メタホウ酸温泉効能と殺菌作用の美肌効果

メタホウ酸を豊富に含む温泉は日本各地に点在し、殺菌・消毒作用により皮膚の健康維持に役立つとされています。切り傷の治癒促進や肌の新陳代謝など、意外な効果も報告されていますが、具体的にどのような仕組みで肌に働きかけるのでしょうか?

メタホウ酸温泉の効能

メタホウ酸温泉の主な特徴と効能
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強力な殺菌・消毒作用

ホウ酸に似た弱い殺菌作用を持ち、ニキビや皮膚炎などの皮膚トラブルの改善に効果を発揮します

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創傷治癒の促進

切り傷ややけどなど、肌のダメージを回復させる働きがあり、皮膚の再生をサポートします

肌の新陳代謝促進

肌のターンオーバーを助け、古い角質を効果的に除去することで健やかな肌環境を整えます

メタホウ酸温泉の殺菌・消毒効果

 

メタホウ酸は温泉成分の中でも特に注目される非解離成分の一つで、弱いながらも優れた殺菌・消毒作用を持つことが知られています。この成分は医療用のホウ酸水に似た性質を持ち、結膜嚢の洗浄・消毒にも使用されるほどの効果があります。温泉療養の分野では、ニキビや軽度の皮膚炎、あせもなどの皮膚トラブルの改善に期待が持たれています。

 

参考)【温泉】メタホウ酸。抗菌作用で肌を清潔に保つ「皮膚トラブル改…

温泉法で定められたメタホウ酸の基準値は5mg/kgですが、日本各地の温泉にはこれを大きく上回る含有量を誇る施設が存在します。新潟県の松之山温泉では、基準値の50倍以上となる287.4mg/kgものメタホウ酸が含まれており、日本三大薬湯の一つとして知られています。さらに岩手県の新安比温泉では5,479.0mg/kgという驚異的な含有量が記録されており、全国トップクラスの濃度を誇ります。

 

参考)松之山温泉の特徴とその楽しみ方 ─日本三大薬湯としての泉質と…

この殺菌効果は温泉全体の泉質、特にpH値や硫黄などの他成分との相乗効果によってさらに高まると考えられており、細菌が原因となる皮膚トラブルに対して肌を清潔に保つ効果に優れています。徳島の神山温泉では92.6mg/kgのメタホウ酸が含まれ、ナトリウム塩化物泉と炭酸水素泉の効果を併せ持つ珍しい泉質として評価されています。

 

参考)神山温泉 成分表

メタホウ酸による皮膚の治癒促進メカニズム

メタホウ酸は切り傷ややけどなど、肌のダメージを回復させる働きを持つことが報告されています。この治癒促進効果は、メタホウ酸が皮膚に対して持つ特殊な作用によるものです。草津温泉では抗菌作用のあるホウ酸の含有量が日本一とされ、切り傷ややけど、慢性皮膚病、慢性婦人病などに効果があるとされています。

 

参考)日本三大温泉とはどこにある?泉質・効能・おすすめ観光ポイント…

松之山温泉の研究では、高濃度のメタホウ酸が塩化物泉の適応症に加えて消毒作用をもたらし、切り傷などに抜群の効力があると考えられています。豊富温泉では皮膚科医によって「メタホウ酸の消毒効果、マグネシウムの炎症鎮静効果が高い濃度で含まれ、アトピーや乾癬に有効な温泉は他に類を見ない」と評価されています。

 

参考)泉質・効能

健康な皮膚からはホウ酸成分がほとんど吸収されませんが、火傷部位や湿疹などの開放性創傷がある場合には容易に吸収される特性があります。これにより、損傷した皮膚組織に対してピンポイントで作用し、効率的な治癒をサポートする仕組みとなっています。新潟県の貝掛温泉では24.0mg/kgのメタホウ酸を含む透明度の高い温泉水が眼病に効果があるとされ、目薬のような作用を持つことから「目の温泉」として知られています。

 

参考)貝掛温泉

メタホウ酸と美肌成分メタケイ酸の相乗効果

メタホウ酸単独でも効果的ですが、美肌成分として有名なメタケイ酸と両方含まれている温泉では、さらに高い美容効果が期待できます。メタケイ酸は主に肌の保湿・再生効果に優れ、天然の保湿成分であるセラミドを整えて肌の水分を保つ働きがあります。一方、メタホウ酸は肌を清潔に保つことに特化しており、この2つの成分が同時に含まれることは珍しいとされています。

 

参考)ー珍しい温泉成分ー

松之山温泉では、メタホウ酸が基準値の50倍以上の270.0mg、メタケイ酸が基準値の3倍を超える170.0mgも含まれており、両成分の相乗効果が期待できます。メタケイ酸は肌の新陳代謝(ターンオーバー)促進にも効果があり、古い角質がスムーズに剥がれ落ち、新しい肌細胞への生まれ変わりを促すため、くすみ改善やハリのある肌へと導きます。

 

参考)松之山温泉のちから - 新潟県・松之山温泉 ひなの宿 ちとせ

つまり、メタケイ酸が肌のコンディションを「整える」役割を果たし、メタホウ酸が肌を「清潔に保つ」役割を担うという、異なる得意分野を持つ成分が協力し合うことで、総合的な美肌効果を実現しているのです。この違いを理解することで、自分の肌の悩みに合わせた温泉選びが可能になります。

メタホウ酸高含有温泉の地質学的背景

メタホウ酸を豊富に含む温泉は、その成因が地質学的に興味深い特徴を持っています。水溶型ホウ素鉱床として経済性を期待できる温泉は、マグマ活動が深く関与していることが研究で明らかにされています。ホウ素の本源が堆積岩にあるとしても、鉱床形成にはマグマの活動が重要な役割を果たしています。

 

参考)https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/85_06_03.pdf

北海道の豊富温泉では、地温勾配が4.56℃/100mと高く、温泉に含まれるメタホウ酸およびHCO3-(炭酸水素イオン)の起源には伏在するマグマが関与していると考えられています。マグマが地表または地下浅処で固結する際、ホウ素は他の揮発性物質とともに放散され、これが温泉水に溶け込むことで高濃度のメタホウ酸を含む温泉が形成されます。

世界的には、アルゼンチンのサルタ地方、チリのアタカマ砂漠、ペルー砂漠、中国の遼寧省や西蔵自治区などの塩湖にもホウ素鉱物が多産しており、火山活動との関連性が指摘されています。日本では特に火山地帯や地熱活動の活発な地域にメタホウ酸高含有温泉が分布する傾向があり、地球内部のエネルギーが温泉の成分組成に大きな影響を与えていることがわかります。

 

参考)https://www.oyo.co.jp/pdf/technology_annual/2013_02.pdf

メタホウ酸温泉の正しい入浴方法と注意点

メタホウ酸を含む温泉の効能を最大限に引き出すためには、適切な入浴方法を守ることが重要です。温泉療養を始める場合、最初の数日間は1日あたり1回程度の入浴とし、その後は1日あたり2~3回までとすることが推奨されています。入浴時間は入浴温度により異なりますが、初めは3分から10分程度とし、慣れるに従って延長してもかまいません。

 

参考)https://www.spa-hoshina.jp/notice.pdf

入浴前の注意として、食事の直前・直後及び飲酒後の入浴は避けるべきです。高齢者、子供及び身体の不自由な人は、1人での入浴は避けることが望ましく、浴槽に入る前には手足から掛け湯をして温度に慣らすとともに、身体を洗い流すことが大切です。特に起床直後の入浴時などは脱水症状にならないよう、あらかじめコップ一杯程度の水分を補給しておくことが重要です。

 

参考)温泉分析書

入浴後の注意点として、身体に付着した温泉成分は温水で洗い流さず、タオルで水分を拭き取り、着衣の上で保温及び30分程度の安静を心がけることが推奨されています。ただし、湯ただれを起こしやすい体質の人は、入浴後に真水で身体を洗うか、温泉成分を拭き取ることが望ましいとされています。高血圧症や心臓病の人、脳卒中を経験した人は42℃以上の高温浴は避け、心肺機能の低下している人は全身浴よりも半身浴または部分浴が適しています。

 

参考)https://www.hakone-kairai.jp/onsen_analysis-sheet_250408.pdf

温泉療養開始後3日~1週間前後に、倦怠感や不眠、消化器症状などの「湯あたり」症状が現れることがありますが、この間は入浴回数を減じるか入浴を中止し、症状の回復を待つことが大切です。浴槽から出る時は立ちくらみを起こさないようにゆっくりと出ること、めまいが生じたり気分が不良になった時は近くの人に助けを求めつつ、頭を低い位置に保ってゆっくり出て横になって回復を待つことが推奨されています。

 

参考)https://www.spa.or.jp/img_pdf/L150010004.pdf

松之山温泉公式サイト
メタホウ酸高含有温泉として有名な松之山温泉の詳細な成分情報や温泉の特徴について確認できます。

 

日本温泉協会
温泉の正しい入浴方法や各種温泉成分の効能について、専門的かつ信頼性の高い情報ついて、専門的かつ信頼性の高い情報が掲載されています。

 

 


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