不定形耐火物メーカー選びと陶芸窯補修のポイント

不定形耐火物メーカーは陶芸窯の長寿命化に欠かせない存在ですが、選定や使用には意外と知られていないポイントがあります。主要メーカーの特徴から補修材の選び方、施工時の注意点まで詳しく解説しますが、あなたは窯の寿命を縮める落とし穴を知っていますか?

不定形耐火物メーカーと陶芸窯補修

個人用の陶芸窯でも業務用耐火物は使えます。


この記事のポイント
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主要メーカーの特徴

AGCプライブリコ、林ロザイ、アジア耐火など国内主要メーカーの製品ラインナップと強み

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陶芸窯向け補修材

キャスタブル、パッチング材、耐火モルタルの使い分けと施工方法

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コストと入手方法

25kg3,000円台から入手可能な製品と、陶芸材料店での取り扱い状況

不定形耐火物メーカーの国内主要企業

不定形耐火物を製造する日本の主要メーカーには、AGCプライブリコ、林ロザイ、アジア耐火、東和耐火工業などがあります。これらの企業は鉄鋼業向けを中心に耐火物を供給していますが、その技術は陶芸窯の補修にも応用できます。


参考)不定形耐火物 - メーカー・企業4社の製品一覧とランキング


AGCプライブリコは設計から施工までEPPC総合力を提供するメーカーで、茅ヶ崎工場に研究開発部門を持ち、顧客ニーズに応じた製品開発を行っています。簡易補修材として人気の「プライラム#515」は粘土状に混錬済みで、開封後すぐに補修箇所へパッチングできる利便性が特徴です。


つまり専門技術がなくても使えるわけですね。



参考)https://www.plibrico.co.jp


林ロザイは岡山県備前市に拠点を置き、半世紀以上の経験を持つ不定形耐火物専門メーカーです。原料調達から配合まで自社で行い、オーダーメイド開発にも対応しています。バイブレックスキャスタブルは耐食性に優れる高強度タイプの低セメント系製品で、混錬水量が少なく緻密な施工体を構築できます。


参考)不定形耐火物の製造・販売・オーダーメイド開発|林ロザイ株式会…


アジア耐火はキャスタブル耐火物(ギーセスト)、プラスチック耐火物(プラセスト)、パッチング耐火物(ソフトパッチ)など幅広い製品ラインナップを展開しています。特殊キャスタブル耐火物の「ギーセスト・クイックセッター」は速硬性が求められる現場で重宝されます。


参考)不定形耐火物製造|アジア耐火株式会社


不定形耐火物の種類と陶芸窯での用途

不定形耐火物は粉末状や粘土状の耐火材料で、セメントのように吹き付けたり流し込んで施工できる特徴があります。定形耐火物(耐火レンガ)と比べて薄く頑丈な炉壁を設計でき、形状が複雑な部分にも使用できる利点があります。


主な種類にはキャスタブル耐火物、吹付耐火物、パッチング耐火物、コーティング耐火物、プラスチック耐火物、耐火モルタルなどがあります。キャスタブルは耐火骨材とセメント材料または化学結合剤を混合したもので、水と混ぜて流し込み成形します。施工後24時間で耐火レンガに勝る強度が得られ、継ぎ目のない強固なライニングを形成します。


これは使えそうです。



参考)耐火物の種類(形状による分類)


耐火モルタルは耐火レンガを積む際の目地材として使われ、レンガの接着性を強めるほか熱膨張を吸収する役割も担っています。使用するレンガと同質の耐火物粉末が一般的に用いられます。


参考)不定形耐火物(ふていけいたいかぶつ)とは? 意味や使い方 -…


パッチング耐火物は部分的な補修材として活用され、熱間など過酷な環境下での補修を目的としたものもあります。陶芸窯の炉壁にひび割れや剥離が生じた場合、これらの補修材を使うことで窯の寿命を延ばせます。


参考)https://t-furnace.co.jp/refractory/


陶芸窯に適した不定形耐火物の選び方

陶芸窯の補修では使用温度と施工方法に応じて製品を選ぶことが重要です。耐火物はSK26番(1580℃)以上の耐火度を持つものが日本工業規格で認定されていますが、陶芸窯の多くは1300℃程度までの使用が一般的です。最高使用温度1000~1050℃の軽量キャスタブルでも十分対応できる場合があります。


参考)https://www.nichias.co.jp/cms/nichias/pdf/catalog/I03.pdf


耐火物選定の基準として、高温に耐えること、高温で耐圧力を備えていること、急激な熱変化(急熱急冷)にある程度耐えること、化学的浸食に強いことが挙げられます。陶芸窯では特に急熱急冷への耐性が求められるため、この点を確認すべきです。


参考)焼成部材|陶芸機材の総合メーカー【丸二陶料株式会社】


補修箇所が小さい場合は混錬済みのパッチング材が便利で、広範囲の補修にはキャスタブルを水で混錬して流し込む方法が適しています。酸化アルミナ、カオスティック、耐火モルタル、セラミックファイバー、断熱ボードなど陶芸材料店で扱う補修材も選択肢になります。


目地補修なら耐火モルタルが基本です。



参考)陶芸窯の補修材


不定形耐火物にステンレスファイバー(SUS304・SUS310S、0.4φ×25Lのストレート型)を添加すると、ひび割れや剥離を抑制する効果が期待でき、長寿命化と補修費低減につながります。


不定形耐火物の価格と入手方法

不定形耐火物は業務用のイメージが強いものの、小容量パッケージなら個人でも入手しやすい価格帯で販売されています。マツモト産業のキャスタブル耐火材(耐火モルタル)25kgは最安値で3,105円程度から購入可能です。アルミナセメントを配合したキャスタブル耐火物で、適量の水を加えて混錬して使います。


参考)マツモト産業 キャスタブル耐火材 耐火モルタル 25kg :…


通販サイトでは2kg袋が669円から、4kg袋が1,198円から、5kg袋が6,998円からといった小分け商品も販売されています。プレミックスタイプは骨材等が理想的に配合されているので水を加えるだけですぐに使えます。


これだけ覚えておけばOKです。



参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E8%80%90%E7%81%AB%E7%89%A9%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%AB/


陶芸材料専門店では補修材として酸化アルミナコーティング剤、カオスティック、耐火モルタルなどを取り扱っています。小型陶芸窯の部分補修なら2~5kg程度あれば十分な場合が多いため、数千円の予算で対応できます。


入手先としては工業資材通販サイト(MonotaROなど)、陶芸材料専門店、メーカー直販などがあります。急ぎの場合は当日出荷対応の商品を選ぶと翌日には手元に届きます。


不定形耐火物を使った陶芸窯補修の実践知識

陶芸窯の炉壁は超軽量耐火レンガ、高耐火断熱レンガ、セラミックファイバー、断熱ボードなどで構成されており、使用とともに劣化します。ひび割れや剥離が生じた箇所を放置すると熱効率が低下し、最悪の場合は窯本体の損傷につながります。


補修手順としては、まず損傷箇所の汚れや緩んだ耐火物を除去し清掃します。次に補修材を適量の水で混錬し(または混錬済み製品を開封し)、コテやヘラで損傷箇所に充填します。施工後は自然乾燥させてから段階的に加熱し、耐火物を焼き固めます。


参考)耐火物セラミックス事業|事業紹介|美濃窯業株式会社|耐火物・…


1100℃の超高温に耐える不燃焼パテは火を近づけても燃えず、炎や黒煙を発生せず、溶剤やアスベストを使用していないため安全性が高い選択肢です。金属・モルタル・レンガなどによく着くため、窯の金属部分と耐火物の接合部補修にも使えます。


いいことですね。



日本工業規格(JIS)で認定されたSK26番以上の耐火度を持つ製品を選べば、陶芸焼成の一般的な温度範囲(~1300℃程度)には十分対応できます。ただし急激な温度変化を繰り返す使い方をする場合は、急熱急冷性能に優れた製品を選定すべきです。補修後の初回焼成では通常より緩やかな昇温カーブを設定すると、補修箇所の定着が良くなります。


陶芸窯の補修材一覧(酸化アルミナ、耐火モルタル、セラミックファイバーなど陶芸窯専用補修材の詳細情報)
アジア耐火株式会社(キャスタブル耐火物、プラスチック耐火物などの製品情報と問い合わせ先)