ウォーターフォード水彩紙レビューと選び方のコツ

ウォーターフォード水彩紙は初心者から上級者まで愛用される高品質な水彩紙です。ナチュラルとホワイトの違い、目の粗さによる使い分け、マスキング技法まで詳しく解説します。あなたに最適な水彩紙はどれでしょうか?

ウォーターフォード水彩紙レビュー

この記事でわかること
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紙の特徴と選び方

ナチュラルとホワイトの違い、目の粗さによる使い分けを理解できます

実際の使い心地

重ね塗り、にじみ、発色など実際のレビューをもとに解説

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保管とテクニック

紙の保管方法からマスキング技法まで幅広く紹介

ウォーターフォード水彩紙の基本特徴と価格

 

ウォーターフォードはイギリス製のコットン100%水彩紙で、透明水彩の本場から生まれた高品質な画材です。300g/㎡の厚みで水彩画専用紙として標準的なスペックを持ち、F4サイズの12枚綴りブロックタイプが実売4000円台前半で購入できるため、コットン紙としてはコストパフォーマンスに優れています。絵具の吸い込みを抑えることで美しい発色を実現し、にじみやぼかしが美しく仕上がる特性があります。コットン100%の中性紙なので、作品の長期保存にも適しており、マスキングなどあらゆる技法に耐えうる表面強度を備えています。
参考)ウォーターフォード[水彩紙レビュー]

ウォーターフォード水彩紙は「ナチュラルホワイト(クリーム色)」と「ホワイト(純白)」の2色展開で、それぞれ荒目・中目・細目の3種類の紙目が用意されています。価格面では、アルシュなどの最高級水彩紙ほど高価ではなく、初心者から上級者まで使いやすい優等生的な立ち位置にあります。ブロックタイプ、スプリングタイプ、カットタイプなど形状も豊富で、用途に応じて選べる点も魅力です。
参考)紙・紙・紙!水彩紙レビュー【レビューというよりただの感想】

ウォーターフォード水彩紙のナチュラルとホワイトの違い

ナチュラルとホワイトの最も大きな違いは乾燥スピードです。ナチュラルホワイトの方がゆっくり乾くため、初心者でも塗りムラができにくく扱いやすい特性があります。一方、ホワイトは若干ムラになりがちで、塗るときにコツが必要になります。乾燥速度の違いは、特にグラデーションやウォッシュといった技法を使う際に顕著に表れるため、自分の描き方に合わせて選ぶことが重要です。​
発色の違いも見逃せません。ホワイトは純白の紙色のため、青や黄緑、紫などの寒色系が鮮やかに発色します。対してナチュラルは濃いめのクリーム色で、紺色や赤、茶系の色が映え、落ち着いたシックな色合いにまとめやすい特徴があります。ストラスモアと比較するとアバロンの方が白っぽく、ウォーターフォードナチュラルはかなり黄色味が強い印象を受けます。色の再現性を重視するなら作品のイメージに合わせて紙色を選ぶと良いでしょう。youtube​​

ウォーターフォード水彩紙の重ね塗り性能レビュー

ウォーターフォード水彩紙の最大の特徴は、水彩紙の中でもトップクラスの重ね塗り性能です。色を乗せて乾いた後は絵具がしっかり定着して動かないため、何度でもきれいに色を重ねることができます。実際のテストでは、赤の上にレモン色を重ねても、レモン色に赤の絵具が全く溶け出していないことが確認されています。この特性により、淡い色から濃い色まで段階的に塗り重ねて、複雑な色合いや深みのある作品を制作できます。​
ただし、絵具の定着が強いことは欠点にもなります。一度乾いた色を取るリフティングという技法がほとんどできないため、色をこすっても取れません。修正が難しく、輪郭をぼやけさせることもできないので、計画的に描き進める必要があります。ウォーターフォードは色が乾いたあとに水筆で色を取ろうとしても浮かび上がってこないという特徴があるため、失敗を恐れず一発で決める覚悟が求められます。この性質を理解した上で使えば、非常に強力な画材となるでしょう。
参考)水彩紙について(中級者から)

ウォーターフォード水彩紙の中目と細目の使い分け

中目は最も利用者が多く、荒目と細目の中間ですが粗目の特性に近い性質を持ちます。表面の凹凸が荒目より小さいため、細かい部分をしっかり描くこともでき、グラデーションやウォッシュも十分きれいに仕上がります。荒目よりは早く乾くので少し手早く作業する必要がありますが、様々な表現に対応できる万能性があります。使う技法や画風を選ばず、初心者から上級者まで安心して使えるため、迷ったら中目を選ぶのが無難です。
参考)水彩紙、荒目、中目、細目どれが好み?

細目は中目とは全く違った印象で、滑らかな紙の表面が特徴です。鉛筆や色鉛筆で滑らかな線を引くことができ、ミリペンとも相性が良く、きれいな細い線を一定の太さで描けます。繊細な画風の人には特におすすめです。通常、細目の水彩紙は乾くのが速くて塗るのが難しいのですが、ウォーターフォードの細目は他社の細目に比べるとまだ待ってくれるため、そこそこきれいににじみが広がります。植物画のように繊細で緻密な絵を描きたい方は細目を選ぶと良いでしょう。
参考)水彩画研究ノート【水彩紙 ー紙の厚みと紙の目ー】|風夜

ウォーターフォード水彩紙でのマスキング技法活用

ウォーターフォード水彩紙は表面強度が高いため、マスキング技法に最適です。マスキングとは、あらかじめ紙の一部を覆い、そこに絵具がつかないようにして白抜きする技法で、透明水彩では避けて通れない重要なテクニックです。透明水彩は絵具が透明なため上から別の色で塗りつぶすことができず、特に暗色の上に明るい色を重ねることが困難なため、マスキングが必須となります。細かい部分を避けながら塗ることが難しい場合、ゴム状のマスキング液やマスキングテープで覆っておくと効果的です。
参考)https://holbein-shop.com/?pid=131517318

マスキング液を使う際は、原液のまま使うか石けん水で薄めて使用します。紙に水をたっぷり塗ってから色を塗り、マスキングした部分を保護します。マスキングシートを使う場合は、絵の具を濃いめにすることで、マスキング部分へのはみ出しを防げます。ウォーターフォード水彩紙は表面が強いので、マスキング剤を剥がす際も紙が傷みにくく、安心して使用できます。ただし凸凹の少ない細目の方が、マスキングの際のはみ出しが少なくなる傾向があります。
参考)透明水彩の技法/グラデーションとマスキング[100枚の絵を描…

ウォーターフォード水彩紙の保管方法と湿気対策

水彩紙は湿気に弱く、適切に保管しないと「紙が風邪を引く」状態になってしまいます。これは紙に施されたにじみ止め(サイジング)が劣化し、ところどころ弱い部分が発生して、絵具がしみ込みやすくなり、まだらな状態になることを指します。にじみ止めにはゼラチンやマツヤニなどが使われており、湿気が多いとこの成分が劣化してしまいます。実際にウォーターフォード水彩紙も、以前に比べると湿気の影響を受けやすくなったという報告があります。
参考)[2025年追記]湿気対策はお済みですか?水彩紙の保存法(そ…

保管方法としては、大きめのジップロックや衣類収納袋に乾燥剤を入れて密閉するのが最も効果的です。F6、F8サイズの場合は布団用の保存袋が便利で、100円ショップやホームセンターで購入できます。2022年にはクサカベから水彩紙専用保存袋が発売され、F8サイズまで入る大きさで湿気からしっかり守ってくれます。木箱に入れて乾燥剤を併用する方法もありますが、紙は生き物なので、あまり溜め込まず1年以内に使い切れる分だけ購入するのがベストです。直射日光や蛍光灯の長時間照射も避け、温度変化が穏やかな場所で保管しましょう。
参考)水彩紙も風邪を引くよ【水彩紙の保存方法】