断熱煉瓦 選び方 用途 種類 陶芸 窯 築炉 失敗

断熱煉瓦は陶芸窯の築炉に欠かせない素材ですが、選び方や使い方を間違えると熱効率の低下や破損の原因に。耐火レンガとの違いや正しい使用箇所、モルタル調合まで詳しく解説します。陶芸愛好家が知っておくべきポイントとは?

断熱煉瓦 陶芸 窯 築炉

断熱煉瓦を窯の内側に使うと蓄熱されません
参考)石窯の素材 – 石窯を徹底的に解説するサイト


この記事の3ポイント要約
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断熱煉瓦と耐火煉瓦の違い

断熱煉瓦は温まりやすく冷めやすい断熱材。耐火煉瓦は蓄熱性があり暖まりにくく冷めにくい

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正しい使用箇所

窯の内側には耐火煉瓦、外側の保温層に断熱煉瓦を配置するのが基本構造

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選定ミスのリスク

使用温度に合わない煉瓦を選ぶと割れや変形が発生し、窯の寿命が大幅に短縮

断熱煉瓦 陶芸窯 基本的な役割

断熱煉瓦は陶芸窯の築炉において、窯の外側に配置して熱効率を高める役割を果たします。軽量で断熱効果が大きく、窯から外部への熱の逃げを防ぐ素材です。


窯の内側には耐火煉瓦、外側に断熱煉瓦という二重構造が高性能な窯の基本です。内側の耐火煉瓦が熱を蓄え、外側の断熱煉瓦がその熱を保温します。


参考)石窯作りに必要な耐火レンガ(煉瓦)とは。


ここで重要なのは、断熱煉瓦を窯の内側に使ってはいけないという点です。断熱煉瓦は断熱材なので、窯の中の熱が蓄熱されずに排気されてしまい、窯の性能が大幅に落ちます。


つまり窯の外側専用ということですね。



陶芸用品店では「耐火断熱レンガ(B-6)」などの名称で販売されており、主に自作窯の制作時に使用されます。超軽量タイプのLBK-28やLBK-26といった製品もあり、世界最高水準の断熱性能を持つものも流通しています。


参考)https://item.rakuten.co.jp/tougeishop/t1320006/


断熱煉瓦 種類 耐火煉瓦 違い

断熱煉瓦と耐火煉瓦の最も大きな違いは、温度変化の特性と使用目的です。耐火煉瓦は耐火性と蓄熱性があり、暖まりにくく冷めにくい性質を持ちます。一方、断熱煉瓦は温まりやすく冷めやすい性質で、伝熱を遮断するために使います。


耐火煉瓦にはSK-34などの規格があり、最高使用温度1400℃に耐えられます。実用最高温度は最高使用温度より100〜150℃低い温度として設定するのが原則です。


断熱煉瓦の種類は原料によって分類されます。高アルミナ質断熱煉瓦は粘土に高アルミナ原料を加えて高温に対応し、高温工業炉の内張りや裏張りに使用されます。珪藻土質断熱煉瓦は珪藻土の細かな気孔を活用し、鉄鋼炉や焼却炉の断熱材として使われます。


参考)断熱耐火物


陶芸窯で使う場合、LBK-26やLBK-28といった超軽量耐火断熱レンガが主流です。これらは熱伝導率が低く、蓄熱量が少なく、再加熱収縮率が小さいという特徴があります。


窯の構造を考える際は、内側に耐火煉瓦一層のみで作る簡易版と、内側に耐火煉瓦、外側に断熱煉瓦を組み合わせた高性能版の2パターンがあります。


高性能版は保温機能が格段に向上します。



断熱煉瓦 選び方 温度 規格

陶芸窯用の断熱煉瓦を選ぶ際、最も重要なのは使用温度です。1300℃近くまで昇温する可能性がある陶芸用ガス窯では、JIS規格のA類、B類、C類の煉瓦は使用できません。これらの残存線変化率が±2%を超えない温度の最高値は1500℃ですが、実用温度としては不十分だからです。


参考)ガス窯のレンガが割れる3つの原因 - 陶芸窯炉オーダーメイド…


意外なことに、不適切な煉瓦を選んでしまっている窯が存在します。「なぜこんなレンガで作ってあるのだ?」と専門家が驚くケースもあるほどです。


陶芸窯で推奨される断熱煉瓦は、最高使用温度1400℃以上のものです。ただし、実用最高温度は最高使用温度より100〜150℃低く設定する必要があります。つまり1400℃の煉瓦なら、実用は1250〜1300℃が上限ということですね。


超軽量タイプのLBK-28は50個組で販売されており、窯の内張り用および裏張り用として使われます。軽量で熱伝導率が低く、蓄熱量が少ないという特性があります。LBK-26も同様の用途で、温度帯によって使い分けます。


ホームセンターで販売されている煉瓦には注意が必要です。暖炉用の耐火煉瓦は、鍛冶炉や陶芸窯の温度には耐えられない可能性があります。


陶芸用品店で購入するのが確実です。



参考)Reddit - The heart of the inte…


窯の温度分布も考慮すべき要素です。Max1500℃の煉瓦で炉内側1200℃のとき、230mm外側では665℃まで下がります。この温度差を理解した上で、適切な煉瓦を選ぶ必要があります。


断熱煉瓦 築炉 施工方法 注意点

築炉時の施工方法を誤ると、煉瓦が割れる原因になります。煉瓦が割れる主な原因は3つあり、煉瓦選定の問題、築炉方法の問題、モルタル調合の問題です。


モルタルの調合は意外と重要な要素です。耐火断熱レンガは膨張収縮するため、窯の温度が均一でない状況下では、高温部は膨張が大きく低温部では膨張が小さくなります。これを緩衝するために膨張目地を入れますが、それでも抑えきれない場合があります。


そこでモルタルの接着を弱くして、煉瓦がある程度自由に動けるようにする工夫が必要です。加熱と冷却を繰り返す陶芸窯では、この柔軟性が煉瓦の割れを防ぎます。


膨張目地の施工も重要な工夫です。煉瓦を積む際、膨張と収縮があっても割れないように余裕を作っておきます。最も割れが入りそうな場所に最低限の膨張目地を作り、あとはしっかりとモルタルで組んでいきます。


築炉方法として避けるべきなのは、炉壁の中心部と角にセラミックファイバーをタテに通してモルタルで接着しない方法です。この方法だと傷んだ部分は切除しやすいのですが、長く使用すると煉瓦がひとつの大きな塊となって炉内側に倒れ込んできてしまいます。


煉瓦とレンガの間には全てカオールを挟む必要があります。これは上段も下段も同様で、施工の基本ルールです。


参考)http://www.tougeishop.com/video/p1102.php


陶芸ショップの断熱材・レンガ一覧ページでは、具体的な製品の仕様や価格を確認できます。

断熱煉瓦 失敗例 トラブル対策

窯の内側に断熱煉瓦を使用してしまうと、熱が蓄熱されずに排気されてしまい、窯の性能が著しく低下します。これは断熱煉瓦が断熱材であるため、石窯の中の熱が石窯に伝わらないからです。


普通のレンガを石窯に使ってしまう失敗例もあります。普通のレンガは耐熱性があまりなく、常に200度を超えるような石窯では使用できません。耐火レンガは1200度もの高温にも耐えられるため、窯の炉の内側で使用します。


煉瓦の割れを防ぐには、適正な煉瓦の選定が第一です。次に膨張目地の適切な施工、そしてモルタルの適切な調合が必要です。この3つの要素が揃って初めて、長持ちする窯が実現します。


床の下に使う断熱素材にも注意が必要です。やわらかくてふわふわした素材は避けるべきです。頑丈な土台を作ることができなくなり、納得のいく床が作れなくなるからです。


耐火煉瓦が溶けてしまうトラブルも報告されています。ホームセンターで購入した煉瓦が暖炉用だった場合、鍛冶炉や陶芸窯の温度には耐えられません。必ず陶芸用品店で適切な規格の煉瓦を購入しましょう。


窯の修理や補修を行う際は、耐熱モルタルの選択も重要です。炉体用耐火物を積層施工する際には、通常の耐熱モルタルよりも耐熱性の高いモルタルを使用する必要があります。


施工後は一定期間の養生が必須です。



参考)https://patents.google.com/patent/JP2010070422A/ja


ガス窯のレンガが割れる原因の詳細解説では、実際の失敗事例と対策が紹介されています。

断熱煉瓦 購入先 価格 保管方法

断熱煉瓦は陶芸専門店やオンラインショップで購入できます。陶芸ショップ.コムでは、超軽量耐火断熱レンガLBK-28が50個組で販売されています。LBK-26も同様に50個組での販売が一般的です。


楽天市場やYahoo!ショッピングでも陶芸用の断熱煉瓦を取り扱っており、在庫状況や配送日を確認しながら購入できます。ただし、商品の在庫状況により配送が遅れることもあるため、余裕を持って注文するのが賢明です。


参考)陶芸 / 超軽量耐火断熱レンガ LBK-26 50個組 : …


受注生産の商品もあるため、納期については別途確認が必要です。特に大量に購入する場合や特殊な規格の煉瓦を求める場合は、事前に問い合わせることをおすすめします。


価格は煉瓦の種類や性能によって異なります。耐火レンガSK-34と耐火断熱レンガLBK-28では価格帯が違うため、用途に応じて選択します。断熱性能が高い超軽量タイプほど価格は上がる傾向があります。


保管時の注意点として、湿気を避けることが重要です。煉瓦は吸水性があるため、湿った場所に保管すると施工時に問題が生じる可能性があります。施工前にプライマ処理を行って吸水防止をすることもあります。


イソウールブランケットやイソウールボードといった断熱材も併せて購入すると、より効果的な窯の構築ができます。これらは煉瓦と組み合わせて使用することで、断熱効果を最大化します。


陶芸ショップのレンガ・断熱材カテゴリでは、各種煉瓦の仕様と価格を比較できます。