脈石(みゃくせき、英語:gangue)は、鉱床に産する鉱物のうち、経済的に無価値であるため採掘の対象とならない鉱物のことを指します。鉱石とともに鉱床に存在しながらも、精錬や利用の対象にならない不用部分として、選鉱工程で除去されるのが通常です。
重要な点は、脈石と鉱石の区別が絶対的ではなく、採掘技術の水準や鉱業の経済状況によって常に変動するということです。例えば、一般的には脈石とされる石英でも、それを目的として採掘される場合は鉱石となります。同じ鉱床でも、異なる時代の異なる技術水準で評価されると、価値が大きく変わる可能性があります。
主要な脈石鉱物には、石英、方解石、蛍石(ほたるいし)、石膏、緑泥石、ざくろ石、菱マンガン鉱、重晶石などが挙げられます。金属鉱床に伴いやすいこれらの鉱物は、選鉱学において無価値とされることが多いですが、実は鉱床探査の重要な手掛りになります。
特に興味深いのは、鉱床のタイプごとに特定の脈石を伴いやすいという特徴です。例えば、金属鉱脈には石英が伴いやすく、この石英脈の発見が有用な鉱床の存在を示唆することがあります。地質学者は鉱床探査時に、これらの特定の脈石鉱物の存在パターンを指標として利用し、隠れた鉱床を発見する手がかりにします。
選鉱とは、採掘した原鉱から脈石を分離し、有用な鉱物(精鉱)を濃縮するための物理的操作です。このプロセスにおいて、脈石そのものが無価値でも、その種類や粒度が重要な役割を果たします。
脈石が選鉱効率に影響する理由は、目的とする有用鉱物と脈石の分離可能性にあります。「単体分離」と呼ばれる状態では、有用鉱物と脈石が粒子として完全に分かれており、機械的に分離できます。逆に、この状態に達していない場合は「片刃」という状態となり、選鉱が困難になります。そのため、目的の粒径に達するまで鉱石を粉砕する際に、脈石の存在が処理時間と設備投資に直接影響してくるのです。
鉱脈を形成する鉱物のうち、黄銅鉱のように有用金属を含む鉱物を「鉱石鉱物」といい、石英のような有用金属を含まない鉱物を「脈石鉱物」と呼びます。しかし、これらの判別は簡単ではなく、特に野外での調査では経験と知識が必要です。
現地での判別には、硬度テストが有効です。例えば、石英脈と方解石脈は見た目では区別しにくいですが、ナイフで傷をつけると判別できます。石英は硬度が高くナイフで傷がつきませんが、方解石は軟らかく傷がつきます。また、方解石に希塩酸をかけると炭酸塩反応で発泡しますが、石英は反応しません。こうした簡易的な鑑定法により、現地では脈石と鉱石鉱物を区別しています。
脈石が鉱石に変わる可能性は、技術発展に大きく依存しています。かつて経済的価値のない脈石とされていた鉱物が、新しい採掘技術や製錬方法の開発により、後に有用な資源として再評価されるケースがあります。
この動的な価値変化は、資源利用の歴史においても顕著に現れています。例えば、複合金属鉱床では、主目的鉱物の採掘技術進化に伴い、以前は脈石だった副産物が経済的価値を持つようになることがあります。また、産業ニーズの変化や新しい用途の開発によっても、脈石の価値評価は変わります。鉱業企業は、鉱床評価の際にこうした将来の可能性を考慮し、今日の脈石が明日の資源になる可能性を見据えて事業戦略を立てています。
Wikipedia「脈石」:脈石の基本定義と鉱床における役割について
コトバンク「脈石」:複数の信頼できる辞書による脈石の定義と特徴の解説
JOGMEC鉱業関係用語集:鉱業専門用語としての脈石の技術的説明

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