偏光顕微鏡価格オリンパス機種選定ガイド

偏光顕微鏡の購入を検討中でしょうか?オリンパス製品の価格帯や仕様、鉱物観察に最適なモデル選びのポイントを詳しく解説します。自社の研究用途に適した機種は見つかるでしょうか?

偏光顕微鏡 価格 オリンパス

オリンパス偏光顕微鏡の主要モデル比較
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BX53-P システム偏光顕微鏡

税抜1,361,200円(税込1,497,320円~)。三眼鏡筒、360°回転ステージ採用。高輝度LED光源により明るく鮮明な観察を実現。偏光・簡易偏光・明視野の3種類の観察法に対応。

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LED光源の高い色再現性

オリンパス独自の高演色白色LED光源搭載により、光学フィルター操作が不要に。対物レンズに応じた自動調光機能で、レンズ交換時の手動調整が不須要。業界でも高い信頼性を獲得。

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UIS2光学系システムの採用

無限遠補正光学系により、最大4穴レボルバーで複数対物レンズを装備可能。読み出し機能付きレボルバーで対物レンズの自動認識に対応。AC100V~240V電源で、世界各地での使用に対応。

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偏光用回転ステージの機能

マニュアル式の360°回転ステージにより、試料の定量的側面を正確に判定可能。心出し機能で、ステージ回転の中心が視野の中心と完全に一致し、試料の分析精度が大幅に向上。

偏光顕微鏡の観察技術と画像品質向上

 

偏光顕微鏡は、偏光子と検光子という2種類の偏光フィルターを備えることで、異方性物質の観察に特化しています。オリンパスのBX53-Pモデルでは、高輝度LED光源と無限遠補正光学系により、従来の水銀灯と比較して観察時間が長くなっても眼の疲労が少なく、長時間の観察作業に適しています。特に岩石薄片や鉱物観察の際、交差偏光子を使用することで試料を通る光の振動方向を推定でき、波長板の併用により速い振動方向と遅い振動方向の判別が可能になります。

 

オリンパスのシステム偏光顕微鏡では、対物レンズに応じた明るさの事前設定機能が搭載されています。コード機能付きレボルバーとライトマネージャー機能により、各対物レンズごとにLED光源の明るさを最適化できるため、レンズ交換時の手動調整が不要になり、操作性が大幅に向上します。この機能は特に複数倍率での観察が必要な研究現場で時間効率が顕著に改善されます。

 

地質学・鉱物学における偏光顕微鏡の価格と用途

偏光顕微鏡は地質学分野で最も広く活用されている観察機器です。オリンパス製BX53-Pは税抜1,361,200円という価格帯で、岩石の薄片観察に標準的な25~30マイクロメートルの厚さに対応しています。鉱物の同定、岩石組織の分析、変成岩の形成過程の解明など、複屈折物質の定性的・定量的研究に不可欠な装置として利用されています。

 

地質調査現場では、千枚岩などの変成岩の観察が頻繁に行われます。平面偏光イメージでは細かいひだが見え、交差偏光子を使用することで鉱物成分がより鮮明に映されます。特に石英とマイカの識別では、交差偏光子により石英がグレーと白で、マイカが高次の色で映されるため、従来の明視野顕微鏡では判別困難な微細な鉱物成分の確実な特定が可能になります。

 

偏光顕微鏡の異方性物質観察と材料解析機能

偏光顕微鏡は異方性を持つ物質(光の速度が異なる方向性を持つ物質)の特性を評価するのに最適です。オリンパスBX53-Pモデルでは、物質の内部ストレスや結晶構造を非破壊で観察できる特徴があります。光磁気ディスク、ポリマー材料、液晶の配向、結合組織などの観察にも対応し、材料科学研究から生物学的組織研究まで幅広い応用範囲があります。

 

価格1,361,200円(税抜)のBX53-Pは、高い感度を持ち、広範囲の異方的な標本に対する定量的研究と定性的研究の両方で活用可能です。特に細い構造や微細な詳細が偏光により際立って観察され、より詳細な分析が実現します。三眼鏡筒により、同時に複数の観察者が標本を確認できるため、研究チーム間での知見共有が効率化されます。

 

オリンパス偏光顕微鏡購入時の検討ポイントと付属品

オリンパスの偏光顕微鏡購入を検討する際、観察対象のサンプル種類、求める情報の内容、必要な解像度が重要な選定基準となります。BX53-Pの場合、最大4穴レボルバーにより複数倍率対物レンズを同時装備でき、研究内容に応じた拡張性を備えています。また、三眼鏡筒仕様により、明視野観察だけでなく位相差観察や簡易偏光観察にも対応し、個々の観察スタイルに応じた拡張性を有しています。

 

購入前には試用機での操作感や、サンプル準備に必要な厚さ管理、ガラススライドの規格確認なども重要です。オリンパス科学事業(現エビデント)では、購入後の技術サポートも充実しており、正立顕微鏡、倒立型リサーチ顕微鏡、共焦点レーザー走査型顕微鏡など、他の光学機器との連携も可能です。偏光顕微鏡の導入により、研究の解析能力が大幅に向上し、論文執筆や製品開発における信頼性の高いデータ取得が期待できます。

 

偏光顕微鏡の市場における価格帯と競合製品比較

オリンパス製BX53-Pの税抜1,361,200円という価格帯は、同等の研究用偏光顕微鏡の中では標準的です。ニコン製ECLIPSE LV100N POL LEDモデルも同程度の1,350,100円(税抜)で提供されており、オリンパスとニコンが市場をリードしています。一方、学習用や入門段階の利用者向けには、より手頃な価格帯の製品も存在します。誠報堂科学館などの販売業者では、M310-PLなどの学習用偏光顕微鏡を103,000円程度で提供しており、用途に応じた選択肢が充実しています。

 

正立顕微鏡のラインナップとしてはECLIPSE Ciシリーズが648,500円(税抜)から、高機能の倒立型リサーチ顕微鏡IXplore IX85が9,776,600円(税抜)で提供されています。共焦点レーザー顕微鏡FV4000は27,196,900円(税抜)と高額ですが、極めて高度な3D画像解析が必要な場合に採用されます。オリンパス系のエビデント(旧オリンパス科学事業)と、ニコンソリューションズの両メーカーが高度な光学技術で競争しており、購入者のニーズに応じた多段階の価格帯が実現しています。

 

<参考リンク>
オリンパス独自の高輝度・高演色LEDを搭載したBX53シリーズの技術仕様と搭載機能について詳しく解説。対物レンズに応じた自動調光機能や読み出し機能付きレボルバーの詳細が確認できます。

 

オリンパス 生物顕微鏡「BX53」LED光源搭載
偏光観察法の原理と地質学・鉱物学における実践的な応用方法について、詳細な画像例と共に説明。岩石薄片の標準的な厚さやサンプル準備方法も記載されています。

 

Nikon MicroscopyU 偏光観察法の原理と用途
偏光顕微鏡を含む15種類の光学顕微鏡の特徴と最適な用途を比較。異方性物質の観察における利点や、材料科学・生物学での応用事例が詳しく掲載されています。

 

JET-Robotics 15種類の光学顕微鏡と特徴

 

 


高分子素材の偏光顕微鏡入門