ストウブシーズニング方法と頻度で焦げ付き防ぐ鋳物ホーロー鍋のお手入れ

ストウブ鍋のシーズニングは初めて使う時や内側の艶がなくなった時に行う大切なお手入れです。正しい方法と頻度を知って、焦げ付きやサビから愛用の鋳物ホーロー鍋を守りませんか?

ストウブシーズニングの方法と頻度

この記事のポイント
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シーズニングの基本手順

食用油を塗って弱火で加熱するだけ。初回と艶がなくなった時に実施

適切な実施頻度

毎回は不要。内側が白っぽく乾燥した時がシーズニングのタイミング

長持ちさせるコツ

揚げ物料理で油をなじませ、焦げ付きは重曹で落とす正しいケア方法

ストウブシーズニングに必要な道具と油の選び方

ストウブのシーズニングに必要な道具は、食用油とキッチンペーパーまたはクッキングペーパー、できればシリコン製のハケがあると便利です。油の選び方が仕上がりを大きく左右するため、適切な油を使用することが重要になります。
参考)https://www.zwilling.com/jp/magazine/product-guide-cookware/cocotte_care.html

 

シーズニング用に最適な油は、サラダ油や米油などの植物性でさらっとした油です。これらの油は鍋肌によくなじみやすく、ストウブ内側のザラザラした表面(マットエマイユ加工)に浸透しやすい特徴があります。植物性の油は鍋を保護する油膜を均一に作ることができるため、焦げ付き防止効果が高まります。
参考)失敗しないストウブ鍋のシーズニング!サビと焦げを防ぐお手入れ…

 

一方、オリーブオイルやゴマ油はシーズニングにはあまりおすすめできません。これらの油は少し粘り気があってベタベタするため鍋に残りやすく、匂いのある油は次に料理する時に香りが気になる可能性があります。実際にオリーブオイルでシーズニングした結果、底に茶色い膜がまだらにできてしまったという事例も報告されています。
参考)ストウブ鍋について、先日、ストウブ鍋をオリーブオイルを使って…

 

ツヴィリング公式サイトのシーズニング方法(詳しい手順と写真付き解説)

ストウブシーズニングの正しい手順と失敗しないコツ

ストウブを購入して初めて使う前に行うシーズニングは、鍋を「ならす」作業として非常に重要です。正しい手順を踏むことで、ストウブを長持ちさせることができます。
参考)STAUB(ストウブ) シーズニング方法【失敗しない】最初に…

 

シーズニングの基本手順は以下の通りです。まず製品に貼ってあるシールをすべてはがし、輸送中の破損や塗装の割れがないかチェックします。次にストウブを中性洗剤とスポンジ、お湯でよく洗った後、しっかりと乾燥させることが重要です。乾燥が十分でないと油がなじまないため、この工程を丁寧に行いましょう。
油を塗る工程では、キッチンペーパーやシリコンハケで植物油を鍋の内側全体に薄く塗り広げます。特にフチは錆びやすいので丁寧に塗ることがポイントです。蓋の内側も忘れずにしっかりと塗ってください。その後、弱火で3〜5分間加熱して鍋肌に油をなじませ、火を消して熱が冷めるのを待ち、余分な油を拭き取れば完了です。
失敗しないコツとして、油を塗りすぎないことが挙げられます。油を塗りすぎたり、鍋肌に油が残っている状態で水分を飛ばそうとすると、オイルが焦げ付いて茶色い膜がまだらにできることがあります。また、シーズニング後の鍋を料理に使う際は、洗わずそのまま使用しても問題ありません。
参考)ストウブを大切に使うためのメンテナンス「シーズニング」│使い…

 

ストウブシーズニングの頻度とタイミングの見極め方

ストウブのシーズニングは毎回行う必要はなく、鍋の状態を見て判断することが大切です。同じ鋳鉄製のスキレットやダッチオーブンのように毎回シーズニングをしないと使えないということはありません。
参考)https://www.zwilling.com/jp/magazine/product-guide-cookware/about-staub.html

 

シーズニングを行うタイミングは、鍋の内側の状態を見て「ツヤが無くなってきたな」「カサカサしてきたな」「焦げ付きやすくなってきたな」と感じた時です。ストウブにはあらかじめマットエマイユ加工(エナメル質ホーロー加工)という、焦げつきやにおい移りなどを防ぎ、サビにくくする加工がされています。使用を重ねると当初あった内側の艶が少なくなってきて、そのまま放っておくと白っぽく乾燥したり、焦げ付きやすくなったりします。
頻繁に使う場合は特に手入れをしないという愛用者も多く、長く使わない時に油を使っているというケースもあります。実際、ストウブ愛用者の中にはシーズニングをしていないという人も少なくありません。シーズニングは頻度や期間を決めてやるよりも、ご自分で鍋の内側の状態を見て、気がついた時に行うとよいでしょう。
参考)ストウブのお手入れについて。少し前にストウブのお鍋をもらいま…

 

シーズニングの代わりとして、揚げ物やアヒージョなどの油をたくさん使った調理をすることで、自然に油が馴染んでシーズニングの頻度を減らせます。特にご飯を炊くために使うストウブは乾燥してカサカサになりやすいので、時々油料理を作ることで潤いが復活します。
参考)ストウブを大切に使うために。「シーズニング」で正しいお手入れ…

 

ストウブの焦げ付きと白い汚れの対処法

ストウブを使い続けていると、焦げ付きや白っぽい汚れが気になることがあります。これらの問題は重曹を使った適切なお手入れで解決できます。
参考)意外に知らない「ホーロー鍋の世界」やってはいけないことや洗い…

 

鍋の内側が白っぽくなる原因はいくつか考えられます。一般的には、調理の際に使用する水に含まれているカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が加熱されたり蒸発したりして鍋の表面で固まったり、調理する食材や調味料などに含まれるミネラル成分が鍋に付着して白い斑点や膜を形成することがあります。また、洗剤が完全に洗い流されていないことも原因の一つとして考えられます。youtube
焦げ付きや汚れを落とす方法として、鍋の内側の場合は、お鍋に水を入れて重曹を大さじ1/2程度(鍋底全体に広げるように)入れます。弱火にかけて水が沸騰し重曹が溶けていくので、水が少なくなったら少し足しながら20〜30分程度グツグツと煮ます。重曹が溶けて水がほぼ透明になったら火を止めて、鍋が冷めるまで待ち、その後柔らかいスポンジで洗い流してください。
鍋の外側の汚れには、重曹と水を同量ずつ混ぜてトロッとしたペーストを作り、気になる部分に塗り付けて汚れをやさしくこすり落とす方法が効果的です。外側の茶色い汚れは、メラミンスポンジでも落とすことができます。重曹を使ったお手入れ後は、必ずシーズニングを行うことをおすすめします。
ストウブ鍋の焦げ付きとサビを防ぐ詳しい手順(写真付き解説)

ストウブのマットエマイユ加工を長持ちさせる独自のケア術

ストウブの内側に施されたマットエマイユ加工は、細かい凹凸がある表面が特徴で、この凹凸により油が馴染みやすくなり、食材との接地面積が小さくなるので焦げ付きを防ぐことができます。このマットエマイユ加工を長持ちさせるには、日々の使い方とケアが重要です。
参考)https://www.zwilling.com/jp/magazine/culinary-world/article-manufacturing-cast-iron.html

 

加熱時の注意点として、ストウブは急激な温度変化に弱いため、加熱し始めは必ず中火以下で始めることが大切です。最初から強火で加熱するとエマイユ加工が割れたり、はがれたりするリスクがあるため、ストウブが十分に温まってから火力を上げるようにしましょう。保温性に優れているので、高温で調理する必要はなく、弱火でも十分に調理できます。
参考)【ストウブ初心者は必見】お手入れや選び方まで愛用者が徹底解説…

 

調理器具の選び方も重要で、金属製の調理器具は硬いため避け、鍋のエマイユ加工を傷つけないシリコン製などのやわらかい調理器具を使用することをおすすめします。シリコン製は柔らかく、鍋の端まで届きやすいため使い勝手が良いという利点もあります。
洗浄時の注意として、硬いスポンジやたわし、クレンザーなどの研磨剤を使って擦って落とそうとすると表面に傷ができ、そこからサビが発生するため絶対に使わないようにしてください。柔らかいスポンジと中性洗剤で洗い、アルカリ性洗剤や塩素系漂白剤を使うとホーローの表面のツヤがなくなり、劣化の原因になるので避けましょう。洗った後は水分をしっかり拭き取ることを習慣にして、サビと汚れを防止することが大切です。
参考)「ホーロー鍋」で料理をもっとおいしく。選び方・お手入れの仕方…

 

エマイユ加工は本体に合計2〜3層施され、800℃で30分間焼成されて作られています。この加工は耐久性に優れており、ニオイ移りがしない特性を持っています。この優れた加工を長持ちさせるために、初回のシーズニングと定期的なケアを怠らないようにしましょう。
参考)ストウブ(staub) STAUB ストウブ ピコ・ココット…

 

ストウブ鋳物ホーロー鍋の製造工程とエマイユ加工の詳細(公式サイト)