑑定のコツ|長野県デジタル地質図を活用した地学教材開発…

鉱物名 化学組成 見た目の特徴
石英 SiO₂ 灰色、ガラス光沢、半透明​
アルカリ長石 (K,Na)AlSi₃O₈ 白色、時に赤みを帯びる​
斜長石 (Na,Ca)(Al,Si)₄O₈ 白色、条線が見られることも​
黒雲母 複雑な層状ケイ酸塩 黒色、薄片状​
普通角閃石 複雑なケイ酸塩 黒色、長柱状​


球顆流紋岩と呼ばれる特殊な流紋岩には、数ミリメートルから数センチメートルくらいの白っぽい球状集合体(球顆)がたくさん入っています。この球顆は、マグマが急冷する際に、針状のクリストバライトや長石類などの鉱物が放射状集合体をなしたものです。

流紋岩の種類と変種の見た目

流紋岩には様々な変種があり、それぞれ独特の見た目を持っています。最も有名な変種は黒曜岩(黒曜石)で、マグマが非常に急速に冷えて固まってできた黒いガラスのような流紋岩です。黒曜石は流紋岩と同様の成分を持ちますが、不純物を多く含むガラス質のため黒く見えます。細かく砕けば無色透明のガラスになりますが、塊としては黒色を呈します。黒曜石は通常1.0%以下しかH₂O成分を含まず、1.0~10%程度のH₂O成分を含むピッチストーン(ガラス質流紋岩)と区別されます。

 

参考)302 Found

軽石(パミス)は、流紋岩マグマが地表付近に噴出した際に、圧力減少によりマグマに含まれていた水分などの揮発成分が気体となり、マグマが発泡しつつ固まったものです。流紋岩マグマは粘性が高いため、発泡してできた孔は引き伸ばされたような不規則な形をしていることが多いです。白色や明色の軽石は、流紋岩やデイサイトマグマの発泡により生じることが多いです。

 

参考)https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2111943.pdf

真珠岩は細かい曲面状の割れ目が多く見られる褐色や緑褐色のガラス状流紋岩で、水分を数パーセント含み、もろい性質を持っています。火砕流堆積物としての流紋岩には、火山爆発で砕かれた石のかけら(火山礫)が入っており、石英や長石類などの斑晶が破片状になっています。

変種名 主な見た目 形成過程
黒曜岩 黒色のガラス質、流理構造が見えることも 急速冷却
軽石 白色、多孔質で非常に軽い マグマの発泡
真珠岩 褐色・緑褐色、ガラス質 水分を含み急冷
球顆流紋岩 白い球状集合体を多数含む 急冷時の鉱物放射状成長
火砕流堆積物 破片状の斑晶、火山礫を含む 火山爆発と堆積

流紋岩は緻密で硬く、侵食に耐えるため、その分布域は小高い山になることが多いです。岡山県内の流紋岩の多くは9000万~1億年前にできたもので、それよりわずかに新しい7000万~9000万年前の花崗岩がその近隣に見られます。これは流紋岩ができた直後に同じマグマがその下でゆっくり冷えて花崗岩になったためです。

流紋岩の独自な産地と用途

流紋岩は日本各地に産出し、それぞれの産地で特徴的な性質を持っています。湖東流紋岩は滋賀県南東部(東近江市永源寺、近江八幡市安土など)が主要産地で、古くから建築材料として利用されてきました。今でも岸和田城の城壁や大阪府泉南地域の石垣などに用いられています。糸魚川の海岸に落ちている流紋岩には、電気石(トルマリン)と呼ばれる鉱物が斑点状に入っていることもあります。

 

参考)流紋岩

西北九州には九州地方における最大の黒曜石原産地である佐賀県伊万里市腰岳を含め、10箇所程度の黒曜石原産地が分布しています。これらの黒曜石の多くは3~2Maの有田流紋岩類のマグマ活動によって生成したとされています。長崎県川棚町大崎半島には有田流紋岩類に対比される2つの岩体(大崎流紋岩および松岳流紋岩)が分布し、旧石器から縄文時代にかけてしばしば石器石材として利用されました。

 

参考)https://www.meiji.ac.jp/cols/about/publications/mkmht00000013ugs-att/NREHno12_02.pdf

島後を代表する岩石の一つである流紋岩は、約550万年前に噴出し、西側の海岸や山の多くがこの岩石からできています。隠岐の流紋岩は流れるような縞模様が刻まれており、白い岩肌は景観的にも見どころになっています。粘り気の強い流紋岩質マグマは流出した溶岩があまり広がらず、高く険しい山をつくる傾向があり、隠岐の急峻な地形が生まれた一因となっています。

🗿 縄文時代には黒曜石(流紋岩の一種)が矢じりなどの石器の材料として重要に利用されました。腰岳産黒曜石は朝鮮半島の南部に至るまで、広く石器石材として利用されたことが明らかになっています。

💎 流紋岩は建築石材としても用途があり、湖東流紋岩は城壁や石垣に利用されてきた歴史があります。風化すると赤茶けた縞模様になることがあり、独特の風合いを持ちます。

 

参考)https://geosociety.jp/name/content0147.html

🏔️ 流紋岩の分布域は緻密で硬い性質により小高い山を形成し、特徴的な地形景観を作り出します。この性質は、流紋岩が侵食に強く耐久性があることを示しています。

流紋岩の産地と特徴(島根半島・宍道湖中海ジオパーク)
流紋岩の化学組成や含まれる鉱物について、ジオパークの視点から詳しく解説されています。

 

 


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