ラピスラズリ用途と加工方法:歴史から現代技術まで

深い青色が魅力のラピスラズリは、古代から顔料やジュエリーとして利用されてきました。その用途と加工方法には7000年以上の歴史があり、現代でも多彩な技術が使われています。あなたはラピスラズリの加工技術をどこまで知っていますか?

ラピスラズリ用途と加工方法

ラピスラズリの主な用途と加工技術
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顔料としての利用

ラピスラズリを粉末化し、ウルトラマリン顔料として絵画や壁画に使用。かつて金よりも高価な青色顔料でした。

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ジュエリー加工

カボションカットや研磨技術により、ペンダント、リング、ブレスレットなどの装飾品に加工されます。

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彫刻・装飾品

古代から印章、彫像、モザイク、装飾タイルなど多様な芸術作品の素材として活用されてきました。

ラピスラズリの歴史的用途と価値

 

ラピスラズリは7000年以上にわたり人類が利用してきた最古の宝石の一つです。紀元前5500年頃に作られたラピスラズリの装飾品が、パキスタン南部のメヘルガルにある新石器時代の墓で発見されており、その加工の歴史は非常に古いことが証明されています。古代エジプトでは、ツタンカーメン王の黄金のマスクにもラピスラズリが使われたと考えられており、王族や神官にとって神聖な石として扱われていました。

 

参考)https://archive.aramcoworld.com/ja/issue/201302/the.celestial.stone.htm

古代ローマでは、ラピスラズリは凹版彫刻やモザイクに使用され、メソポタミア人はこの貴重な石をシリンダーシールに加工しました。ペルシャでは装飾的なタイル細工に使用され、神の権威を伝えるために彫像の目にも使用されました。また、帝政ローマ時代の博物学者プリニウスは、ラピスラズリを「星のきらめく天空の破片」と呼び、その美しさを讃えました。

 

参考)https://www.gemselect-japan.com/japanese/other-info/about-lapis.php

ラピスラズリを砕いた粉末は、古代においてアイシャドウとして使われたり、肉体と魂を浄化する霊薬としても用いられました。この多様な用途は、ラピスラズリが単なる装飾品以上の価値を持つ鉱石として認識されていたことを示しています。

 

参考)ラピスラズリの意味・効果・浄化方法、購入|開運なび 天然石パ…

ラピスラズリから顔料への加工技術

ラピスラズリの最も有名な用途の一つが、ウルトラマリン顔料への加工です。この青色顔料は、中世ヨーロッパでは金よりも高価とされ、教会の壁画や写本の装飾に使用されました。ウルトラマリンの鮮やかさは、原料であるラピスラズリに含まれるラズライトの含有量に大きく左右されます。ラズライトの成分が多ければ多いほど、鮮やかなウルトラマリンに変化するのです。

 

参考)金よりも貴重と言われる顔料「ウルトラマリン」の作り方 - G…

顔料製造の工程は非常に複雑で、まずラピスラズリをハンマーで小さく砕き、その後すり鉢で粉状になるまで丁寧にすりつぶします。すりつぶす作業中は硫黄の匂いが発生しますが、これはラピスラズリに含まれる硫黄成分によるものです。さらに細かくすりつぶすほど青が深くなり、透明鉱物や不純物が分離されます。

 

参考)ラピスラズリ - Wikipedia

粉末状のラピスラズリを顔料として利用するには、細かいペーストに粉砕した後、天然樹脂とオイルを混合して安定した顔料を作成します。最終工程では、純度が高く重い粒子とそれ以外の不純物を分離させるために、容器の中に水を注ぎ入れて何度も洗浄します。容器の底にたまった顔料が深い青になるまでこの作業を繰り返すことで、高品質なウルトラマリン顔料が完成します。

天然ウルトラマリンの抽出技術に関する詳細情報(CAD-RED)

ラピスラズリのジュエリー加工方法

ラピスラズリをジュエリーに加工する際、最も人気のある技法の一つがカボションカットです。カボションカットとは、石の上部をなめらかなドーム状に整え、下部を平らまたはわずかな丸みがある形に研磨する技法で、ラピスラズリの独特の色と黄鉄鉱の内包物を際立たせることができます。この加工方法により、石の美しさが最大限に引き出されます。

 

参考)カボションカット

カボションカット加工の手順は、まずダイヤモンドヤスリで荒削りし、おおよその形を作ります。この作業には石の大きさや種類にもよりますが、おおよそ50~60分程度の時間を要します。次に耐水ペーパーを使って表面を研磨していきますが、目の粗い番手から始めて徐々に細かい番手に移行します。動画での研磨例では600番、1200番、1500番、2000番の耐水ペーパーが使用されており、この工程には約15~20分程度かかります。
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参考)気軽で楽しい原石磨き!インカローズでカボションカットを作ろう…

現代のジュエリー製作では、カボションカットだけでなく、ファセットカット(カット面を入れたデザイン)も人気があります。ファセットカットを入れることで、カボションカットよりも洗練された印象になり、ラピスラズリに含まれるパイライト(黄鉄鉱)の輝きが強調されます。また、様々な角度から光が当たることで、濃紺や明るいブルーなど多彩な青の表情を楽しむことができます。

 

参考)神秘の石 ラピスラズリの特徴と現代での活用|ジュエリーブラン…

ラピスラズリの産地と品質の関係

ラピスラズリの品質は、その産地によって大きく異なります。アフガニスタンのバダフシャン州にあるサリ・サング鉱山は、6000年以上の歴史を持つラピスラズリの最古の産地として知られており、現在も産出量世界一を誇っています。アフガニスタン産のラピスラズリは、深く濃い青色が均一に広がる最高品質として評価されており、古代エジプトやメソポタミアへと輸出されていました。

 

参考)ラピスラズリの魅力と基礎知識まとめ

アフガニスタンに次ぐ産地として知られるのが、南米チリのアンデス山脈に広がる鉱山です。チリ産のラピスラズリは、青色がやや明るく、カルサイト方解石)やパイライト(黄鉄鉱)の含有量が比較的多めな傾向にあります。中には、星空のような金の斑点が際立つ個体もあり、芸術的な印象を与える石として人気があります。

 

参考)瑠璃色の宝石・ラピスラズリの秘密|宝石品質の見極めから鉱物ま…

その他の産地としては、ロシア、ミャンマー、アメリカなどが知られていますが、アフガニスタン産のものが最高品質とされています。産地によって色の深さや内包物のバランスに違いがあり、それぞれに個性豊かな魅力があります。ラピスラズリは特定の地質条件下でしか生まれない非常に限られた宝石であるため、産地が品質や印象を左右する重要な要素となっています。

ラピスラズリを活用したDIYアクセサリー制作

ラピスラズリを使ったブレスレット作りは、初心者でも簡単に挑戦できるDIYアクセサリーとして人気があります。基本的な工程は、伸びるテグス(ゴム紐)に天然石を通していくだけのシンプルな作業なので、アクセサリー作り初心者の方でも気軽に作ることができます。必要な材料は、ラピスラズリのビーズ、伸びるテグス、ビーズ針、セロテープ、ハサミなどです。

 

参考)ラピスラズリの魅力や簡単なブレスレット作り方を紹介!

制作手順は次の通りです。まず、手首のサイズを測り必要な長さにテグスをカットします。次に伸びるテグスにセロテープを留めて、天然石が抜けないようにします。ビーズ針を使ってラピスラズリや好きな天然石を通していきますが、ラピスラズリとクラッククオーツなど他の天然石を組み合わせるとより個性的なデザインになります。

セロテープを外してゴムの両端を2~3度固結びし、強度が気になる方はテグスをもう一度天然石に通して二重にすると良いでしょう。最後にテグスを引っ張りながら、結び目を天然石の中に入れてテグスを切れば完成です。このように、特別な工具や高度な技術がなくても、自分だけのラピスラズリアクセサリーを作ることができます。

ラピスラズリのブレスレット作り方の詳細(パワーストーンブレスレット専門店)

 

 


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