鋸歯文は弥生時代から墓に入れる器に描かれてきました。
鋸歯文(きょしもん)は、三角形を連続して並べた幾何学文様です。のこぎりの歯を横に並べたように見えることから、この名前が付けられました。
この文様は、シンプルな直線だけで構成されています。三角形の頂点を上下交互に配置することで、ギザギザとしたリズム感のある模様が生まれるのです。
つまり直線の組み合わせだけということですね。
デザインとしては、線で輪郭だけを描く「線鋸歯文」と、三角形全体を周辺より高く浮き上がらせる「突鋸歯文」があります。赤い顔料で輪郭を描いたり、三角形の内部を塗りつぶしたりする装飾も施されました。
陶芸作品に取り入れる際は、彫りや釉薬の色分けでこの文様を表現できます。シンプルな形状なので、初心者でも挑戦しやすい文様です。
鋸歯文は縄文土器の段階で既に存在していたという指摘があります。弥生時代から古墳時代にかけて、土器・銅鐸・銅鏡などに広く使われました。
参考)鋸歯文(キョシモン)とは? 意味や使い方 - コトバンク
古墳時代の銅鏡や埴輪には、鋸歯文が頻繁に描かれています。飛鳥時代や奈良時代の瓦にも、この文様が見られるのです。
これほど長く使われた文様は珍しいですね。
参考)古代の文様~鋸歯文(きょしもん): 「おや?」の蒐集帳
中国の漢代の青銅器にも鋸歯文が見られるため、日本には中国から渡来した可能性が指摘されています。しかし縄文土器に既に存在していたとする見方もあり、起源については議論があります。
銅鐸や銅鏡の文様は複雑で、鋸歯文の三角形の中に平行線を刻んだり、彩色を施したりする装飾も行われました。あなたの作品でも、三角形の内部にさらに模様を加えることで、オリジナリティを出せます。
鋸歯文は埋葬する死者を悪霊から守るための呪術的意味を持っていました。弥生時代から、埋葬品に描かれることが多かったのです。
この文様は龍蛇信仰に結びつき、身を守るものとしてあらゆる場面で使われてきました。興味深いことに、幽霊の描写で死者が頭に着けている三角の白い布も、この信仰から来ていると言われています。
魔除けが基本です。
三角形という形状自体が、世界各地で神秘的な意味を持つとされています。天地宇宙との融合や魔除けなど、三角文様は古くから愛されてきました。
参考)鋸歯文 : けろ企画
陶芸作品に鋸歯文を取り入れるなら、こうした歴史的背景を知っておくと深みが増します。器に込められた願いや祈りを意識することで、作品に物語性が生まれるでしょう。
鋸歯文は単独で使われるだけでなく、他の文様と組み合わせられることも多くありました。
青銅器の面に付けられることが多い文様です。
特に巴形渦巻文様とのセットが特徴的で、日本の特殊器台にも見られる組み合わせです。驚くことに、タイの肩帯にも巴形渦巻文と鋸歯文のセットが確認されています。
参考)https://junsei.ac.jp/conference/confe2007/syoroku/ke08.pdf
連珠文帯(連続した円形の模様)と組み合わせて、幅広い無文の縁に続いて鋸歯文と連珠文を巡らせる構成も見られました。
複数の文様を組み合わせるということですね。
参考)https://www.kurokawa-institute.or.jp/files/libs/652/201904281025549782.pdf
あなたの陶芸作品でも、鋸歯文を器の縁に配置し、胴体部分に別の文様を入れることで、視覚的なアクセントを作れます。文様の配置バランスを工夫すると、より洗練された印象になります。
鋸歯文は布の装飾にも使われてきました。更紗(さらさ)という布によく使われる意匠で、布の上下に描かれます。
バティック(ろうけつ染め)の用語では「kepala クパラ(頭の意味)」部分で「tumpal トゥンパル」模様と呼ばれています。直線的なギザギザだけでなく、柔らかな膨らみのあるストゥーパ型やキャンドル型に変化したデザインもあります。
変化が自由ということですね。
江戸時代に更紗が日本へ伝わった際、ギザギザ部分は大名の小袖の裾や袖口に効果的に使われました。舶来物として珍重された更紗は、当時のファッションリーダーたちにとって斬新なデザインでした。
陶芸作品では、器の口縁部や高台の周りに鋸歯文を配置すると、引き締まった印象になります。彫りの深さを変えたり、釉薬の色を三角形ごとに変化させたりすることで、モダンなアレンジも可能です。古代の文様を現代的に解釈することで、あなただけのオリジナル作品が生まれます。
鋸歯文の歴史的背景について詳しく知りたい方は、Wikipediaの鋸歯文の項目が参考になります

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