釉薬を掛けてすぐ焼くと茶碗が爆発します
楽焼の茶碗は、電動ろくろを使わず手でこねて形を作る「手づくね」が基本です。粘土を手でこねながら茶碗の形に整えていきます。
参考)はじめての抹茶茶碗
ろくろを使った成形と違い、手指の形がそのまま茶碗に反映されます。
つまり作り手の個性が出やすいということですね。
初心者でも特別な道具なしで始められるメリットがあります。
成形時の重量は400グラム以上を目安にすると、焼成時の割れを防げます。薄く作りすぎると急熱急冷に耐えられないためです。粘土を丸める際はギュッと握ると空気が入り込み、素焼き時に爆発の原因になります。
おにぎりを作るように力を入れず、優しく空気を抜きながら成形するのが基本です。
成形後は鉄や竹のへら、小刀を使って削り出します。
削りは大きく3段階に分かれます。
参考)楽茶碗の作り方3/5
まず高台の削り出しと周辺を整えます。
次に見込み(茶碗の内側)を削ります。
最後に高台内を仕上げて完成です。削り作業によって茶碗に唯一無二の輪郭が生まれます。
器の厚みは抹茶の味わいに直結する重要な要素です。湯のみやご飯茶碗で5mm程度が目安ですが、楽茶碗は急熱急冷に耐える必要があるため、ある程度の厚みを保ちます。
参考)陶芸で作品が爆発したらここをチェック!素焼きで爆発させない方…
削り終わったら5~7日ほど冷暗所でしっかり乾燥させます。乾燥が不十分だと素焼き時に水分が膨張して爆発します。夏場は5mm以下の薄い器なら1週間以内でOKです。
楽焼には赤楽と黒楽の2種類があり、釉薬と焼成方法が異なります。
赤楽は素地の鉄分で発色させる技法です。半透明の白釉を赤い聚楽土にかけて、800~1000℃の低温で焼成します。土の発色を活かすため、釉薬自体に呈色材は含まれません。
参考)http://verdure.tyanoyu.net/rakucyawan.html
黒楽は加茂川石粉を主原料とした釉薬を使い、1000~1200℃の高温で焼きます。還元気味の雰囲気で焼成するのが適しています。特に黒楽は約1200℃という高温に茶碗を入れるため、粒子の粗い火に強い土が必要です。
参考)黒楽釉・赤楽釉|陶芸機材の総合メーカー【丸二陶料株式会社】
どちらの釉薬にも鉛が含まれる場合があります。鉛は透明性や発色性に優れていますが、人体に悪影響を及ぼす恐れがあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。焼成時は革手袋とマスクを着用し、鉛が気化するのを防ぎます。
参考)楽茶碗の作り方5/5
無鉛の釉薬も増えているので、初心者は安全性を重視して選ぶとよいでしょう。
素焼きは電気窯で実施するのが一般的です。2時間で常温から758℃まで昇温し、練らし(高温をキープ)は不要です。
参考)楽茶碗の作り方4/5
温度の上昇が早いほど爆発の可能性が高まります。特に常温から300℃までは、じわじわと温度を上げるのが鉄則です。窯に火をつけると5分程度で100℃以上になるため、初期の温度管理が重要ですね。
素焼き後に釉薬を掛けますが、釉薬を掛けてすぐに焼くと茶碗が爆発する危険性があります。
茶碗自体が釉薬の水分を吸っているためです。
釉薬掛け後は十分に乾燥させる必要があります。
釉薬の調合では鉛の取り扱いに注意します。排水は極力避け、素焼容器で脱水処理後、窯内で1000℃で焼き固めてから廃棄するよう心掛けます。
楽焼の最大の特徴は急熱急冷の焼成です。一般的な焼きものは窯に作品を並べてから徐々に温度を上げますが、楽焼は逆のアプローチです。
窯を先に1200℃まで加熱しておき、そこに素焼き済みの茶碗を投入します。窯内で5~7分経過すると釉薬が熔け始め、表面に艶が出てきます。見込みの釉が熔けたら引き出しのタイミングです。
焼成スケジュールは窯焼きで30分、昇温で60分、釉薬を熔かすのに30分の計2時間です。短時間の焼成ですが、窯が小さいため作品にかかる熱量は高めになります。
取り出す前に茶碗を予熱しておくと破損リスクが大幅に下がります。籾殻を入れた一斗缶に窯から出した茶碗を即座に入れて窯変を狙う方法もあります。入れる角度で窯変具合が決まるので、ここもセンスが問われる瞬間です。
常に冷め割れのリスクがあることを理解しておきましょう。
楽茶碗の焼成工程の詳細(窯の準備から引き出しまでの具体的な手順)
爆発を防ぐには厚さ管理と乾燥が最重要です。5mm程度を目安に薄く作ると爆発確率が下がりますが、楽焼の場合は急熱急冷に耐える厚みも必要です。
粘土に空気を閉じ込めないことも大切です。閉じ込められた空気が素焼きで膨張し、爆発の原因になります。粘土をちぎって丸くまとめる際は優しく扱いましょう。
成形時は400グラム以上を保つことが割れにくくする大きなポイントです。シャモット(耐火レンガを砕いた粉)を配合すると割れにくくなります。童仙傍土60%、耐急熱急冷性粘土30%、並シャモット粉10%の配合例があります。
温度管理も見逃せません。素焼きはゆっくりと窯の温度を上げるのが基本です。特に火をつけてすぐの常温から300℃までは、じわじわ昇温しましょう。
釉薬掛け後の水分管理を怠ると爆発しやすくなるため、必ず乾燥させてから焼成します。
陶芸作品の爆発を防ぐチェックポイント(素焼きでの失敗を避ける具体的な方法)