酸化亜鉛日焼け止め効果と鉱物由来の紫外線対策成分

酸化亜鉛配合の日焼け止めは、鉱物由来の成分で紫外線を反射・散乱させる仕組みを持っています。敏感肌にも優しく、広範囲の紫外線カット効果を発揮しますが、使用感や選び方にはどのような特徴があるのでしょうか?

酸化亜鉛日焼け止めの効果と特徴

酸化亜鉛日焼け止めの主な特徴
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広範囲の紫外線防御

UVAとUVBの両方を反射・散乱させ、ロングUVAにも対応可能な波長カバー範囲(290nm~400nm)を持つ

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鉱物由来の安全性

紅亜鉛鉱(ジンカイト)から精製される天然鉱物由来成分で、肌への刺激が少なく敏感肌にも使える

皮脂吸着でテカリ防止

皮脂を吸着する性質により、化粧崩れやテカリを防ぎ、メイク下地としても活用できる

酸化亜鉛の紫外線散乱メカニズムと鉱物特性

 

酸化亜鉛は、亜鉛を高熱で酸化させて作られる白色の微粒子粉末で、日焼け止めにおいては「紫外線散乱剤」として機能します。この成分は肌の表面で紫外線を反射・散乱させることで、紫外線が肌に侵入するのを物理的に防ぎます。化学的な紫外線吸収剤とは異なり、熱エネルギーへの変換がないため、肌への刺激が非常に少ないという特徴があります。

 

参考)紫外線散乱剤に含まれている酸化亜鉛・酸化チタンの安全性は?日…

天然の酸化亜鉛鉱物は「紅亜鉛鉱(ジンカイト)」と呼ばれ、主にアメリカのニュージャージー州フランクリン鉱山などで産出されます。閃亜鉛鉱や菱亜鉛鉱などの亜鉛鉱石から精製される酸化亜鉛は、化学組成がZnOという非常にシンプルな構造を持ちながら、日焼け止めとして優れた性能を発揮します。純度が高くなるほど透明性が増すという性質があり、これが化粧品用途での使い勝手の良さにつながっています。

 

参考)紅亜鉛鉱 - Wikipedia

酸化亜鉛の最大の特徴は、その広範囲な紫外線対応波長です。酸化チタンの対応波長が290nm~350nm程度なのに対し、酸化亜鉛は290nm~400nmと広く、特に肌の深部まで到達して光老化の原因となるロングUVA(340nm~400nm)まで防御できる点が優れています。

 

参考)【皮膚科専門医が解説】SNSで話題の「酸化亜鉛は肌に良くない…

酸化亜鉛日焼け止めのSPF・PA値と配合濃度

酸化亜鉛の紫外線防御効果は、配合濃度によって変化します。一般的に、酸化亜鉛を5%配合した場合、期待されるSPF値は約4~7程度、10%配合では約8~14程度となります。化粧品への配合は全体量の20%まで可能とされており、酸化チタンと組み合わせる場合は全体の3~5%の範囲が推奨されています。

 

参考)ミクロ粒子・酸化亜鉛の販売

SPF値は主にUVBを遮蔽する指標であり、この点では酸化チタンの方が効果的です。一方、PA値はUVAを遮蔽する目安となるため、酸化亜鉛の使用がPA値を高める点で特に効果的とされています。酸化亜鉛は低濃度でも高いSPF・PA値を実現できるため、白浮きを抑えながら高い紫外線防御効果を得られるという利点があります。

 

参考)https://www.soc.co.jp/sys/wp-content/themes/soc/assets/pdf/csr/ultraviolet.pdf

市販されている酸化亜鉛配合日焼け止めの多くは、SPF50+・PA++++という国内最高値の製品が豊富にあります。これらの製品では、酸化亜鉛単独ではなく、他の紫外線防御成分と組み合わせることで、高い防御効果と使用感の良さを両立させています。

 

参考)酸化亜鉛フリーの日焼け止めおすすめ25選!ドラッグストアで買…

敏感肌向け酸化亜鉛日焼け止めの選び方

酸化亜鉛は敏感肌や子供用の日焼け止めに長年使われてきた実績があり、紫外線吸収剤に比べて肌への負担が少ない成分です。特に「ノンケミカル」と表示された製品は、紫外線吸収剤を使わず酸化亜鉛や酸化チタンなどの紫外線散乱剤のみを使用しています。

 

参考)【ノンケミカル日焼け止め】酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄の特徴…

敏感肌の方には、酸化チタンよりも酸化亜鉛の方が推奨される場合があります。酸化チタンは金属アレルギーになりにくく低刺激性が高いという利点がありますが、酸化亜鉛は広範囲の紫外線対応と透明性の高さで優れています。ただし、日焼け止めに含まれる酸化亜鉛は通常シリカやシリコーンでコーティング処理が施されているため、直接肌に触れることはありません。

 

参考)https://www.laroche-posay.jp/dermclass/article-040.html

酸化亜鉛フリーの日焼け止めも市場には多く存在します。これらは肌の乾燥や毛穴詰まり、撥水性による落としにくさを気にする人に向いていますが、酸化亜鉛の高い紫外線カット力や皮脂吸着効果は得られません。選択の際は、自分の肌質や使用目的に合わせて判断することが重要です。

 

参考)酸化亜鉛フリーの日焼け止めおすすめ18選!敏感肌におすすめの…

酸化亜鉛と酸化チタンの違いと併用効果

酸化亜鉛と酸化チタンは、どちらも紫外線散乱剤として日焼け止めに使用される酸化金属ですが、その特性には明確な違いがあります。

 

参考)ノンケミカルとは?紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い、日焼け止…

特性 酸化亜鉛 酸化チタン
対応波長範囲 290nm~400nm(ロングUVA対応) 290nm~350nm
透明性 高い(白浮きしにくい) やや低い(白浮きしやすい)
金属アレルギー性 起こりやすい 非常に起こりにくい
SPF効果 中程度 高い
PA効果 高い 中程度
皮脂吸着効果 あり 弱い


酸化亜鉛は対応波長の広さと透明性に優れ、低濃度でも高いSPF・PA値を実現できます。一方、酸化チタンは金属アレルギーになりにくく、安定性が非常に高いという特徴があります。

 

参考)https://ameblo.jp/rik01194/entry-12335296709.html

両者を併用することで、それぞれの長所を活かした日焼け止めを作ることが可能です。酸化チタンと酸化亜鉛を同時に使用すると、紫外線カット力がさらに増し、UVAとUVBの両方に対する防御効果が向上します。実際の製品開発では、全体の3~5%の範囲で両者を組み合わせることが推奨されており、白浮きを抑えながら高い紫外線防御効果を実現しています。

酸化亜鉛日焼け止めの鉱物愛好家向け豆知識

酸化亜鉛の原料となる亜鉛鉱石には、いくつかの種類があります。最も代表的なのは閃亜鉛鉱(ZnS、亜鉛含有量67%)で、亜鉛製錬の主要な鉱石として使われています。その他に、ウルツ鉱(ZnS、67%)、菱亜鉛鉱(ZnCO₃、52%)、異極鉱(Zn₄Si₂O₇(OH)₂・H₂O、54%)などがあります。

 

参考)亜鉛とは href="https://jlzda.gr.jp/zinc/about" target="_blank">https://jlzda.gr.jp/zinc/aboutamp;#8211; 日本鉱業協会 鉛亜鉛開発需要センタ…

天然の酸化亜鉛鉱物である紅亜鉛鉱(ジンカイト)は、結晶として産出することが非常に稀です。アメリカのニュージャージー州にあるフランクリン鉱山とスターリングヒル鉱山は、多くの蛍光鉱物とともに紅亜鉛鉱の顕著な産地として知られています。天然産出がほとんどない理由は、亜鉛が高温で蒸発しやすい性質を持つためです。

 

参考)合成石でも希少「ジンカイト」|炎のような色彩を持つ亜鉛鉱物の…

純度の高い紅亜鉛鉱は透明性が高く、導電性を持つため、液晶ディスプレイの部品材料や発光ダイオードなどの発光デバイスへの応用も研究されています。天然石ショップで「紅亜鉛鉱(ジンカイト)」を見つけたら、それはアメリカで採掘された貴重な鉱物であり、特に透明度の高いものは非常に希少です。

 

参考)亜鉛(Zn)−種々の鉱石と二つの製錬法

日本における亜鉛鉱山は、神岡(岐阜)、中竜(福井)、細倉(宮城)、小坂(秋田)、花岡(秋田)、豊羽(北海道)などが主要な産地でしたが、1990年代にほとんどが廃山となり、2006年3月に最後の豊羽鉱山も操業を停止しました。現在、日本は亜鉛鉱石のすべてをオーストラリア、ペルー、アメリカなどからの輸入に頼っています。

 

参考)元素別鉱石(鉛・亜鉛鉱):山口大学工学部 学術資料展示館

参考リンク:皮膚科専門医による酸化亜鉛の詳しい解説と安全性についての情報
参考リンク:酸化亜鉛の紫外線防29_1_028.pdf">参考リンク:酸化亜鉛の紫外線防御機能についての技術資料(PDF)

 

 


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