陶器を洗わずそのまましまうと、数千円の器が臭いのする廃棄品になります。
「うつわ屋まほろ」は、神奈川県横浜市港北区菊名2-8-20、東急東横線の妙蓮寺駅から徒歩約7分の住宅街に静かに佇む器のセレクトショップです。店主の清野さんはもともとデザインの仕事に携わっており、妙蓮寺に戻るタイミングで元々は車庫だったスペースをデザイン事務所兼セレクトショップとして活用し始めたのがお店の出発点でした。
当初は「style select shop まほろ」という名称で、器だけでなく和の雑貨や食べ物も扱う"お土産が買えるお店"を目指していたといいます。それが少しずつ変化し、清野さんが経営を主導するようになった頃から「作家ものの器に特化していこう」という方向性に転換。現在の「うつわ屋まほろ」というスタイルが確立されました。
つまり、今のまほろは清野さんが約10年かけて育ててきたセレクトショップです。
店名の「まほろ」には、ヤマトタケルが詠んだ古歌「倭(やまと)は 国の真秀(まほ)ろば」に由来する「大和は国の中で一番良いところ」という意味が込められています。「うちで器を買って、家にまほろば(素晴らしい場所・住みやすい場所)を作ってほしい」という清野さんの想いが、店名にそのまま反映されているのです。いいことですね。
清野さん自身も料理好きで、「新しい器を買って、使う瞬間ってすごくワクワクする」と語っています。毎日の料理が当たり前になっている人も、新しいうつわひとつで料理へのモチベーションが変わるという体験を、お店を通じてたくさんの人に届けたいという思いが感じられます。
現在、うつわ屋まほろでは約200名の作家と繋がりがあるとされています。200名というのは、単純に言えば全国47都道府県に平均4〜5名の繋がりがある規模感です。それだけ幅広いネットワークを持ちながら、清野さんは「自分の目で確認してから取り扱う」という姿勢を一貫して崩しません。
SNSで繋がりができた作家さんの器でも、必ず実物を見て確認してから店頭に並べるかどうかを判断しているといいます。これが原則です。
取り扱う器のジャンルは、陶器・磁器・ガラスを中心に、職人が作る民芸のうつわ、木工や漆芸などクラフトアイテムにも及んでいます。清野さんがセレクトで大切にしているのは「飾ってもいいし、ちゃんと普段の食卓でも使える」というバランス感覚です。
たとえば、割れているようなデザインの器や、一見アート作品に見えるような大胆な表現でも、日常の一汁三菜の食卓にちゃんと馴染むかどうかを見極めてから仕入れています。これは使えそうです。
また、展示によっては若手の作家さんを多く取り扱うよう意識しているとも語っています。「新しい作家さんたちが展示できる場を作りたい」という発信の場としての役割も、まほろが担っていることがわかります。過去に個展や展示会を行った作家には、フルカワゲンゴ(群馬県桐生市在住・1967年生まれ)や芳賀稔などがいます。芳賀さんは「焼き物という行為が本質的に持つ不可逆性」をテーマにした表現で、器好きから注目される作家です。
作家を探す手段も興味深く、最初は陶器市や大阪で開催される「灯しびとの集い」といった直接作家と出会えるイベントに足を運んでいたといいます。最近はSNSで繋がりができることも増えてきたそうですが、「実物を見ないと何とも言えない」というスタンスは変わっていません。
うつわ屋まほろ 後編:作家との出会い・店名の由来(けのまち)
うつわ屋まほろでは、月1〜2回のペースで展示会が開催されています。2025年は年間を通して15回の展示会が実施されたというInstagramの投稿も確認されています。15回というのは、およそ3〜4週間に1回の頻度で新しい展示が始まる計算で、訪れるたびに異なる顔を見せてくれるお店です。
中には毎年同じ作家さんが個展を開くケースもあり、常連のお客様にとってはそれ自体が年間の楽しみになっているようです。花道家とのコラボレーションによるInstagramライブなど、器と暮らしを掛け合わせた企画も行われています。
展示会の期間は通常10日前後で設定されることが多く、作家本人が在廊する日程も設けられています。在廊日には直接制作の背景や素材へのこだわりを作家から聞けるため、器の選び方に迷う人にとっては特に価値ある時間となるでしょう。展示は在廊日が条件です。
展示会のスケジュールはInstagram(@maholo__)や公式オンラインショップのお知らせページで随時更新されています。遠方で来店が難しい場合は、インスタグラムのDMでの問い合わせにも対応しているとのことです。海外からも購入できますね。
訪れる前にSNSをチェックしておくことで、お目当ての作家の展示期間に合わせて訪問できます。展示会の混雑が気になる方は、平日(月・木・金)の来店がおすすめです。
うつわ屋まほろの所在地は〒222-0011 神奈川県横浜市港北区菊名2-8-20、TEL:045-402-5211 です。最寄り駅は東急東横線の妙蓮寺駅で、東口から徒歩約6〜7分。お寺(大豆戸町の方向)へ向かって歩いていくとアクセスできます。バスを利用する場合は「菊名南町」バス停から徒歩約1分という立地です。
営業時間は、平日が12:00〜18:00、土日・祝日が11:00〜18:00。定休日は火曜・水曜・木曜の週3日です。ただし展示会の開催中は木曜日も11:00から営業するケースがあるため、訪問前にInstagramやオンラインショップのお知らせ欄で最新の営業状況を確認しておくのが確実です。
意外ですね、と感じる人も多いのが「妙蓮寺駅を初めて降りた」というお客様が多い点。まほろ目当てに、東横線沿線以外、世田谷エリアなど1回乗り換えで来店する方も相当数いるそうです。
来店客の中心層は20代後半〜40代前半ですが、高校生・大学生も訪れ、1万円前後の器を購入していくケースもあるといいます。また飲食店のオーナーやフードスタイリストなど、仕事として器を求めてくる方も多く、幅広い客層に支持されています。
駐車場についての案内は公式サイトに明記されていないため、車でのアクセスを考えている場合は近隣のコインパーキングを事前に調べておくことをおすすめします。最寄りの妙蓮寺郵便局周辺に時間貸しパーキングがあります。
まほろで気に入った陶器の器を購入したあと、目止めをせずにそのまま使い始めると、数回の使用で色や臭いが染み込んでしまうことがあります。これが基本です。
陶器には目に見えない無数の小さな孔(気孔)があります。焼き締めの甘い陶器の場合、この孔から食材の油分・色素・臭いが吸い込まれやすく、一度染み込むと洗っても取り除けない汚れになることがあります。そのため、陶器を使い始める前に「目止め」と呼ばれる処理が推奨されています。
目止めの方法は比較的シンプルで、お米のとぎ汁(または片栗粉を溶かした水)に器を入れ、弱火で10〜15分ほど煮沸するのが一般的です。でんぷん質が表面の孔を埋めてくれるため、使い続けても汚れが入り込みにくくなります。目止めは1回で十分とは言えず、半年に1回ほどの定期的なケアが効果的です。
ただし、目止めが必要かどうかは陶器の種類によって異なります。釉薬がしっかりかかっているものや、高温で焼き締めた器の場合は不要なこともあります。購入時に作家さんや店舗スタッフに確認するのが最善策です。
使用後のケアも重要です。陶器は使い終わったらなるべく早く洗い、食器棚にしまう前に十分乾燥させることが長持ちの秘訣です。完全に乾かさないまましまうと、カビや臭いの原因になります。痛いですね。
また、食洗機の使用については、作家ものの陶磁器は手洗い推奨のものが多く、食洗機の高温・強水流でひびが入ったり釉薬が剥がれたりするリスクがあります。まほろで購入した際は、各作品の取り扱い方法を必ずスタッフに聞いておくと安心です。
やきものの使い方・お手入れ手帖(cotogoto):目止めの詳しい手順が参考になります
うつわ屋まほろには実店舗のほかに、公式オンラインショップ(maholo.net/shop)が用意されています。「カタチで選ぶ」「作り手で選ぶ」「価格帯で選ぶ」という3つの切り口から商品を検索できる設計になっており、初めての人でも目的の器を探しやすい構造です。
オンラインショップでは陶器・磁器・ガラスを中心とした作家ものに加え、木工や漆芸などのクラフトアイテムも取り扱っています。国内はもちろん、中国・オーストラリアなど海外への発送実績もあります。海外在住でも購入できますね。
コロナ禍の時期には1日で10個以上が売れることもあり、月に約300個のオンライン販売をこなしていたといいます。300個というのは、1日平均10個ほどの出荷に相当するペースで、ハンドメイドの器を扱うセレクトショップとしては驚異的な数字です。
遠方で来店が難しい場合は、Instagramのアカウント(@maholo__)へのDMでも問い合わせ対応をしているとのことです。展示会の期間中は作品の写真や在庫状況がInstagramで随時更新されるため、気になる作品があれば展示期間中にDMで問い合わせるのが効率的です。
オンラインショップの更新タイミングは、新着商品や展示会情報のお知らせページと連動していることが多く、定期的にチェックしておくと購入チャンスを逃しません。気になる作家さんがいれば、作り手で絞り込んで新着をこまめに確認することをおすすめします。
うつわ屋まほろ 公式オンラインショップ(maholo.net)

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