オールドカントリーローズ ティーカップの魅力とロイヤルアルバートの歴史

ロイヤルアルバートを代表するオールドカントリーローズ ティーカップは、1億ピース以上販売されたベストセラーです。モントローズシェイプの特徴や、ボーンチャイナの美しさ、お手入れ方法まで詳しく解説しますが、あなたのティータイムにこの逸品を加えてみませんか?

オールドカントリーローズ ティーカップとは

オールドカントリーローズの魅力
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世界最大の生産数

1962年の誕生以来、総生産1億ピース以上を誇る世界最大のベストセラーシリーズです

究極のモントローズシェイプ

紅茶を最も美味しく飲むために設計された特別な形状を採用しています

伝統のスティプル装飾

スポンジで金彩をぼかす独自の技法により、華やかながら品格のある仕上がりです

オールドカントリーローズ ティーカップの誕生背景

ロイヤルアルバートのアートディレクター、ハラルド・ホールドクロフトが1962年にデザインしたオールドカントリーローズは、イギリスの国花であるバラをモチーフにした傑作です。深紅のバラとティーローズの温かみを組み合わせ、輝くピンクの高貴さを添え、緑を使うことで花をさらに柔らかい印象に仕上げています。過去に使用されていた「キングスランサム」というパターンを基に新たに創作され、英国の庭園に咲くバラを描いたエレガントなシリーズとして世界中で愛されるようになりました。
参考)https://antique-tableware.com/collections/%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2

 

1962年の発売以降、他のどの白磁のテーブルウェアのパターンより多く、単一デザインで総生産1億ピース以上が世界中で販売されており、ロイヤルアルバートを代表する世界最大生産数のベストセラーとなっています。バーガンディ(赤紫色)、ピンク、イエローの優美なバラが見事に咲いた様子を描いており、英国式の庭園のようなタイムレスな華やかさを感じさせてくれます。リッチな金の点描と洗練された金の縁取りでデザインを完成させており、ディナー、ティー、コーヒーセット、さらには贈答品や更紗を含むデコレーションにも使われています。
参考)【オールドカントリーローズ買取(ロイヤルアルバート)】におけ…

 

オールドカントリーローズ ティーカップのモントローズシェイプの秘密

オールドカントリーローズのティーカップに採用されている「モントローズシェイプ」は、紅茶を最も美味しく飲むための究極のシェイプと謳われており、上半分が横に向かって広がっているのが特徴です。この形状には科学的な理由があり、紅茶はできあがり時の温度が非常に熱いため、表面積部分を稼ぎ、空気と触れる面を増やすことで速く冷まして飲むことができるよう設計されています。
参考)https://ameblo.jp/sweet-planets/entry-11634065294.html

 

モントローズシェイプの下半分はウエストから丸くふくらんでおり、この部分の対流で紅茶の温度とうまみを保てるようになっています。洋ナシ型のボディは、きゅっとすぼまったウエストと丸まったお尻の部分で対流を生み、紅茶が冷めにくい構造を実現しています。高台(スカート)はソーサーから直接熱が奪われにくくなり、ソーサーからの冷気が伝わるのを防ぐという非常に重要な役割を担っています。紅茶を冷めすぎず適温で楽しみたいというわがままな願いを叶えるために考えられた、まさに「究極のシェイプ」と呼ぶに相応しい逸品です。
参考)ロイヤルアルバートオールドカントリーローズ ティーカップ&ソ…

 

オールドカントリーローズ ティーカップの独自装飾技法

オールドカントリーローズの大きな特徴の一つが、金彩の装飾に用いられる「スティプル(スティンプル)装飾」という独自の技法です。通常の筆を使わず、金を含ませたスポンジパッドで叩きながら付着させていく手法で、これは他の陶磁器メーカーにはないロイヤルアルバート独自の技術です。この技法により、金彩がぼかされた柔らかな印象となり、華やかながら品格の高さをさらに引き立たせる効果を生み出しています。
参考)フリーダイヤル

 

ボーンチャイナの純白の生地に、バーガンディ、ピンク、イエローのバラが鮮やかに咲き乱れる様子が描かれ、そこにリッチな22金の点描と洗練された金の縁取りが加わることで、贅を尽くした英国の伝統を感じさせる独特な高級感とクラシカルな雰囲気が生まれています。透き通るような美しいボーンチャイナをベースに、金彩の縁取りと華やかなバラの絵柄が印象的で、絵柄がカラフルでありながら決して派手さやけばけばしさを感じさせない、清楚な雰囲気が特徴として挙げられます。
参考)ロイヤルアルバート|ティーカップが人気の洋食器ブランド

 

オールドカントリーローズ ティーカップのボーンチャイナ素材

オールドカントリーローズのティーカップは、最高級の磁器であるボーンチャイナで作られており、イギリス製です。ボーンチャイナは18世紀にイギリスで誕生した磁器の一種で、牛の骨を焼いてできた灰(骨灰)を原料に使うことから「骨灰磁器」と呼ばれています。骨に含まれる鉄分が少ない牛の骨が使用され、リン酸カルシウムの含有率がJIS規格では30%以上、イギリスでは35%以上と定められています。
参考)ロイヤルアルバート ROYAL ALBERT オールドカント…

 

ボーンチャイナの特徴は、温かみのある乳白色の色調と、リン酸カルシウムの作用による特有の透光性です。通常の磁器に比べて美しい光沢があり、絵具が釉薬に溶け込んで鮮やかに発色するという優れた特性を持っています。一方で、骨灰分が多く可塑性が低いため成形の難易度が高く、収縮率が大きいため焼成の難易度も高いという特徴があります。ボーンチャイナが最高級の磁器と言われ、通常の磁器よりも価格帯が高いのは、こうした生産の難易度の高さが理由です。透明感のある美しさと軽量さ、そして強度を兼ね備えたボーンチャイナは、オールドカントリーローズの華やかなデザインを最大限に引き立てています。
参考)ロイヤルアルバートについて アンティークショップMALTO

 

オールドカントリーローズ ティーカップのギフト活用とコレクション価値

オールドカントリーローズのティーカップは、誕生日や記念日などの特別な機会に最適なギフトとして高い人気を誇っています。ヴィンテージ愛好家、紅茶愛好家、ロイヤルアルバートコレクターへの心のこもったギフトとしても最適で、象徴的なオールドカントリーローズパターンは時代を超えた美しさで愛されており、あらゆるヴィンテージ陶磁器コレクションに印象的なアクセントを加えます。アフタヌーンティー、ディスプレイ、またはビンテージなホームインテリアの一部として使用する場合でも、このティーカップとソーサーは、あらゆる場所に優雅さと魅力を加える逸品です。
参考)https://www.etsy.com/jp/listing/1012893960/royal-albert-old-country-roses-teacup

 

買取市場においても、オールドカントリーローズは安定した評価を受けています。食器買取でのオールドカントリーローズの買取相場は、カップ&ソーサー1客あたり大体500円~1000円前後までの買取価格が期待でき、複数客をまとめての買取であれば1万円以上の買取価格になるケースも多いです。カップ&ソーサーの他、プレートやティーポット、シュガーボックスなどの食器も幅広く展開されているため、一式でまとめて査定に出されることで買取価格も上がりやすくなります。世界的に有名なシリーズであるため、コレクション価値も高く、長く愛用できる食器として多くの人々に選ばれています。
参考)【ロイヤルアルバート】オールドカントリーローズ買取なら|【日…

 

オールドカントリーローズ ティーカップのお手入れと保管方法

オールドカントリーローズのティーカップは、ボーンチャイナという繊細な素材で作られているため、適切なお手入れが長く美しさを保つために重要です。基本的なお手入れとしては、柔らかい布でほこりを払い、装飾など細かくてなかなかホコリがとれない部分は、柔らかい毛のブラシで丁寧にお掃除することが推奨されています。使用後は速やかに洗浄し、中性洗剤を使って優しく手洗いすることで、金彩やデリケートな絵柄を守ることができます。
食器洗浄機の使用は、金彩や絵柄を傷める可能性があるため避けることをおすすめします。洗浄後は柔らかい布で水気をしっかりと拭き取り、自然乾燥させることで、水垢やシミの発生を防ぐことができます。保管する際には、カップとソーサーの間に柔らかい布やフェルトを挟むことで、傷やダメージを防ぐことができます。使用中にできる小傷は避けられませんが、ヒビや欠けが生じないよう、丁寧な扱いを心がけることが大切です。
アンティークやヴィンテージのオールドカントリーローズを購入する際は、状態のチェックが重要です。欠け、ひび割れがないか、金彩の縁取りと花柄に摩耗や傷の跡がないかを確認することで、より良い状態のものを選ぶことができます。製造時に焼染みや色飛び、色抜けなどがあった場合は、裏のブランドマークのところに故意に引っかき傷(スクラッチ)が入れられることがあり、これはアウトレット品として扱われますが、どこが悪いのか探さねば分からない程度の良品も数多く存在します。適切な保管とお手入れを行うことで、世代を超えて受け継がれる美しいティーカップとして長く愛用することができます。

オールドカントリーローズ ティーカップで楽しむ英国式ティータイム

オールドカントリーローズのティーカップは、本格的な英国式ティータイムを自宅で楽しむための最適なアイテムです。モントローズシェイプという紅茶を最も美味しく飲むための究極のシェイプを採用しているため、紅茶の温度とうまみを最大限に引き出すことができます。カップの容量は約200mlで、口径は9.0cmと、紅茶を楽しむのに最適なサイズに設計されています。
英国式のアフタヌーンティーを楽しむ際には、オールドカントリーローズのティーカップ&ソーサーに加えて、同シリーズのケーキ皿(直径16cm)やトリオセット(カップ、ソーサー、ケーキ皿の3点セット)を揃えることで、より統一感のある優雅なティータイムを演出できます。ティーポット、クリーマー、シュガーボウル、ケーキスタンドなども同シリーズで展開されているため、フルセットで揃えることも可能です。
参考)オールドカントリーローズ antique brighton

 

紅茶を淹れる際には、沸騰したお湯で紅茶を淹れ、モントローズシェイプの特徴である上半分の広がりにより、飲む頃には適温まで冷めている設計を活かすことができます。下半分の丸みのある部分で対流が生まれ、紅茶の温度とうまみを損なうことなく長時間楽しめるため、ゆったりとした時間を過ごすことができます。ロイヤルアルバートのオールドカントリーローズは、まさに紅茶を愛する人々のためのテーブルウェアといっても過言ではありません。
参考)https://wabbey.net/blogs/blog/royalalbert

 

ロイヤルアルバートの歴史とオールドカントリーローズの栄誉

ロイヤルアルバートは1896年に創業したイギリスの陶磁器ブランドで、創業の翌年1897年にはヴィクトリア女王の即位60周年記念(ダイヤモンド・ジュビリー)の品を手掛けるという栄誉に浴しました。名前の由来はビクトリア女王の夫君であり英国の美術工芸に貢献したアルバート公と、女王の孫のアルバート・ジョージ皇太子の2人の名にちなんで命名されています。1904年には「ロイヤル」の称号を得て、その名声はますます高まりました。
参考)https://www.le-noble.com/event/luxury76/

 

1978年には、オールドカントリーローズの功績を讃えてエリザベス女王より表彰を受けるという栄誉を受けています。総生産1億ピース以上という記録的な数字を出し、生産数が世界最大となるベストセラーとなったことが評価されました。1970年代にはロイヤルドルトンの傘下となり、2015年にはロイヤルドルトンがフィスカース社に買収されWWRDグループホールディングスの一員となりました。
ロイヤルアルバートは「最も英国的な王室御用達のテーブルウェア」として世界50か国以上で愛され続けており、イギリス国花のバラを中心とした色鮮やかで華麗な花柄のデザインと、ふっくらとした曲線を描く独特のシェイプデザインが魅力です。筆を使わずスポンジでぼかすように施した金彩は独特の手法であり、贅を尽くした金のあしらい、金彩、ピュアホワイトの生地などが「最も英国的なテーブルウェア」とうたわれ、優美な英国調のスタイルで愛されています。一方で「誰もが楽しんで使えるボーンチャイナ」というポリシーをかかげ、テーブルウェアとしてはリーズナブルな価格の維持に努力してきたことも、世界でも多くの愛用者数を誇る理由となっています。