粉引唐津の器は毎回水に浸けず使うと醤油染みで価値が下がります。
粉引唐津は15~16世紀に朝鮮半島から伝わった陶器の技法を受け継いだもので、唐津焼の中でも特に人気の高い種類です。鉄分を多く含む唐津の土はそのまま焼くと黒っぽく焼き上がりますが、この土に白い化粧土を施し、その上に透明釉をかけて焼成することで、柔らかく温かみのある白色の器が生まれます。
参考)粉引(こひき)
白い粉が吹き出したように見えることから「粉引」または「粉吹」という名前が付けられました。
これが基本です。
参考)粉引
唐津の土は鉄分が多いため、その特性を活かして表情豊かな粉引が作られます。化粧土と素地の土は性質が異なるため収縮率も異なり、白化粧をして焼いた際に「収縮が足りず剥がれた」「縮み過ぎてひびが入った」といったトラブルが発生することもあります。こうした偶然の表情も粉引唐津の魅力の一つです。
鉄絵と粉引を組み合わせた「鉄絵粉引」もあります。まず唐津の原土に鉄絵を描いてから刷毛で白化粧を施し、土灰釉をかけて焼成すると鉄絵が浮かび上がってきます。
粉引唐津を購入したら、使い始める前に「目止め」を行うことが推奨されます。目止めは器を長く綺麗な状態で使うための重要な処理です。
目止めの具体的な手順は以下の通りです。器が完全に浸るくらいまで米のとぎ汁を大きめの鍋に入れ、弱火で15~20分ほど煮沸します。研ぎ汁がない場合はお米を直接入れてもOKで、小麦粉か片栗粉で代用する場合は大さじ1~2杯程度入れてください。
参考)https://saga-yakimono-karatsu.com/pages/faq
すっかり冷めたら器を取り出し、表面のぬめりを水で洗い流します。洗剤は使わなくても構いませんが、ぬめりが強いのでスポンジでやさしくなでると洗いやすいです。
その後しっかりと乾燥させて完了です。
目止めは必ずしも必要ではありませんが、簡易な方法として使用直前に数分間水に浸けおきすることで食材の染み込みを軽減できます。色味が強い醤油やソース等を頻繁に使う場合は、使う前に一度水につけて水分を拭き取ってから使うと染みになりにくくなります。
つまり水分で保護膜を作るわけです。
参考)粉引唐津
粉引唐津の日常的な手入れには、いくつかの重要なポイントがあります。使用後はなるべく早く洗うことをお勧めします。器に料理を乗せたまま長時間放置すると、シミや匂いが残りやすくなるためです。
洗い方はシンプルです。基本はやわらかいスポンジで食器用洗剤をつけて洗い、よく流してください。洗わずに時間を置きすぎると匂いが器に染み込んでしまうので注意が必要です。
粉引は他の陶器に比べて乾燥に時間がかかります。表面を布巾で拭っても内部に水分が残っていることがあり、そのまま収納するとシミやカビの原因になってしまいます。
これは要注意ですね。
電子レンジの使用は避けてください。温度変化に非常に弱く破損の原因になるためです。食洗器についても、高圧の水流で食器同士が触れ合うことがあり、割れ・欠けが生じる可能性があります。どうしても使用したい場合は、個別にスペースを確保し、他の食器と接触しないよう注意が必要です。
参考)https://www.coconoki.com/shopdetail/000000001431/
洗い桶で洗うとお皿同士がぶつかって欠けやすくなりますので、一つずつ丁寧に扱いましょう。小さな欠けであれば紙ヤスリをかけて尖った部分をなくせばそのまま使えますし、大きな欠けや割れの場合は金継ぎに挑戦するのも良い選択肢です。
粉引唐津の大きな魅力の一つが、使い込むほどに表情が変化していく点です。使用することで貫入(表面の細かなひび割れ)に茶渋などが染み込み、独特の風合いが増していきます。
参考)唐津焼(からつやき)の魅力とは?主な種類から代表的な技法、制…
この貫入による色の変化は「雨漏り」と呼ばれる状態になることもあります。雨漏りとは水が染み込んで跡になった状態を指し、こうした景色を茶人や数寄者が見どころとしています。
意外ですね。
粉引は柔らかい白さが特徴で、シンプルで何とでも相性が良い万能タイプです。白地ですのでどのお料理とも相性がよく、おもてなし用と普段用のどちらにも人気があります。
参考)鉢
中里太郎右衛門窯の酒器のように、使えば使うほど色が良くなり、唐津焼らしい経年の変化を楽しめる作品もあります。使用に伴う変化が避けられないのが粉引の器ですが、個性として愉しむのが粉引唐津の正しい楽しみ方です。
育てる感覚ですね。
参考)https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=1071347
粉引唐津を購入する際には、伝統ある窯元の作品から選ぶのがおすすめです。中里太郎右衛門陶房は初代中里又七から現在の十四代中里太郎右衛門まで420年以上にわたり唐津焼の伝統を連綿と受け継いできた窯元です。
参考)https://www.1bankan.com/products/d610teg-004
中里太郎右衛門陶房は江戸時代には唐津藩の御用窯を勤め、当時使用された唐人町御茶碗窯は国指定史跡として現在も窯敷地内に保存されています。十二代中里無庵は国の重要無形文化財唐津焼保持者(人間国宝)に認定され、十三代中里逢庵は日本芸術院会員に就任しています。
これが原則です。
価格相場としては、手ごろなものでは粉引の千代口が約400円から1,000円程度、向付が約2,000円から3,300円程度で購入できます。中里太郎右衛門窯の粉引茶盌は13万円を超える高級品もあり、作家物の作品は1万円から2万5千円程度の価格帯が多く見られます。
参考)https://www.coconoki.com/shopdetail/000000004804/
唐津、有田、京都、美濃など各地の窯元で作られており、手ごろな価格で手に入るものもあります。中川自然坊窯のように、すっきりとした白地の正統派のものから窯変が効いた野趣あふれる作品まで幅広いスタイルがあります。
作品を選ぶ際には、実際に手に取って口当たりや手触りを確認することが大切です。自然坊窯の湯呑みのように、手に吸い付くように収まり飲み口の違いに驚かれる作品もあります。何か胸に残るものがあれば、それは出会いだと思います。
唐津焼と有田焼の専門店 ギャラリー一番館
作家ものの粉引唐津を幅広く取り扱っています。中里太郎右衛門をはじめとする人気作家の作品を一堂に見ることができます。
中川自然坊窯 粉引唐津
正統派の粉引唐津から窯変が効いた野趣あふれる作品まで、自然坊窯の粉引唐津の特徴と商品ラインナップが確認できます。

TAMAKI 軽量白唐津粉引 プレートSS 直径12.3×高さ2.2cm 磁器 食洗機対応 電子レンジ対応 日本製 T-877012