ヘレンドのロスチャイルドバードは、ハンガリーの名窯ヘレンド社が誇る代表的なシリーズです。1860年にウィーンのロスチャイルド家からの注文で誕生し、以来160年以上もの間、多くの人々を魅了し続けています。
このシリーズの特徴は、北ヨーロッパに生息する12種類の野鳥が描かれた繊細な絵柄です。各絵柄には2羽の鳥と、木の枝に掛かった首飾りが描かれています。これは、ロスチャイルド家を訪れたヴィクトリア女王が庭で失くした首飾りを小鳥が見つけたという逸話に基づいています。
ヘレンドの職人たちによる精巧なハンドペイントは、ロスチャイルドバードの魅力を一層引き立てています。一つ一つ丁寧に描かれた鳥や花、昆虫などのモチーフは、まるで生きているかのような躍動感を感じさせます。
ロスチャイルドバードの歴史は、19世紀半ばにさかのぼります。当時、ヨーロッパでは「異郷の鳥」をモチーフにした陶磁器が流行していました。ヘレンド社は、この流行を独自の視点で解釈し、ヨーロッパの身近な野鳥をモチーフにしたデザインを考案しました。
1860年、ウィーンのロスチャイルド家から大規模なディナーセットの注文を受けたヘレンド社は、この新しいデザインを採用しました。ロスチャイルド家という名門の御用達となったことで、ヘレンドの名声は一気に高まり、ロスチャイルドバードは同社を代表するシリーズとなりました。
ロスチャイルドバードの絵柄は、12種類のバリエーションがあります。各絵柄には、2羽の鳥と木の枝に掛かった首飾りが描かれています。鳥の種類や姿勢、背景の植物などが少しずつ異なり、それぞれに個性があります。
絵柄の特徴:
これらの絵柄は、ヘレンドの熟練職人によって一つ一つ手描きされています。同じデザインでも、職人の個性によってわずかな違いが生まれるのも、ハンドペイントならではの魅力です。
ロスチャイルドバードシリーズは、幅広い製品ラインナップを誇ります。食器類から装飾品まで、様々なアイテムが展開されています。
主な製品ラインナップ:
2020年には、ロスチャイルドバード誕生160周年を記念した特別製作品も発表されました。壁掛け用の時計や、金彩で縁取られたエレガントなカップ&ソーサー、プレートなどが製作されています。
ロスチャイルドバードのコレクションを楽しむ方法はいくつかあります。
伝統的なデザインのロスチャイルドバードですが、現代のライフスタイルにも十分に馴染みます。例えば、シンプルでモダンなインテリアに、ロスチャイルドバードの一点を加えることで、洗練された空間を演出できます。
また、日常使いの食器としても活用できます。特に、朝食やアフタヌーンティーなど、ゆったりとした時間を過ごす際に使用すると、普段の生活に特別感をプラスできます。
最近では、ロスチャイルドバードとコーヒーのペアリングを楽しむ方も増えています。例えば、UCCの珈琲探求シリーズとヘレンドのカップ&ソーサーを組み合わせるなど、新しい楽しみ方が生まれています。
ヘレンドの公式サイトでは、ロスチャイルドバードの製品や最新情報を確認できます:
ヘレンド公式サイト
ロスチャイルドバードは、160年以上の歴史を持ちながら、現代の生活にも溶け込む魅力を持っています。伝統と革新のバランスが取れたこのシリーズは、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。