トチの実食べ方:アク抜き方法と陶芸用トチの選び方

トチの実の安全な食べ方とアク抜き方法、そして陶芸で使うトチ(道具)の選び方まで詳しく解説します。初心者が知らずに失敗しやすいポイントは何でしょうか?

トチの実食べ方と陶芸用トチの基礎知識

アク抜き不足のトチの実を食べると腹痛や嘔吐を引き起こします。


この記事の3つのポイント
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トチの実の正しいアク抜き

最低7日間の水さらしが必要で、途中で水を毎日交換しないと毒性が残ります

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陶芸用トチの役割

焼成時に作品同士や棚板との癒着を防ぐ必須道具で、材質選びで仕上がりが変わります

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初心者が陥る失敗

トチの粉が不均一だと作品底に跡が残り、最悪の場合は棚板ごと破損します

トチの実とは何か:食用と陶芸の違い


トチの実はトチノキ科の木の実で、縄文時代から日本人が食べてきた伝統食材です。一方、陶芸の世界では「トチ」は焼成時に使う耐火性の粉末や板状の道具を指します。


名前は同じでも全く別物ですね。


食用のトチの実は直径3~4cm(ピンポン玉よりやや小さい)の茶色い堅果で、栗に似た外観をしています。アク(サポニン)が強く、そのままでは食べられません。適切に処理すれば、でんぷん質が豊富で栄養価の高い食材になります。


陶芸用のトチは、アルミナ質の耐火材料です。粉末状のものは「トチ粉」、板状のものは「トチ板」と呼ばれます。焼成温度1200~1300℃に耐え、釉薬が溶けても癒着しない特性を持ちます。


トチの実の食べ方:基本の下処理手順

トチの実を安全に食べるには、7日以上のアク抜き作業が必須です。この工程を短縮すると、サポニンという毒性成分が残り、腹痛や嘔吐の原因になります。


基本的な下処理の流れは以下の通りです。


📌 トチの実のアク抜き手順

  • 外皮を剥いて実を取り出す(軍手必須、樹液でかぶれる)
  • 鍋で2時間ほど茹でて渋皮を柔らかくする
  • 渋皮を剥いて白い実にする(爪楊枝を使うと効率的)
  • 流水に7~10日間さらす(毎日水を交換)
  • 木灰や重曹を加えた水に2~3日浸ける
  • 最後に真水で1日さらして完成

水温が高いほどアクが抜けやすいですが、夏場は水が腐りやすいので注意してください。冷蔵庫で保管するか、1日2回の水替えが安全です。


昔ながらの方法では、川の流れに網袋を沈めて10日ほど放置する「川さらし」も行われました。現代では難しいので、バケツに水を張って毎日交換する方法が一般的です。


岐阜県の公式サイトにトチの実の伝統的な処理方法が詳しく記載されています

陶芸用トチの種類と使い分け

陶芸で使うトチには大きく分けて3種類あり、焼成温度や作品の形状によって使い分けます。選択を誤ると作品が棚板に癒着したり、底に跡が残ったりします。


トチの種類と特徴

  • トチ粉(アルミナ粉):最も一般的で、茶碗や皿の底に薄く敷く。粒子が細かく跡が目立ちにくい
  • トチ板(耐火板):平らな板状で、大皿や平鉢を載せる。厚さ5~10mmが標準
  • トチ玉(ドーナツ状):丸い形状で穴が開いており、花瓶など底が小さい作品向け

価格は500gのトチ粉で800~1500円程度です。陶芸教室で初めて作品を焼く場合は、教室のトチを使えることが多いので、個人購入は慣れてからで問題ありません。


粒度の選び方も重要で、細目(200メッシュ程度)は跡が目立ちにくいですが、粗目(60メッシュ程度)は釉薬の癒着防止効果が高くなります。本焼き(1230℃以上)では細目、素焼き(800℃前後)では粗目が使いやすいですね。


トチの実を使った郷土料理:とち餅の作り方

アク抜きしたトチの実で作る「とち餅」は、岐阜県や長野県の山間部に伝わる伝統食です。独特の風味とモチモチした食感が特徴で、栗きんとんに似た味わいがあります。


作り方の基本は、アク抜きしたトチの実ともち米を混ぜて蒸し上げます。割合はトチの実1に対してもち米3が標準的です。


とち餅の手順を簡単に説明します。アク抜き済みのトチの実を細かく刻み、もち米と一緒に一晩水に浸します。翌日、水気を切ってせいろで40分ほど蒸します。蒸し上がったら熱いうちに杵でつき、餅状にします。


通常の餅より硬くなりやすいので、つきたてを食べるのがベストです。保存する場合は小分けにして冷凍すれば1ヶ月ほど持ちます。


栄養面では、トチの実100gあたりのでんぷん質は約60gで、タンパク質も5g程度含まれます。カロリーは栗と同程度の160kcal前後ですね。ビタミンB1やミネラルも豊富で、昔は貴重なエネルギー源でした。


陶芸でトチを使う理由:焼成時のトラブル防止

焼成中に釉薬が溶けて棚板と作品が癒着すると、作品が取れなくなったり、無理に剥がすと底が割れたりします。


この事故を防ぐのがトチの主な役割です。


電気窯で1230℃まで温度が上がると、釉薬はガラス状に溶けて流動性を持ちます。作品底に釉薬が付いていると、その部分が棚板とくっついてしまいます。


トチ粉を底に敷くことで、釉薬とアルミナの間に化学反応が起きにくくなり、癒着を防げます。アルミナの融点は約2000℃なので、陶芸の焼成温度では溶けません。


つまり物理的なバリアとして機能するわけです。


実際の使い方は簡単で、作品の底にトチ粉を軽く振りかけるだけです。厚さは1mm以下で十分で、多すぎると粉が作品に焼き付いて跡が残ります。


棚板にもトチ粉を薄く敷くと、より安全です。特に釉薬が垂れやすい作品(掛け分けや厚掛け)の場合は、二重の対策として棚板にも散布しておくと安心ですね。


陶芸材料メーカーの日陶科学が、トチの正しい使用量と注意点を図解で説明しています

トチ粉の再利用方法と保管のコツ

一度使ったトチ粉は、汚れていなければ再利用できます。ただし、釉薬が混じったものは癒着防止効果が落ちるので廃棄してください。


焼成後、棚板に残ったトチ粉をブラシで集めます。目の細かいふるいで振るって、大きなゴミや釉薬のかけらを取り除きます。きれいな粉だけを密閉容器に戻せば、次回も使えます。


保管時の注意点は湿気対策です。トチ粉は吸湿しやすく、固まると使いにくくなります。シリカゲルを一緒に入れておくか、密閉性の高い容器(タッパーやジップロック)で保存すると長持ちします。


使用期限は特にありませんが、3~5年経つと粒子が劣化して効果が落ちることがあります。


色が黒ずんだり、異臭がしたら交換時期です。


コスト削減を考えるなら、トチ板の方が経済的な場合もあります。初期投資は1枚2000~5000円と高いですが、20~30回は繰り返し使えます。表面が荒れてきたら、サンドペーパー(#100程度)で削り直せば復活しますね。


トチの実採取時の注意点と見分け方

自分でトチの実を採取する際は、毒性のあるクヌギの実やドングリと間違えないよう注意が必要です。外見が似ているため、誤食事故が毎年数件報告されています。


トチの実の特徴は、表面がやや光沢のある茶色で、サイズはピンポン玉より少し小さい程度です。


殻にトゲはなく、表面が比較的滑らかです。


クヌギの実(ドングリ)は細長く、サイズも2cm程度と小さめですね。


採取時期は9月下旬から10月中旬です。木から自然に落ちたものを拾うのが基本で、木を揺すったり登ったりするのは危険です。トチノキは高さ20~30m(ビル7~10階相当)に成長するため、落下物でケガをする可能性もあります。


採取場所は国有林や私有地でないことを確認してください。無断採取は森林法違反や不法侵入に当たる可能性があります。公園や河川敷でも、管理者に許可を取るのがマナーです。


陶芸初心者がトチで失敗しやすいポイント

トチ粉の使い方で最も多い失敗は、粉を厚く敷きすぎることです。作品底に白い粉の跡がくっきり残り、見た目が悪くなります。


適量は「うっすら見える程度」で、手のひらに粉を取って軽く振りかける程度で十分です。


目安は1作品あたり小さじ半分以下ですね。


多すぎると感じたら、刷毛で軽く払って調整してください。


もう一つの失敗は、作品底の釉薬を拭き取らずにトチを使うケースです。底に釉薬が残っていると、トチを使っても癒着する可能性があります。焼成前に必ず底を確認し、濡れたスポンジで釉薬を完全に拭き取ってください。


拭き取る範囲は底から5mm程度です。


高台の内側まで拭く必要はありません。


拭きすぎると釉薬が薄くなり、色ムラの原因になります。


トチ板を使う場合の失敗は、板の表裏を間違えることです。使用面(ざらざらした面)を上にしないと、癒着防止効果が落ちます。何度も使っていると両面とも汚れるので、マジックで印をつけておくと便利ですね。




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