�櫛目陶芸とは技法道具模様作り方

櫛目は陶芸の装飾技法として弥生時代から使われていますが、正しい使い方を知らないと作品を台無しにする可能性があります。道具の選び方から模様の作り方、失敗しないコツまで詳しく解説します。あなたの作品を美しく仕上げる秘訣とは?

櫛目陶芸の基本技法

乾燥させすぎると櫛目は綺麗に入りません。


この記事のポイント
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櫛目とは装飾技法の一つ

櫛状の道具で粘土に模様をつける技法で、弥生時代から現代まで使われ続けています

道具は木製とステンレス製が主流

用途や作品の雰囲気に合わせて櫛目道具を使い分けることで表現の幅が広がります

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タイミングが成功の鍵

粘土の柔らかさと水分量が適切でないと美しい櫛目模様は作れません

櫛目陶芸とは何か


櫛目(くしめ)は、櫛状の道具を使って粘土表面に平行線や波状の模様をつける装飾技法です。日本では弥生時代中期から使われており、現代でも多くの陶芸家が愛用しています。


参考)櫛描きの技法


この技法の魅力は、単純な道具で複雑な視覚効果を生み出せる点にあります。直線的な櫛目は作品にリズム感を与え、波状の櫛目は動きのある表情を作り出します。人間国宝の濱田庄司も櫛目を用いた作品を数多く残しており、塩釉櫛目藍差茶碗などが知られています。


参考)浜田庄司(作) 塩釉櫛目藍差茶碗  共箱


櫛目は他の装飾技法と組み合わせることで、さらに表現の幅が広がります。例えば刷毛目や布目と併用すると、作品に奥行きと複雑さが生まれます。


これが基本です。



参考)陶芸:櫛目(くしめ)・布目・刷毛目の使い方


櫛目陶芸に使う道具の種類と選び方

櫛目道具には主に木製とステンレス製の2種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。


参考)[陶芸の専門店]陶芸.com ステンレス櫛目(100x70m…


木製の櫛目道具は、温かみのある柔らかい線が特徴です。粘土への食い込みがマイルドで、優しい印象の模様を作れます。一方、ステンレス製の櫛目道具は耐久性が高く、シャープで均一な線を引けます。サイズは100×70mm程度が標準的で、櫛の幅は3mm、5mm、10mmなど複数のバリエーションがあります。


道具選びでは、作りたい作品のサイズと雰囲気を考慮することが重要です。大きな壺や皿には櫛幅が広いものを、小さなカップには細かい櫛目を選ぶと、バランスの良い仕上がりになります。価格は1,000円程度からあり、初心者でも手に入れやすい道具です。


素材と幅で印象が変わります。


櫛目模様の作り方とコツ

櫛目模様を美しく仕上げるには、粘土の状態とタイミングが最も重要です。


まず、粘土が柔らかいうちに櫛目をつけることが大前提です。粘土が乾燥し始めると、櫛目を入れた際に表面がひび割れたり、櫛が粘土に引っかかって綺麗な線が引けなくなります。理想的なタイミングは、成形直後から数時間以内、粘土表面がまだしっとりとしている状態です。


櫛目を入れる際は、一定の圧力と速度で道具を動かすことがコツです。圧力が不均一だと線の太さがバラバラになり、速度が安定しないと波打った印象になってしまいます。初めは直線的な模様から練習し、慣れてきたら波状や螺旋状の模様に挑戦すると良いでしょう。


練習あるのみですね。


櫛目は、回転ロクロを使いながら入れることもできます。ロクロを回転させながら櫛目道具を当てると、均一で美しい同心円状の模様が生まれます。この技法は特に皿や鉢などの平面的な作品に適しています。


櫛目陶芸で失敗しないための注意点

櫛目装飾で最も多い失敗は、粘土の乾燥度合いを見誤ることです。


乾燥しすぎた粘土に櫛目を入れると、表面がひび割れたり、粘土が剥がれたりします。特に薄手の作品では、櫛目を入れる際の圧力で変形してしまうリスクもあります。これを防ぐには、作業中に霧吹きで適度に水分を補給し、粘土の柔軟性を保つことが有効です。


逆に、粘土が柔らかすぎる状態も問題です。水分が多すぎると、櫛目の線がぼやけてしまい、シャープな模様になりません。粘土を指で軽く押したときに、跡が残るが崩れない程度の硬さが適切です。


道具の角度も重要です。櫛目道具を粘土表面に対して垂直に当てると、深くシャープな線が入ります。斜めに当てると浅く柔らかい印象の線になります。作品のイメージに合わせて角度を調整しましょう。


角度で表情が変わります。


櫛目と他の装飾技法との組み合わせ

櫛目は単独でも美しいですが、他の装飾技法と組み合わせることで、より豊かな表現が可能になります。


刷毛目との組み合わせは特に人気があります。まず刷毛目で粗い質感を作り、その上から櫛目を入れると、2つの異なるテクスチャが重なり合って複雑な視覚効果が生まれます。この技法は、民芸陶器でよく見られる表現方法です。


布目との併用も効果的です。布目で柔らかい印象を作った後、部分的に櫛目を加えることで、作品にアクセントをつけられます。例えば、カップの胴体部分に布目を使い、縁の部分だけ櫛目を入れると、メリハリのあるデザインになります。


釉薬との相性も考慮する必要があります。櫛目の溝に釉薬が溜まると、色の濃淡が生まれて立体感が増します。透明釉や淡い色の釉薬を使うと、櫛目の模様がより際立ちます。塩釉を使った櫛目作品は、独特の質感と色合いで知られています。


組み合わせで表現が広がります。


櫛目陶芸の歴史と現代での活用

櫛目技法の歴史は古く、日本では弥生時代中期から使われてきました。


古代の土器には、櫛目による装飾が数多く見られます。当時は単なる装飾だけでなく、土器を識別するための記号としても機能していました。時代が下ると、櫛目は美的表現の手段として洗練されていきます。


現代陶芸でも、櫛目は重要な装飾技法として位置づけられています。人間国宝の濱田庄司は、櫛目を用いた作品で民芸陶器の美を追求しました。彼の作品は、伝統的な技法を現代的な感性で再解釈した好例です。


今日では、初心者からプロまで幅広い層が櫛目技法を活用しています。陶芸教室でも基本的な装飾技法として教えられており、道具も手頃な価格で入手できます。SNSでは、櫛目を使った独創的な作品が数多く共有され、新しい表現方法が日々生まれています。


古くて新しい技法です。


櫛目の魅力は、シンプルな道具で無限の表現ができる点にあります。直線、波線、螺旋、格子など、櫛の動かし方次第で様々なパターンを作り出せます。これからも、櫛目技法は陶芸の世界で重要な役割を果たし続けるでしょう。


櫛描きの技法について詳しい解説があります(陶芸技法の専門サイト)
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