乳濁剤 粒子径で決まる白濁度と焼成温度選び

乳濁剤の粒子径は釉薬の白濁度や発色に大きく影響します。粒子が細かいほど乳濁効果が高まり、粒径と焼成温度の関係を知ることで理想の釉調が得られるのですが、あなたは粒子径と温度の最適な組み合わせをご存知でしょうか?

乳濁剤 粒子径と焼成温度

粒子が細かいほど透明になります。


この記事のポイント
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粒子径と白濁度の関係

乳濁剤の粒子径が細かいほど光の乱反射が増え、釉薬の白濁効果が高まります

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焼成温度との関係

粒子径と焼成温度のバランスで釉薬の熔け具合と乳濁度が変化します

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乳濁剤の種類と添加量

酸化亜鉛、骨灰、酸化チタンなど乳濁剤の種類により必要な添加量と粒子径が異なります

乳濁剤の粒子径が白濁度に与える影響


乳濁剤の粒子径は釉薬の白濁度を左右する重要な要素です。粒子が細かいほど、光が釉薬の中で乱反射する回数が増え、白さが増します。


参考)https://blog.goo.ne.jp/meisogama-ita/e/923ad3e436452fc2c7e4ea7d60afe177


具体的には、粒子が微細になると屈折率が高くなり、反射も大きくなるため、より強い乳濁効果が得られます。例えば、環境配慮型陶磁器の研究では、ガラス粉の平均粒径が13μmと42μmでは、粒径が小さい方が約30μm細かく、焼結性向上への影響が大きいことが確認されています。


参考)https://ameblo.jp/abidmeisou/entry-12924999629.html


つまり粒子径が細かいほど白くなるということですね。


ただし、酸化錫のように粒子が極めて微細な場合(8~10%程度)は、釉に完全に熔け込んでしまい、乳濁しないケースもあります。適度な粒子径を保つことが、理想的な白濁度を得るコツです。


参考)https://blog.goo.ne.jp/meisogama-ita/e/e19693174d1697944eeb08e069d692f2


乳濁剤の粒子径と焼成温度の関係性

焼成温度は乳濁剤の粒子径と密接に関係し、釉薬の仕上がりを決定します。一般的な乳濁釉の焼成温度は1150℃から1280℃の範囲です。


参考)https://www.itic.pref.ibaraki.jp/publication/doc/research/h24/vol41_10.pdf


石灰乳濁釉の基本調合は長石52%、石灰石23%、カオリン3%、珪石22%で構成されます。この調合で1200℃前後で焼成すると、適度な乳濁効果が得られます。


参考)陶芸サークル 釉薬のはなし(1) 基礎釉: お寺の風景と陶芸


焼成温度が高すぎると、粒子が完全に熔けて透明化するリスクがあります。逆に温度が低すぎると、熔け不足で結晶析出などの欠点が発生します。


参考)https://www.mpstpc.pref.mie.lg.jp/pdf/105012.pdf


温度管理が重要ということですね。


また、亜鉛華を使用した乳濁釉では、長石50%、石灰石10%、亜鉛華25%、珪石15%の調合で1150℃焼成が可能です。亜鉛華は焼成温度幅を広げる効果が強く、融剤と乳濁の両方の働きを持ちます。


乳濁剤の種類別粒子径と添加量の目安

乳濁剤には複数の種類があり、それぞれ適切な粒子径と添加量が異なります。主な乳濁剤として、酸化チタン、骨灰、蛍石、酸化錫、ジルコン失透剤などがあります。


参考)https://www.saga-itc.jp/var/rev0/0005/5476/201141211953.pdf


酸化チタンは少量(3%程度)の添加で乳濁効果を発揮し、950℃~1000℃の低温でも使用可能です。骨灰や蛍石も少量添加するだけで、釉に熔け込み分相を起こして乳濁します。


参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcersj1950/62/693/62_693_179/_pdf


ジルコン失透剤は1950年頃にアメリカから日本に伝来し、陶磁器釉のすぐれた乳濁剤として利用されています。透明釉100に対して3%、6%、9%と添加量を増やすことで、乳濁度を調整できます。


参考)乳濁釉のテスト。 : 作陶日記 - つぐみ製陶所だより


添加量で調整できるわけですね。


リン酸カルシウム系やリン酸ジルコニウム系の乳濁剤は、耐熱性がある一方で、釉薬に乳濁を引き起こし、結晶析出や熔け不足などの欠点も発生させる可能性があります。添加する際は、これらのリスクを考慮して慎重に量を調整する必要があります。


乳濁剤の粒子径測定と調整方法

乳濁剤の粒子径を正確に把握するには、レーザー回折式粒度分布測定装置が使用されます。この装置により、平均粒径をマイクロメートル(μm)単位で測定できます。


陶芸用の乳濁剤として市販されている合成ワラ灰は、粒子径34μm以下に改善された製品もあります。粒子径が大きい場合、融剤的な作用よりも骨材的な作用が大きく働きます。


参考)媒溶剤・調整剤等


例えば平均粒径21μmの材料は骨材的な作用が強く、19μmの材料は融剤として働きやすいという違いがあります。この2μmの差が、釉薬の仕上がりに大きく影響するということです。


2μmの差が重要なんですね。


粒子径を調整する方法として、原料の粉砕度合いを変えるか、異なる粒子径の乳濁剤を混合する手法があります。目的とする釉調に合わせて、細かい粒子と粗い粒子をブレンドすることで、理想的な乳濁効果が得られます。


乳濁剤調合における粒子径の独自視点

乳濁釉の調合では、シリカ成分の量が粒子径と同様に重要な役割を果たします。アルミナとシリカのモル比が1:12~14になると、次第に白く濁った釉になります。


参考)https://blog.goo.ne.jp/meisogama-ita/e/269a7273baafd35f65e5d0df21d180c9


シリカを多く入れることで「分相」という現象が起こります。これは、ガラス成分が変化を起こし、同じガラス質でありながらお互いに熔け合わない状態です。この分相が、乳濁剤の粒子径とは別のメカニズムで白濁を生み出します。


分相も白濁の原因ですね。


藁灰釉のような灰釉では、長石と藁灰の組み合わせ(長石3:土灰3:藁灰4)で乳濁釉を作ることができます。土灰や藁灰に含まれる数%のリン酸などが、分相する乳濁剤として機能します。


参考)乳濁釉


また、透明釉(長石5:石灰石1:カオリン1:硅石3)に骨灰を1割混ぜると白濁した乳濁釉が得られます。あるいは同じ透明釉に亜鉛華を2割加え、珪石を1~2割増やしても乳濁釉になります。これらの調合比率を理解しておくと、既存の透明釉から手軽に乳濁釉を作り出せます。





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