黒泥急須の選び方と常滑焼の魅力

黒泥急須は陶芸愛好家に人気の茶器ですが、選び方や手入れ方法を知らないと本来の魅力を引き出せません。朱泥との違いや製法、長く使うためのポイントを詳しく解説しますが、あなたは間違った洗い方で急須を壊していませんか?

黒泥急須の魅力と選び方

黒泥急須は洗うとき素手で中に手を入れると網を破損させます。


参考)急須(菊形 粉引き・黒泥)/南景製陶園


この記事の3つのポイント
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黒泥急須の製法の違い

朱泥をいぶして黒くしたものと、黒泥土を使ったものがあり、見分けにくい場合も多い

マットな黒の魅力

炭化焼成という焼き方で赤土が黒く変化し、落ち着きのある独自の風合いを生み出す

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正しい手入れ方法

素手で中を洗わず、たわしやスポンジを押し込まないことで網を破損から守る

黒泥急須の朱泥との違いと製法


黒泥急須には大きく分けて2つの製法があります。1つ目は朱泥をいぶして黒くする方法、2つ目は黒泥土そのものを使って作る方法です。


常滑焼の急須で有名な朱泥ですが、窯によっては同じ朱泥をいぶして黒くしている急須があります。一方、黒泥を使って作られている急須も存在し、見分けられるものと見分けにくいものがあるのが実情です。


どちらも黒い仕上がりですね。


炭化焼成という独自の焼き方によって、赤土が黒く変化することでマットブラックが実現します。この技術は南景製陶園の3代目である荒木照彦さんが生み出したもので、「黒くすべ」と名付けられています。


参考)黒と白のスタイリッシュな急須の裏側[南景製陶園]荒木照彦さん…


陶土に鉄分を含む黒泥は、焼成後も独特の風合いを保ちます。表面に黒く斑が出る場合もありますが、これは原材料に鉄粉の入った陶土を使用しているためで、商品の風合いとして楽しめる特徴です。


参考)https://search.kakaku.com/%E6%80%A5%E9%A0%88%20%E9%BB%92%E6%B3%A5%20%E5%B8%B8%E6%BB%91%E7%84%BC%20%E8%8C%B6%E5%99%A8/


黒泥急須の容量と使い勝手

黒泥急須の容量は製品によって異なりますが、一般的に230cc~390ml程度のものが多く流通しています。230ccの急須なら約70ccの湯呑み3杯分を淹れられる計算です。


参考)玉光 黒泥切立 ビリ急須|和食器通販|織部 Online S…


390mlの容量があれば4人家族で一度に全員分のお茶を注ぐことができます。家族の人数や使用シーンに合わせて選ぶのが基本です。


参考)常滑焼の急須おすすめ5選♪ 特徴やおいしく飲める仕組みも (…


重さについては、製品によって大きく異なります。平網タイプは軽く、帯網タイプはずしりと重く感じる傾向があります。持ち心地の好みは個人差があるため、実際に手に取って確認するのがおすすめです。


参考)常滑焼の急須を購入したくて、さがしています。急須の持ち心地や…


内側には底網タイプのステンレス製茶こしがはめ込まれているものが多く、茶葉の広がりを妨げず細かな茶葉もきれいに漉せます。湯切れが良く注ぎやすさも魅力の一つで、日常使いに適した機能性を備えています。


黒泥急須の手入れで避けるべき行動

黒泥急須の手入れには注意すべきポイントがいくつかあります。まず、急須の中にたわしやスポンジを押し込んで洗わないでください。


網の破損の原因になります。



素手で急須の中を洗うことも避けるべきです。茶こし部分を傷つける可能性があるため、柔らかい布やスポンジを使って優しく洗うのが原則です。


洗浄には中性洗剤を使いましょう。


研磨剤付きスポンジ、金属たわし、クレンザー等の使用は器を傷つける恐れがあるため禁止です。特にマットな黒泥の表面は傷が目立ちやすいので、柔らかい素材で優しく扱うことが大切です。


器をしまう際はよく乾燥させてください。湿気を含んだまま置いておくとカビやにおいの原因になります。使用後は水気をしっかり拭き取り、風通しの良い場所で保管するのが長持ちさせるコツです。


急冷や急加熱は破損の原因となるため避けましょう。強い衝撃や落下により破損する恐れがあるので、取り扱いには十分注意が必要です。


黒泥急須のデザインと使う場面

黒泥急須の魅力は、落ち着きのあるマットな黒がテーブルに凛とした印象を添えてくれる点にあります。お茶の色も美しく映える一品で、シンプルなデザインが日常に溶け込みます。


「急須は、どこまでいっても、道具なんですよ」と南景製陶園の荒木さんは語ります。主役はお茶であり、急須はその脇役として機能することが重要です。


つまり道具の本質ということですね。


菊の花びらのようにゆるやかに波打つフォルムの「菊形急須」など、見た目の美しさと使いやすさを兼ね備えた製品もあります。時間とともに貫入が入り風合いが増していく粉引きタイプと違い、黒泥タイプは安定した色合いを保ちます。


家族での団欒、友人や親しい人とゆっくりお茶を飲む、あるいは一人でも楽しめる場面を生み出すのが急須の役割です。黒泥急須は、そうした日常のお茶時間を豊かにする道具として、機能性と美しさを備えています。


黒泥急須を選ぶ際の独自視点

黒泥急須を選ぶ際、産地による違いに注目すると新たな発見があります。常滑焼が有名ですが、越前焼の黒泥急須も存在します。越前焼は他の六古窯に比べて規模が小さく知名度が低いものの、独自の魅力を持っています。


参考)急須 黒泥 越前|ズレタこ


越前焼は店頭で見かけることが少ないため、知る人ぞ知る存在です。常滑焼とは異なる土の質感や焼き上がりの雰囲気を楽しめるため、陶芸に興味がある人にとっては探求する価値があります。


珍しい産地ほど面白いですね。


また、「万事急須」という刻印にも注目してみてください。南景製陶園の急須全てに刻まれているこの4文字は、「急須があればお茶を淹れられる、何事もなんとかなる」というメッセージを込めたブランド名です。


作り手の思想が器に込められている点は、量産品にはない魅力です。シンプルなデザインの背後にある「自分が欲しいと思う急須」を追求した姿勢は、使い手にとっても共感できるポイントでしょう。


深蒸し茶専用の黒泥急須も存在します。茶葉の種類に合わせた急須選びをすることで、お茶本来の味わいを最大限に引き出せます。


参考)深むし用急須 黒泥白花 - お茶の福本園


南景製陶園の黒泥急須の製法や背景について詳しく知りたい方は、荒木照彦さんのインタビュー記事が参考になります
黒泥急須の具体的な仕様や使い方については、伝所鳩の商品ページで詳細な情報が確認できます




常滑焼 柏陽 小丸 急須 黒泥 ライン Y865