紫の袱紗で結婚式に出席すると、弔事と間違われることがあります。
袱紗(ふくさ)とは、ご祝儀袋や香典袋など「金封」を包んで持ち運ぶための布製の道具です。長財布のような形で金封を挟み込む「金封袱紗(挟むタイプ)」と、正方形の一枚布でしっかり包む「包むタイプ」の2種類が主に流通しています。大きさはおおよそ35〜45cm四方で、A4用紙より少し大きいサイズ感です。
なぜ袱紗を使うのでしょうか?理由は主に2つあります。1つ目は、ご祝儀袋が汚れや折れ目・シワがつかないよう保護するためです。2つ目は、受け取る相手への礼儀を示すためです。金封をむき出しのままバッグに入れて持っていくのはマナー違反とされており、特に目上の方が多く列席する格式高い披露宴では袱紗の使用が強く求められます。
袱紗の起源は、貴重品を収めた箱の上に掛けていた絹布にあります。元々は風呂敷のような平らな一枚布でした。そのため現在でも「包むタイプ」の方がより格式が高いとされており、正絹(シルク製)のものは上質感があります。冠婚葬祭は何かと続くものですから、1枚持っておくと安心です。
包むタイプには爪付き袱紗(包みが開かないよう留める爪がついたもの)と台付き袱紗(台の四隅にゴムや紐でご祝儀袋を固定するもの)があります。型崩れしにくいため、特に台付きタイプは初心者でも扱いやすいですね。
結婚式などの慶事に使う袱紗は「明るい暖色系」が原則です。これは慶びの気持ちを色で表現するためで、喜びや生命力を表す「陽」のエネルギーを持つ色が好まれます。
✅ 結婚式に使えるOKな色
❌ 結婚式では避けるべきNG色
寒色系は弔事カラー、これが原則です。購入時に迷ったら「慶事用」または「慶弔両用」と記載されているものを選ぶのが確実な方法です。
参考:袱紗の慶弔別カラー詳細はこちら
袱紗(ふくさ)とは?色や形の種類、結婚式・お葬式での包み方を解説|e-sogi.com
紫色の袱紗は「慶弔両用」として知られており、結婚式にも葬式にも使える万能カラーです。これは古来より日本で「紫=高貴な色」とされてきた歴史背景によるもので、相手への最大限の礼節を示す意味が込められています。性別や年齢を問わず使えるため、1枚だけ袱紗を持つなら紫色が最も汎用性が高いです。
ただし注意が必要な点があります。紫色の中でも「薄紫(ふじ色・ラベンダーカラー)」は、慶事にしか使えません。薄紫は色合いが淡く、暖色寄りの印象があることから慶事専用として扱われます。一方、慶弔両用として使えるのは「濃い紫」のみです。
つまり「紫なら何でも両用」ではないので注意が必要です。
また、台付き袱紗で紫のリバーシブルタイプのものを選ぶ場合は、台の色が暖色(慶事面)と寒色(弔事面)に分かれていることが多いです。包む前に必ずどちらの面を表にしているか確認しましょう。間違えたまま渡すと、結婚式の受付で弔事用の台を見せてしまうことになります。
参考:紫の袱紗の使い分けと選び方について
《袱紗は紫がおすすめ》慶弔両用でつかえる便利な1枚!包み方まで|ウェディングニュース
袱紗の色を正しく選べても、包み方の向きを間違えるともう一つのマナー違反が発生します。慶事(結婚式)での包み方は「右開き」が鉄則です。左開きは弔事(葬式・法事)の包み方なので、向きを逆にしてしまうと「お悔やみの作法」で渡したことになってしまいます。
これは意外と見落としがちなポイントです。
【挟むタイプ(金封袱紗)の包み方】
【包むタイプ(爪付き・台付き)の包み方】
たたむ順番が「右→下→上」になってしまうと弔事の包み方です。右開きになることだけ覚えておけばOKです。
また、リバーシブルタイプ(表が暖色・裏が寒色)の袱紗を使う場合は、暖色面を必ず外側にして包みましょう。表裏を間違えると寒色(弔事カラー)でご祝儀を包んで渡す結果になります。
参考:慶弔別の包み方・渡し方マナーの詳細
袱紗でご祝儀袋を包んだら、受付での渡し方にも作法があります。袱紗からご祝儀袋を取り出し、相手が読める向きに直してから両手で渡すのが正しいやり方です。「本日はおめでとうございます」などのお祝いの言葉を添えながら渡しましょう。
【挟むタイプの渡し方】
【包むタイプの渡し方】
渡すタイミングは受付の台の前です。バッグの中から袱紗のまま取り出して、台の上で作業するとスムーズです。ご祝儀袋を台の上に置いたままにせず、袱紗ごと両手で差し出す動作がきれいに見えます。
なお受付では混雑することも多いです。挟むタイプの方が取り出しやすく焦らず対応できるため、マナーに不慣れな方には挟むタイプをおすすめします。これは使えそうですね。
参考:受付での正しいご祝儀の渡し方マナー
結婚式ご祝儀の渡し方マナー・受付での作法|NIWAKA(ニワカ)
当日になって袱紗が手元にないことに気づいたとしても、慌てなくて大丈夫です。ハンカチ・スカーフ・風呂敷など布製のものであれば代用が可能です。ご祝儀袋をむき出しのまま持参するよりも、布で包んで渡す方がはるかに印象が良くなります。
代用品を選ぶ際の注意点は以下の通りです。
代用品の色も袱紗と同じルールです。結婚式であれば、明るい暖色系か白いものを使いましょう。濃い寒色系(紺・緑・グレー)は弔事カラーになるため厳禁です。
シワや折り目がついていると「間に合わせ感」が出てしまいます。使用前に必ずアイロンをかけて伸ばしておきましょう。代用品でも丁寧さが伝わるかどうかは、布のコンディションで大きく変わります。
また、袱紗は100円ショップや百貨店、Amazonなどで500円〜3,000円程度で購入できます。冠婚葬祭は定期的にあるものですから、この機会に1枚用意しておくと安心です。紫色の袱紗を1枚持っておけば慶弔両用なので、コスパも優れています。
参考:袱紗の代用方法と選び方の詳細
袱紗(ふくさ)ってどこで買える?結婚式にふさわしい種類や代用品|NIWAKA(ニワカ)