グッドデザイン賞は1957年に通商産業省主催の「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」として創設され、60年以上にわたって「よいデザイン」を顕彰し続けている日本を代表するデザイン評価制度です。当初は審査員が自らデザインの優れた商品を探し集めていましたが、1963年には公募形式となり、1984年にはすべての工業製品が対象となりました。現在では建築や公共分野まで幅広い領域を取り扱っており、2025年度は5,225件の応募から1,619件が受賞しています。この長い歴史の中で、グッドデザイン賞は日本のデザインと産業の「マイルストーン」とも言われ、時代とともに変化する社会課題に対応してきました。
参考)GOOD DESIGN AWARD
1980年には「グッドデザイン大賞」「部門別大賞」「ロングライフデザイン賞」が正式に創設され、現在の「選定+賞」という二重構造が確立されました。審査では単に外観の美しさだけでなく、製品やサービスの全体的な品質や価値、使いやすさ、環境への配慮など、さまざまな要因が総合的に評価されます。受賞作品は「グッドデザイン賞受賞ギャラリー」で検索でき、過去のすべての受賞対象を確認することができます。
参考)GOOD DESIGN AWARD
グッドデザイン賞の審査は「人間的視点」「産業的視点」「社会的視点」「時間的視点」の4つの複眼的な視点から総合的に判断されています。人間的視点では、使いやすさ・分かりやすさ・親切さなどユーザーへの配慮、安全・安心・環境への配慮、ユーザーからの共感、創造性を誘発するデザインであるかが問われます。産業的視点では、新技術や新素材の利用、合理的な設計、新産業・新ビジネスの創出への貢献が評価されます。
参考)GOOD DESIGN AWARD
社会的視点においては、持続可能な社会の実現への貢献、新たな作法やライフスタイルの創出、新たな価値の提案が重視されています。時間的視点では、過去の文脈や蓄積を活かした提案、中・長期的な持続可能性、時代に即した改善の継続性が審査されます。審査委員は「応募対象の現品を確認して判断する」ことを原則としており、テキストや画像だけでは伝わらない質感や使用感も重要な評価ポイントとなっています。2024年度の審査委員長は齋藤精一、副委員長は倉本仁と永山祐子が務め、101名の審査委員が審査に参加しました。
参考)2024年度グッドデザイン賞 受賞結果が発表。テーマは「勇気…
グッドデザイン賞を受賞した陶器・食器には、日常使いから特別な用途まで多様なアイテムが揃っています。波佐見焼の代表的ブランドである白山陶器は、1779年創業の歴史を持ち、1958年に現在の形となってから多数のグッドデザイン賞を受賞してきました。特に有名な「G型しょうゆさし」は1958年に森正洋によりデザインされ、60年以上にわたり製造が続けられているロングセラー商品です。「common」シリーズの飯碗やプレートは、シンプルで使いやすく、日常生活になじむデザインが高く評価されています。
参考)【楽天市場】グッドデザイン賞(ご飯茶碗|食器):食器・カトラ…
テーブルウェアの分野では、キッチン用品としての実用性と食器洗浄機対応などの機能性を兼ね備えた耐熱ガラス製品も受賞しています。2023年度には、陶器のような仕上がりながら軽くて割れにくい樹脂製食器「scoosy(スクージー)」が受賞し、子どもから高齢者まで使えるユニバーサルデザインが評価されました。また、環境配慮型の新素材「晟土(せいど)」を用いた肥前吉田焼の器シリーズ「uzra(うづら)」は、釉薬を使わずに焼成でき、CO₂排出量を約40%削減できる点が評価されています。これらの受賞食器は、デザイン性だけでなく機能性や環境への配慮も兼ね備えており、長く愛用できる食器選びの参考になります。
参考)“子どもから高齢者まで” ユニバーサルデザインをテーマとした…
グッドデザイン賞一覧を活用することで、専門家による厳正な審査を通過した信頼性の高い食器を効率的に選ぶことができます💡。受賞作品は単に見た目が美しいだけでなく、使いやすさ、安全性、環境への配慮など多角的に評価されているため、購入後の満足度が高い傾向があります。特に陶器や食器の場合、毎日使用するアイテムだからこそ、機能性と美しさの両立が重要です。グッドデザイン賞の審査では「使いやすさ・分かりやすさ・親切さなど、ユーザーに対してしかるべき配慮が行われているか」が厳しくチェックされており、日常使いでストレスを感じにくい設計になっています。
参考)グッドデザイン賞はどのようなデザインが受賞している?|201…
公式サイトの受賞ギャラリーでは、年度別やカテゴリー別に受賞作品を検索できるため、自分の好みやライフスタイルに合った食器を見つけやすくなっています。また、受賞理由や審査委員のコメントも掲載されているため、なぜその食器が優れているのかを具体的に理解した上で購入を検討できます。長年にわたって人々から支持され続けている商品には「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」が贈られており、流行に左右されない普遍的な価値を持つ食器を選ぶ際の指標となります。こうした情報を活用することで、一時的なトレンドに流されることなく、本当に自分に合った食器を見つけることができます。
参考)GOOD DESIGN AWARD
グッドデザイン賞受賞食器の中には、一見すると陶器に見えるが実は樹脂製という意外な製品があります🎭。2023年度に受賞した「scoosy(スクージー)」は、再生PET樹脂(回収したPETボトルを再生した樹脂)を使用しながら、陶器のような高級感ある仕上がりを実現しています。目で見たときは磁器かと思いきや、持ってみると軽くて磁器ではないことがわかるという驚きの設計で、落としても割れにくいため子どもがいる家庭でも安心して使えます。片方の内側がほんの少しえぐれている独自の形状により、最後のひとくちまできれいにすくい取ることができるという機能性も備えています。
2024年度には、新しい土鍋のカテゴリーとして「Shallow Pot」が受賞し、産地の諸課題に対する企業の取り組みも評価されました。また、WMFの泡立て器「ボウルウィスク」シリーズは、先端に大小11個のボールがついたユニークで機能的なデザインで、容器の隅や角にまで届くよう設計されており、ソースやマリネ液を素早く混ぜ合わせることができます。テーブルウェアの分野では、慣性モーメントに着目し、ティーポットを持ち上げる際の手の位置と重心の関係を工夫した製品が2024年に最優秀賞を受賞しており、日本の伝統文様である流水紋や瑞雲模様から着想を得た特徴的なハンドルを持っています。これらの受賞作品は、従来の食器の常識を覆す発想と技術の融合により生まれた革新的なデザインです。
参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000071377.html
近年のグッドデザイン賞受賞食器には、環境配慮と持続可能性を重視したトレンドが顕著に表れています🌱。2025年度に受賞したメラミン食器は、再生材を使用しながらも選別と再生材含有量調整により淡色や2色成形を実現し、環境への配慮と美しいデザインを両立させています。また、樹脂製食器では内側を抗菌塗装で仕上げることで衛生面にも配慮し、電子レンジや食器洗い機でも使える実用性の高さが評価されています。環境配慮型の新素材「晟土」を用いた器は、釉薬を使わずに焼成できるためCO₂排出量を約40%削減でき、不良となった商品も再利用できるという循環型の製造プロセスが注目されています。
参考)食器
ユニバーサルデザインの観点も重要なトレンドです👥。子どもから高齢者まで誰もが使いやすい設計、縁の太さに変化を持たせて内容物をすくいやすくする工夫、持ち上げなくても傾けなくても最後まですくえる形状など、細やかな配慮が施された食器が多く受賞しています。白山陶器のような伝統的な波佐見焼の技術を活かしつつ、現代的なシンプルでモダンなデザインに仕上げる手法も継続的に評価されており、時代に左右されない普遍的な美しさと機能性の追求がトレンドとなっています。これらのトレンドは、単なる外観の流行ではなく、社会課題の解決や生活の質の向上という本質的な価値を追求する方向性を示しています。
参考)「白山陶器」特集〜世代を越えて愛される、波佐見焼のトップブラ…
波佐見焼は約400年の歴史を持つ長崎県波佐見町の伝統的な陶磁器で、グッドデザイン賞受賞作品の中でも特に存在感を示しています🏺。白山陶器は波佐見焼のトップブランドとして、「使いやすく、生活の中になじむ器づくり」をモットーに、日常使いの食器を中心に製造しており、多数のグッドデザイン賞やロングライフデザイン賞を受賞してきました。「common」シリーズのプレートや飯碗は、シンプルで使いやすく、イエロー、ホワイト、グレー、ネイビーといったどの色も美しく、インスタ映えするデザインとして人気を集めています。
参考)皿・食器【毎日使えるグッドデザイン賞】使い勝手も抜群のおしゃ…
白山陶器の代表作「G型しょうゆさし」は1958年に森正洋によりデザインされ、安定感の良い底の形状と注ぎやすい工夫により、60年以上にわたって製造が続けられているロングセラー商品です。「リーブス・パスタプレート」は2005年にグッドデザイン賞を受賞しており、葉っぱの形に全体的なひねりを加えたアシメなデザインで、すくいやすい機能性とデザイン性を兼ね備えています。波佐見焼の魅力は、伝統的な技術を活かしながらも時代に左右されないモダンなデザインを追求している点にあり、北欧風な雰囲気も感じられることから、若い方から年配の方まで世代を超えて愛されています。白山陶器の製品は波佐見町のデザイン室でデザイン開発され、本社工場で製造されており、地域産業への貢献も評価されています。
参考)しょうゆさし
グッドデザイン賞を受賞したキッチン用品には、調理をラクにする工夫が詰まった製品が数多くあります🍳。2024年度に受賞したWMFの泡立て器「ボウルウィスク」は、ドイツNo.1キッチン&テーブルウェアブランドの製品で、長さが異なるワイヤーの組み合わせにより容器の隅や角にまで届く設計になっており、ソースやマリネ液、ドレッシングをムラなく素早く混ぜ合わせることができます。それぞれのワイヤーが独立しているため食材が絡みにくく、使用後のお手入れも簡単で衛生的に保つことができます。
サラダスピナーもグッドデザイン賞を受賞しており、分解して洗えてコンパクトに収納できる機能性が評価されています。バルミューダの電気ケトル「BALMUDA The POT」は、洗練された北欧風のデザインで優雅な曲線のフォルムが特徴的で、注ぎ口が細くなっているためコーヒーのドリップなどにも使いやすい設計です。キッチン用品の審査では、ステンレスのワイヤーと板金の組み合わせだからこそできる新しい機能と美しさが評価されるなど、素材選択と加工技術の工夫も重要なポイントとなっています。これらの受賞キッチン用品は、見た目の美しさだけでなく、毎日の調理を効率的にし、清潔に保つことができる実用性の高さが共通の特徴です。
参考)グッドデザイン賞のキッチン用品!おしゃれで便利な調理器具やキ…
長く愛用できる食器を選ぶには、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞受賞作品に注目することが有効です📅。この賞は長年にわたって人々から支持され続けている商品に贈られ、2025年度は11件、2024年度は12件が選出されています。白山陶器の「G型しょうゆさし」は1958年のデザイン以来60年以上製造が続けられており、時代を超えた
参考)GOOD DESIGN AWARD