金彩のついたナルミチャイナのマグカップを電子レンジに入れると、数秒でスパークして装飾が剥がれ、1万円超の食器が台無しになることがある。
ボーンチャイナは、1748年にイギリスで初めて作られた特別な磁器です。その名前の由来は原料にあります。「ボーン(Bone)=骨」「チャイナ(China)=磁器」という意味で、かつては牛の骨を焼いた「骨灰(こっかい)」を土に混ぜて作られていました。現在は人体に無害なリン酸カルシウム(燐酸三カルシウム)が使われています。
日本産業規格(JIS規格)では、リン酸カルシウムの含有量が30%以上のものを「ボーンチャイナ」と定義しています。ここで重要なのが、ナルミチャイナの数字です。ナルミボーンチャイナは世界でもトップクラスの40%超という含有量を誇ります。一般的な磁器の約2倍近い強度を持ちながら、薄くて軽いというのがナルミチャイナ最大の特徴です。
ボーンチャイナの魅力はその見た目の美しさにもあります。リン酸カルシウムは焼成後にガラス質を生成するため、光にかざすと手の輪郭がうっすら透けて見えるほどの「透光性」が生まれます。いわゆる乳白色のやわらかな輝きは、一般磁器では出せない独特の質感です。これは例えるなら、白い和紙に光を当てたときのような、温かみのある透き通った美しさに近い感覚です。
一方で、ナルミが誇るのは素材だけではありません。1993年には日本で初めて「無鉛釉薬(むえんゆうやく)の量産化」に成功しています。絵付けに鉛が含まれる古来の釉薬を排除し、自社開発のフリット釉薬を採用することで、より滑らかで光沢のある釉面と、鮮やかな絵柄の発色を両立しました。つまり安全性と美しさを同時に実現しているわけです。
ナルミの食器はただ「きれい」なだけではありません。国内外の高級ホテルやレストラン、さらには航空会社のファーストクラスにも採用されるほどの品質と実績があります。高品質が条件です。
参考:ナルミボーンチャイナの素材・特性に関する公式解説
NARUMIボーンチャイナについて | 鳴海製陶株式会社
ナルミのマグカップには多彩なラインナップがあり、どれを選べばよいか迷う方も多いはずです。ここでは代表的な人気シリーズを整理します。
まず外せないのが「ミラノ」シリーズです。1972年の発売以来、50年以上にわたって愛され続けるナルミ最古のシリーズで、藍色の濃淡で表現された梅の花が印象的なデザインです。古来から縁起が良いとされる梅の絵柄は、ギフトや引き出物にもよく選ばれます。職人のハンドペイントで仕上げる上位ライン「スタジオアート」は特に価値が高く、コレクターにも人気があります。
次に「シルキーホワイト」シリーズは、1977年発売のロングセラーです。ボーンチャイナの美しさを最大限に活かした白磁食器で、野に咲く小花をモチーフにしたレリーフ(浮き彫り細工)が施されています。グッドデザイン賞とロングライフデザイン賞の両方を受賞している実績もあり、「食卓の白い宝石」とも呼ばれます。シンプルながら上品なデザインなので、幅広い年代に贈れる安心のシリーズです。
「アンナ・エミリア」シリーズは、花や鳥が描かれた北欧テイストのかわいらしいデザインが特徴です。子ども用や若い世代へのプレゼントとして人気があり、マグカップは220ccとコンパクトなサイズも展開されています。電子レンジ対応モデルもあるため、日常使いにも向いています。
「スタイルズ(Styles)」は、ナルミボーンチャイナの質感をシンプルに楽しめるモダンなシリーズです。シンプルなホワイトを基調としたデザインで、370ccや290ccなど複数の容量があり、電子レンジ温め・食洗機対応も多く、普段づかいに最適です。価格帯は2,000円前後から手が届き、初めてナルミを試してみたい方にもおすすめです。
「いわさきちひろ」コラボシリーズは、日本の著名な水彩画家・いわさきちひろさんの生涯9,500点以上の作品から選ばれた絵柄を、ナルミのボーンチャイナで表現したシリーズです。子どもや花を描いた繊細な水彩のタッチが磁器の上で美しく映え、インテリアとしても飾りたくなる一品です。これは使えそうです。
以下の表でシリーズの特徴を比較できます。
| シリーズ名 | 発売年 | デザインの特徴 | こんな方に |
|---|---|---|---|
| ミラノ | 1972年〜 | 藍色の梅の花 | ギフト・引き出物・伝統的な好み |
| シルキーホワイト | 1977年〜 | 白磁×小花のレリーフ | 幅広い年代・シンプル好き |
| アンナ・エミリア | — | 北欧テイストの鳥・花柄 | 若い世代・子ども用 |
| スタイルズ | — | モダンなホワイト | 普段使い・電子レンジ使用したい方 |
| いわさきちひろ | — | 水彩画・子どもと花 | アート好き・インテリアとしても |
参考:ナルミ公式オンラインショップにて各シリーズの最新ラインナップを確認できます。
陶磁器に詳しい方でも意外と知らないのが、ナルミチャイナのマグカップにおける「電子レンジ対応の判定方法」です。一律で使えるわけではありません。これが条件です。
まずマグカップの裏面を確認してください。「Microwave Safe」と明記されている製品は、家庭用の電子レンジ(1,000W以下)で安心して使用できます。この表示がない場合でも、金彩・銀彩などの金属装飾が施されていなければ、あたため程度の使用は可能とされています。
ここで一番注意が必要なのが「金彩(きんさい)・銀彩」の有無です。金属の装飾が施されたマグカップを電子レンジに入れると、電磁波が金属に反応してスパーク(火花)が発生します。スパークが起きると装飾が一瞬で変色・剥離するだけでなく、電子レンジ本体の故障や最悪の場合は火災の原因にもなりえます。1万円を超えるマグカップが一度の誤使用で台無しになるリスクがあります。痛いですね。
なお、ナルミでは一部の金彩に「電子レンジ対応の特殊な素材」を使用した製品もあります。しかし、使用しているうちに表面に傷や汚れが蓄積した場合、電子レンジ対応金彩であってもスパークが起きることがあるため、やはり状態の確認は怠れません。
食洗機についても同じ考え方です。「Dishwasher Safe」と書かれているものは食器洗浄機の使用が認められています。ただし食洗機対応であっても、金彩・銀彩付きの製品は基本的に手洗い推奨です。高温の洗浄水が金属装飾を侵し、剥がれの原因になります。
また、「Dishwasher Safe」の表示があっても、使用頻度が高いほど器同士がぶつかり、割れや欠けが生じるリスクが上がります。長くきれいに使いたいなら、柔らかいスポンジと中性洗剤を使った手洗いが原則です。
まとめると、表示確認・装飾の有無・食器の状態の3点さえ押さえれば大丈夫です。
参考:ナルミ公式の電子レンジ・食洗機に関するFAQ
よくある質問 | 鳴海製陶株式会社(NARUMI公式)
せっかくの高品質なナルミチャイナのマグカップも、日々の扱い方を誤ると美しさが失われてしまいます。ここでは知らないと損するお手入れの知識を整理します。
まず洗浄についてです。基本は「柔らかいスポンジ+中性洗剤での手洗い」が理想です。研磨剤入りのスポンジやクレンザー、金属たわしは表面に細かい傷をつけ、光沢を損なう原因になります。特に「メラミンスポンジ」は頑固な汚れを落とすのに有効ですが、繰り返し使用すると釉面を傷めるため、使うとしても軽い汚れのときに限り、頻繁には使わないようにしましょう。
コーヒーや紅茶による茶渋が気になるときは、市販の酸素系漂白剤を定められた濃度・時間で使用して除去できます。ただし塩素系の漂白剤は絵柄を傷めるため絶対に使わないでください。これは必須です。
次に「メタルマーク」と呼ばれる黒ずみ対策です。スプーンやナイフなどの金属カトラリーが擦れて、マグカップの内側や底に灰色の線状の跡がつくことがあります。特にチタン製のカトラリーは成分が付着しやすく、一般的なクレンザーでは落ちにくいため注意が必要です。軽いメタルマークであれば、指先にざらつきを感じない程度の液体クレンザーを少量つけて、やさしく拭き取ると改善します。
急激な温度変化には特に注意が必要です。熱いマグカップを水に浸けたり、冷蔵庫で冷やした食器をすぐに電子レンジで加熱したりすると、ひび割れや破損につながります。これはボーンチャイナが緻密な結晶構造を持つゆえの弱点で、「熱衝撃」に対しては一般磁器よりも敏感な面があります。60度以上の高温での湯煎や、直火・オーブントースターでの使用も禁止です。
保管の際は、食器同士が直接触れないように注意しましょう。重ね置きするときは薄い紙を1枚挟むだけで、釉面への傷と欠けのリスクを大幅に減らせます。湿気の少ない場所での保管も長持ちのポイントです。つまり、少しの工夫で寿命が大きく変わります。
参考:ナルミ公式のお取り扱いガイド(温度変化・洗浄・保管)
素材別商品のお取り扱いについて | 鳴海製陶株式会社(NARUMI公式)
ナルミチャイナのマグカップは結婚祝いや引き出物、誕生日プレゼントとして人気ですが、贈る際に少し知っておくと喜ばれる知識があります。
まずブランドの立ち位置について整理しましょう。ナルミは1946年創業の「鳴海製陶株式会社」(名古屋市緑区鳴海町)によるブランドで、国内の洋食器ブランドでは「ノリタケ」に次ぐ売上高第2位を誇ります。芸能人の木梨憲武さんと安田成美さんの結婚式の引き出物が「ノリタケ×ナルミ」だったという有名なエピソードがあるほど、両ブランドは食器好きの間では特別な存在です。
ギフトを選ぶ際は容量のサイズ感も意識しましょう。ナルミのマグカップには主に「220cc前後(小ぶり)」「290〜330cc(標準)」「370cc(大きめ)」の3サイズ帯があります。コーヒーや紅茶をゆっくり楽しむ方には220〜290cc、朝のカフェオレやたっぷり飲みたい方には370cc以上が向いています。ペアセットで贈る場合は同じシリーズの2点セットを選ぶと統一感が出ます。
一方で、意外と見落とされがちなのが「生産国の確認」です。ナルミの公式サイトによると、ボーンチャイナ製品は「日本・インドネシア」で生産されています。ファインチャイナは日本・タイ・スリランカ・中国など複数の国が生産地です。「メイド・イン・ジャパン」にこだわる相手に贈る場合は、購入前に生産国の表示を確認することをおすすめします。
また、ナルミ食器には「NARUMI BONE China」や「NARUMI FINE China」という表記が入っていることがありますが、これは「中国製」を意味するわけではありません。「China」は英語で「磁器」を表す単語です。つまり「NARUMI製の磁器」という意味です。英語表記を見て誤解する方もいるため、贈る相手がグローバルな環境にある場合は一言添えると親切です。
直営の「NARUMI Factory Shop」(三重県志摩市)では、アウトレット品や廉価な特別提供品も販売されており、品質はそのままに割安でナルミ食器を入手できる場合があります。ギフト予算を抑えたいときの選択肢として覚えておくとお得です。これは使えそうです。
ナルミは百貨店の洋食器売り場のほか、公式オンラインショップでも購入できます。ギフトボックス対応商品も多く、オンラインからそのまま贈り先へ直送できる手軽さも魅力です。
参考:ナルミブランドの歴史・ポジションに関する解説
【ナルミ食器】とは、どんなブランド食器? | 日晃堂コラム

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