森正洋 ユニバーサルプレート使い方とデザイン魅力

森正洋デザインの白山陶器ユニバーサルプレートは、子どもから介護まで幅広く使える機能美を備えた食器。グッドデザイン賞受賞のこの器は、なぜここまで愛され続けているのでしょうか?

森正洋 ユニバーサルプレート デザイン 特徴

ユニバーサルプレートの魅力
🍽️
すくいやすさを追求した形状

内側の湾曲と適度な深さで、スプーンできれいにすくい切れる設計

シンプルな機能美

2002年グッドデザイン賞受賞のニューボン磁器の美しさ

👶
幅広い年齢層に対応

乳幼児から介護まで、誰もが使いやすいユニバーサルデザイン

森正洋 ユニバーサルプレート誕生の背景

森正洋がデザインしたユニバーサルプレートは、2001年に完成し、岐阜県土岐市の山加商店で生産が始まりました。日本を代表するプロダクトデザイナー森正洋は、1927年に佐賀県で生まれ、多摩美術大学工芸図案科でデザインを学んだ後、1956年に白山陶器に入社しました。彼のデザイン哲学は「日常の生活で使う器を考え、形を創り、工場で生産することにより、多くの人々とともに共有し生活することにデザインの喜びを感じる」というものでした。
参考)森正洋|和食器の通販 monsen

 

森正洋の代表作である「G型しょうゆさし」は1960年に第1回グッドデザイン賞を受賞し、その後も数々の国際的なデザイン賞を受賞しています。このしょうゆさしは、使う人だけでなく、生産者や流通の現場まで考えながら生まれた製品で、土瓶1個分のスペースに3個入れることができ、燃料も3分の1で済むという生産効率の良さが特徴でした。このような実用性と美しさを兼ね備えたデザイン思想が、ユニバーサルプレートにも受け継がれています。
参考)https://www.woodwarlock.jp/fs/wood/c/universalplate

 

白山陶器を代表するデザイナーとして活躍した森正洋は、2005年に永眠するまで日本の食卓文化に大きな影響を与え続けました。
参考)白山陶器 森正洋

 

森正洋 ユニバーサルプレート サイズ展開と選び方

ユニバーサルプレートには4つのサイズ展開があります。
参考)すくいやすい!子ども食器はユニバーサルプレート!【サイズも紹…

 

📏 各サイズの仕様

年齢別のおすすめサイズとして、0歳の離乳食から始めるならSSサイズ、1歳から2歳にかけてはSSサイズやSサイズ、3歳ごろからはSサイズ、4歳以降はMサイズが適しています。ただし、子どもが普段食べる量が「多め」か「少なめ」かで、おすすめサイズは前後します。
実際の使用例として、2~3歳児のご飯の盛り付けにはSSサイズが使われ、うどん・ラーメンなどの麺類も、お椀・丼ぶりではなくユニバーサルプレートに入れた方が早く冷めるため、子どもにとって食べやすいとされています。積み重ねられるので場所をとらず、同じサイズ同士なら積み重ね、違うサイズ同士ならすっぽりと中に入るように重ねられる収納性の良さも魅力です。
参考)https://ripka2007.com/?pid=146363898

 

森正洋 ユニバーサルプレート 使い勝手の工夫

ユニバーサルプレートの最大の特徴は、スプーンを使った時にきれいにすくい切ることができるよう、食器の内側が軽く湾曲していることです。プレートに手を添えやすいようふちに幅があり、親指をのせて持ちやすく、安定した姿勢で食事ができる設計になっています。
参考)ユニバーサルプレート  ドット

 

乳幼児が自分で食べるのはもちろんのこと、離乳食の時期にお母さんが子どもをヒザにかかえながら片手でスプーンを使うシチュエーションでも食べやすい工夫がなされています。このお皿にしてから自分で食べることが多くなったという声も多く、介護する親も片手でスプーンを使えるのでストレスが減ったと評価されています。
参考)【楽天市場】子供用 お皿 ユニバーサルプレート(SSサイズ)…

 

🍜 多用途な活用法
適度な深さ(約1.5~2.2cm)があるので、お皿としてもボウルとしても使えます。シリアル、ラーメン、ご飯とおかず、パスタなど、様々なメニューで食べやすさを実感できます。液体系のスープやカレー、シチュー、ご飯粒がパラパラしたチャーハンや麺類など、シンプルなデザインなので使い方を制限しません。

森正洋 ユニバーサルプレート ニューボン磁器の品質

ユニバーサルプレートに使用されているニューボン磁器は、白い美しさはそのままに、丈夫で扱いやすい素材となっています。シンプルな機能美と磁器のしっとりとした美しさが光る逸品として、2002年のグッドデザイン賞に選ばれました。
参考)https://www.hyakuchomori.co.jp/life/shokki/plate/

 

ニューボン磁器の実用性として、電子レンジや家庭用食洗機の使用が可能です。ただし、高圧洗浄機・オーブン・オーブントースターの使用は避ける必要があります。また、食器洗浄機の使用頻度や機種によっては、ドット柄などの装飾部分が色褪せする場合もあるため注意が必要です。
参考)ユニバーサルプレート

 

磁器製のため割れる可能性はありますが、日常使いに十分な耐久性を備えています。さらっとした汁物には向きませんが、とろみのある離乳食やスープ類には最適な深さと形状を持っています。

森正洋 ユニバーサルプレート製造技術のこだわり

ユニバーサル多用深皿を製作する山加商店は、1913年創業の岐阜県土岐市の陶磁器メーカーです。現在も自社製品の製造販売、国内海外陶磁器の仕入販売を行っており、森正洋と山加商店が力を合わせ、誰でも分け隔てなく使える皿として協力した結果、20年以上愛され続けています。
参考)スタッフの商品日記 096 ユニバーサル多用深皿 14cm

 

皿などを成形する際には、形を整えたり表面を滑らかにする時に「鏝(こて)」を使用しますが、ユニバーサル多用深皿は通常の外ごての皿を作るより手間がかかります。外ごての皿は中の形が石膏型で、外側の形は金属製の鏝が回転して出来上がりますが、ユニバーサル多様深皿は鏝で皿の内側の側面をえぐるような動きで作られます。
⚙️ 職人の技術が生む品質
このえぐりがすくい易さの源であり、成型方法は鏝の角度調整がシビアで、職人は鏝合わせに神経を使います。さらに鏝で作り切れない内側中心部分と皿のフチを手作業で仕上げており、現在の製品は職人たちの工夫の積み重ねで、開発当初より森さんの図面に近いえぐりが実現しています。手作業のため、大きさに多少の個体差が生じますが、それも手仕事ならではの味わいとなっています。
<参考リンク>
山加商店の製造技術について詳しく知りたい方へ
D&DEPARTMENTスタッフの商品日記 - ユニバーサル多用深皿の製造工程
森正洋のデザイン哲学について詳しく知りたい方へ
monsen - 森正洋と白山陶器の歴史