面取手を乾燥させすぎると接着できません。
面取手は粘土紐を四角形に成形し、角を削り取って作ります。断面が正方形に近い形から始めるのが基本です。
粘土を均一な太さの紐状に伸ばしたら、木べらや指で四角形に整えていきます。この時点での太さは完成時より一回り大きめにしておくのがコツです。乾燥による収縮を見越した寸法にしておく必要があります。
角を削る作業では、カンナやヘラを使って45度の角度で面を取っていきます。4つの角すべてを均等に削ることで、八角形に近い断面になります。削りすぎると丸紐に近くなってしまうので注意が必要です。
面の取り方で印象が変わります。
シャープに削れば現代的な印象に、やや丸みを持たせれば柔らかい雰囲気になります。作品全体のデザインに合わせて調整しましょう。削った後の表面はスポンジで軽く撫でて滑らかにしておくと、焼成後の仕上がりが美しくなります。
カップやマグの場合、取っ手の上端は口縁から5〜10mm下に配置するのが標準的です。これはコーヒーカップ1杯分の厚み程度と覚えておくと分かりやすいでしょう。
取り付け位置が高すぎると持ち上げた時に不安定になり、低すぎると指が入りにくくなります。本体の高さを3等分し、上から3分の1と3分の2の間に取っ手の中心がくるように調整するのが基本です。
角度については、本体に対して15〜20度外側に開いた状態で接着します。真横につけてしまうと指が入れにくく、開きすぎると持った時に手首に負担がかかります。持ち手の下端を本体から約1cm離した位置に配置すると、中指と薬指がちょうど収まる空間ができます。
位置決めが使いやすさを決めます。
実際に持つ動作をシミュレーションしながら位置を決めることが重要です。本体を傾けた時の重心バランスも考慮に入れましょう。液体を入れた状態での使用を想定すると、やや低めの位置が安定します。
接着面には必ずスコアリング(傷つけ)を施します。針やフォークで細かく格子状の傷をつけることで、接着面積が増えて強度が上がります。
傷をつけた後、ドベ(泥漿)を薄く塗布します。ドベは水で溶いた粘土で、接着剤の役割を果たします。
濃度は生クリーム程度が適切です。
水っぽすぎると接着力が弱く、固すぎると馴染みません。
取っ手を押し当てたら、接合部から少しドベがはみ出るくらいの圧力をかけます。はみ出たドベは指で滑らかに馴染ませ、本体と取っ手の境目を自然につなぎます。
乾燥度を揃えることが鍵です。
本体が半乾燥状態(レザーハード)の時に接着するのが最も成功率が高い方法です。
取っ手も同じ乾燥度に調整しておきましょう。
乾燥度の差が大きいと、乾燥過程で亀裂が入る原因になります。接着後は接合部を補強するため、内側から粘土を少量足して滑らかに仕上げます。
一般的なマグカップの場合、取っ手の太さは直径12〜15mm程度が適切です。これは単三電池の直径(約14mm)とほぼ同じサイズです。
太すぎると手の小さい人が握りにくく、細すぎると強度不足で破損しやすくなります。特に女性や子供が使う器の場合は、12mm前後が握りやすいとされています。男性向けやビールジョッキなどでは15〜18mm程度まで太くしても問題ありません。
長さについては、本体の高さの70〜80%が目安です。高さ10cmのマグなら、取っ手の長さは7〜8cm程度ということです。これより短いと指が2本しか入らず、長すぎると重心が外側に寄って持ちにくくなります。
指3本が入る設計が基本です。
人差し指、中指、薬指の3本が無理なく入る空間を確保することが大切です。親指と小指は取っ手を支える役割なので、3本指が快適に入れば自然と使いやすい取っ手になります。実際に粘土が柔らかいうちに自分の指を入れてみて確認するのも有効な方法です。
取っ手は本体より早く乾燥します。これは表面積が大きく、空気に触れる面が多いためです。
乾燥の進行を遅らせるため、接着直後はビニールで覆って本体と一緒にゆっくり乾燥させます。
急激な乾燥は接合部の亀裂につながります。
特に冬場の暖房や夏場の直射日光は避けましょう。
それは本体との接合部分です。
ここは粘土の厚みが変化する箇所なので、熱膨張率の違いから応力が集中します。
応力を分散させるのがコツです。
接合部の内側を滑らかに仕上げておくことで、応力の集中を防げます。また、素焼きは通常より低めの温度(700〜750度)でゆっくり焼成するのが安全です。本焼きでは1230〜1250度程度が一般的ですが、取っ手のある作品は昇温速度を毎時100度以下に抑えることで破損リスクが下がります。棚板への置き方も重要で、取っ手が棚板に触れないよう注意しましょう。
NHK趣味どきっ!陶芸の基礎知識 - 取っ手の作り方と注意点について詳しく解説