100均のジャム入れにはおしゃれなものが多いですが、実は「食品を入れてはいけない」と記載された容器が同じ売り場に混在しており、使い方を間違えると健康被害につながるリスクがあります。
100均でジャム入れを探すとき、まず押さえておきたいのが「素材」と「容量」です。現在のダイソーでは、ジャム保存瓶として明示された商品が税込110円から販売されており、代表的なものには150mlと250ml(クラシックタイプ)の2種類があります。150mlは縦7.2cm×幅7.2cm×高さ6.7cmほど(ちょうど大人の手のひらに収まるくらいのサイズ)で、はちみつやバターと一緒に食卓に並べやすい小ぶりな設計です。250mlはやや大きく、9.5cm角ほどの存在感があります。
セリアでは、ドイツの老舗ガラス容器ブランド「WECK(ウェック)」のミニサイズが110円で手に入るのが特徴的です。サイズは30ml・60ml・75mlの3種類で、いずれもガラス製のフタとゴムパッキン付き。30mlはトーストに添える1食分のジャムや、スパイス入れにちょうど良いサイズです。75mlはヨーグルトや小さなデザートの器としても使えます。つまり「テーブルに出す小分けジャム入れ」として非常に優秀です。
また、セリアには「フルーツ柄 密封ジャー 180ml」(ソーダガラス製、フタはブリキ+ポリエチレン樹脂)といったおしゃれなデザインのものも展開されており、食洗機対応のタイプも確認されています。キャンドゥでもストロベリー柄などデザイン性の高いガラス保存瓶が「食品対応」として売られています。これは使えそうです。
ただし、各店舗の商品ラインナップは時期・地域・店舗によって大きく変わります。購入前に必ず商品パッケージの「食品対応」の記載と「素材」を確認することが基本です。
| 店舗 | 代表商品 | 容量 | 素材 |
|---|---|---|---|
| ダイソー | ジャム保存瓶(クラシック) | 150ml / 250ml | ソーダガラス |
| セリア | WECKキャニスター | 30ml / 60ml / 75ml | ガラス |
| セリア | フルーツ柄 密封ジャー | 180ml | ソーダガラス |
| キャンドゥ | ガラス保存瓶(デザイン系) | 各種 | ソーダガラス |
ダイソーには「食品や薬を入れないでください」と明記されたインテリア用のガラス瓶(220円前後)も同じエリアに並んでいることがあります。食品を入れる目的で選ぶ場合は、パッケージの注意書きを一字一句確認する必要があります。
100均で売られているジャム入れのほとんどは「ソーダガラス」製です。ソーダガラスは耐熱温度差が約80℃とされており、たとえば常温(約24℃)のガラス瓶に熱湯(100℃)をかけると、温度差が76℃となり、ギリギリ割れない計算になります。しかし冷蔵庫から出したばかりの瓶(約4℃)に熱湯を注げば温度差は96℃となり、割れる可能性が一気に高まります。
具体的にどう対処すればいいか? 煮沸消毒をするときは「水の状態から瓶を鍋に入れ、徐々に加熱する」ことが鉄則です。熱湯にいきなり瓶を入れるのが一番の危険です。また、消毒後の熱い瓶をすぐに冷水で冷やすのも同じくNGです。
陶器に興味がある方なら、ガラス瓶と陶器の違いを意識している方も多いと思いますが、ガラス瓶にも同様の「熱衝撃への脆弱性」があります。長期保存(3ヶ月〜半年以上)を目的とするなら、煮沸消毒と脱気の両方に耐えられる「耐熱対応の専用保存瓶」を選ぶほうが安全です。AllAbout(ガイド:関連リンク参照)によると、2週間程度で食べ切るものは中性洗剤でよく洗った密閉容器で冷蔵保存で十分、3ヶ月〜半年程度の保存なら煮沸消毒が必要とされています。
煮沸対応かどうかの確認は、購入前の確認が条件です。
ジャムを長期保存したい場合の参考リンクとして、煮沸消毒と脱気の正しい手順が詳しく解説されています。
白ごはん.com「ジャム瓶などの煮沸消毒と脱気のやり方」(水からの加熱手順・脱気方法を写真付きで解説)
陶器に興味があるなら、セリアの「インテリアポット 丸型」(材質:陶器、サイズ約11cm×3.5cm×8cm)のような商品に目が行くことも多いでしょう。しかし、この商品には明確に「装飾用」と記載されており、水にも対応していません。食品を入れる容器として使うのは、本来の用途外になります。
そもそも陶器は「多孔質」な性質を持っており、表面に無数の微細な穴があります。これが陶器特有の温かみある質感を生み出している一方で、水分や油分、食品の色素を吸収しやすいという特性もあります。ジャムのような糖分・酸性度の高い食品を長期間入れておくと、陶器の内部に染み込んだ成分が菌やカビの温床になることがあります。陶器はカビが生えやすいというのは、この吸水性が原因です。
もう一つの問題は密閉性です。ジャムの長期保存には空気との遮断が不可欠ですが、多くの陶器容器は「しっかり密閉できる構造」になっていません。開口部が広い陶器の器にジャムを入れた場合、冷蔵庫の開閉で空気が出入りするたびにカビの胞子が侵入するリスクが高まります。陶器はジャムの長期保存には向かない、が原則です。
では陶器の小物はどう使えばよいか? 陶器好きなら、食卓でジャムを「小皿に少量出す」ときの受け皿として活用するのがおすすめです。保存容器はガラス瓶、食卓に出すときだけ陶器の小皿や豆皿に移す、というスタイルが最も理にかなっています。陶器の美しさと機能性の高いガラス瓶を組み合わせると、食卓がぐっとおしゃれになります。
末石窯「陶器はカビが生えやすいのは本当?その理由や除去方法を解説」(陶器の多孔質構造とカビの関係を詳しく解説)
100均のおしゃれな瓶を選ぶとき、デザインやサイズばかりを基準にしていませんか? 実は見落とされがちなのが「食品衛生法」への適合です。食品衛生法では、食品を入れる容器・包装は有害物質が溶出しないことが義務付けられています。100均のガラス瓶の中には、インテリア用として販売されているものがあり、これらは食品衛生法上の溶出試験をクリアしていない可能性があります。
同じ売り場に食品対応品と非対応品が並ぶのは、100均の特徴的な状況です。これは知っておくべき事実です。ダイソーで確認されている例では、220円前後で販売されているおしゃれなデザインのガラス瓶のパッケージに「食品や薬を入れないでください」という記載があるケースが複数報告されています。このような瓶にジャムを入れてしまった場合、ガラスや釉薬成分に使われている鉛・カドミウムなどの重金属が微量でも溶出するリスクが考えられます。
確認方法はシンプルです。
陶器の食器類についても同様で、釉薬(うわぐすり)の成分が食品に溶出しないか確認されている「食品対応品」であることが前提です。特に海外製の安価な陶器には注意が必要です。100均の陶器製品は基本的に装飾用やインテリア用として分類されているケースが多く、ジャム保存容器としての使用は想定されていません。
食品衛生法の容器・包装規制については、厚生労働省の告示(昭和34年厚生省告示第370号「食品等の規格基準」)が基本的な根拠となっています。規制の詳細は以下を参照してください。
東京都保健医療局「食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度」(食品容器への規制の仕組みを解説)
陶器が好きな人にとって、キッチンや食卓の「見た目のトータルコーディネート」は大切なテーマです。では、機能性の高いガラス瓶と陶器の美しさを両立させるにはどうすればよいか? ここでは少し独自の視点から考えてみます。
ポイントになるのは「保存」と「演出」を分けることです。保存はガラス瓶の仕事、食卓での演出は陶器の仕事、という役割分担が最もうまく機能します。たとえば、ダイソーの150mlのジャム瓶にいちごジャムを保存し、朝食の食卓に出すときだけセリアの豆皿や小鉢にジャムを移し替えるスタイルがあります。磁器や白い陶器の小皿にのせると、ジャムの赤がより鮮やかに映えます。
100均のセリアで110円で手に入るWECKの30mlキャニスターは、このスタイルにぴったりです。ドイツ製の本家WECKはミニサイズで800円〜2,000円ほどしますが、セリア版なら1個110円で購入でき、3個並べても330円です。食卓に3種類のジャムを小分けして出すセットとして使えば、見た目は完全にカフェスタイルになります。
また、陶器の「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる釉薬のひび模様は、古くなった陶器の魅力の一つです。ただしその貫入の隙間は水分や色素を吸収しやすいため、ジャムのような酸性・着色性の高い食品が直接触れると、器が変色・劣化する原因になります。食卓に出すときも「ジャムを少量だけ移す→食べきる→すぐ洗う」という流れを習慣にすると、器を長持ちさせられます。これが条件です。
「保存瓶はシンプルで機能的なものを選び、食卓では陶器で演出する」というスタイルは、陶器好きの人がいちばん楽しめる使い方と言えるでしょう。

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