水溶性食物繊維は、その名の通り水に溶ける性質を持つ食物繊維です。水に溶けるとドロドロとしたジェル状に変化し、腸内をゆっくりと移動します。このゲル化により、糖の消化吸収スピードを遅くして急激な血糖上昇を抑える働きがあります。
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水溶性食物繊維には、コレステロールやコレステロールから作られる胆汁酸を吸着して体外へ排出する作用があるため、LDLコレステロール値を低下させる効果が期待できます。動脈硬化の原因となるコレステロールや、高血圧の原因となるナトリウムなどを排出する働きもあることが知られています。
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また、善玉菌のエサとなり腸内環境を整える働きもあります。便を軟らかくする作用により便通を促進し、便秘解消にも役立ちます。水溶性食物繊維の代表的な成分には、ペクチン、グアーガム、イヌリン、βグルカン、難消化性オリゴ糖などがあります。
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不溶性食物繊維は、水に溶けにくい性質を持つ食物繊維です。水分を吸収して膨らみ、便のかさを増やす働きがあります。便のボリュームが増えることで大腸の粘膜を刺激し、腸の蠕動運動を促進して便通を改善します。
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不溶性食物繊維は体内を通過する際に腸を刺激するため、腸の動きを活性化させます。大腸の粘膜を刺激して水分や粘液の分泌を促し、便をやわらかくする作用もあります。不溶性食物繊維の主な成分には、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチンなどがあります。
ただし、過敏性腸症候群の方は不溶性食物繊維を多く摂るとかえって症状が悪化するおそれがあるため、便秘解消のために食物繊維を摂る場合は自分に合うか様子を見ることが大切です。便や水分がたまってお腹が張っている方が不溶性食物繊維をたくさん摂ると、腸内の便の量がさらに増えてお腹の張りが増したり、腹痛を起こしたりする可能性があります。
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水溶性食物繊維を多く含む代表的な食品として、まず海藻類が挙げられます。昆布にはアルギン酸やフコイダンというぬめり成分が含まれ、わかめは水溶性と不溶性の両方の食物繊維をバランスよく含んでいます。
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穀類では、大麦にβ-グルカンという水溶性食物繊維が多く含まれ、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。オートミールには100gあたり3.2gの水溶性食物繊維が含まれています。野菜類では、ごぼうが水溶性と不溶性の両方をバランスよく含み、特にイヌリンという水溶性食物繊維が豊富です。
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果物では、りんごにペクチンという水溶性食物繊維が豊富に含まれ、腸内環境を整える働きがあります。みかんは薄皮やスジに食物繊維が多く、キウイも水溶性と不溶性の両方をバランスよく含んでいます。野菜類ではアシタバや春菊、カボチャ、いも類ではサツマイモなども水溶性食物繊維を多く含む食品として知られています。
参考)https://shop.mizkan.co.jp/blogs/fiber/soluble-dietary-fiber
不溶性食物繊維は、植物の細胞壁を構成しているセルロースやヘミセルロース、リグニンなどから成り立っています。野菜では、ゴボウやブロッコリー、かんぴょう、ホウレンソウなどに多く含まれています。
きのこ類では、干しシイタケが100gあたり38gもの不溶性食物繊維を含み、第3位にランクインしています。乾燥きくらげは57.4gで第1位、エリンギなども不溶性食物繊維が豊富です。豆類では、花豆、えんどう豆、あずき、枝豆などに多く含まれています。
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果物では、カキやリンゴ、キウイ、アボカドなどが不溶性食物繊維を多く含む食品として知られています。カカオマスに豊富な不溶性食物繊維のリグニンは消化・吸収されず、大腸に達して便のカサを増やす材料になります。こんにゃくの主成分であるグルコマンナンは水溶性ですが、加工過程で不溶性に変化します。
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水溶性食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、腸内細菌が代謝・分解される過程で「短鎖脂肪酸」を作り出します。短鎖脂肪酸は、私たちの大腸に暮らす腸内細菌が発酵性食物繊維をエサとして食べたときに作られる代謝物です。
参考)https://shop.mizkan.co.jp/blogs/fiber/short-chain-fatty-acids
代表的な短鎖脂肪酸には、酢酸、酪酸、プロピオン酸の3つがあります。酢酸は腸の粘膜にできた傷の修復を促し、腸から体内へと異物が入らないようにするバリアー機能を担います。酪酸は腸内細菌の活動を活発にし、免疫機能を高めたり大腸の炎症を抑えたりする作用があります。
参考)発酵性食物繊維で無理のない腸活を
短鎖脂肪酸は腸内を弱酸性に傾ける働きがあり、腸だけでなく免疫や代謝など全身の調整にも関与することが明らかになってきています。水溶性食物繊維は腸内フローラのバランスを改善させることでインスリン感受性を改善し、余分な糖を体脂肪量として体内に蓄積することを防ぎます。発酵性食物繊維を積極的に摂ることで、短鎖脂肪酸が作られ、全身の健康に貢献することができます。
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食物繊維を効果的に摂取するには、水溶性と不溶性のバランスが重要です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の摂取は1:2が理想的なバランスとされています。この比率で摂取することで、それぞれの食物繊維の効果を最大限に引き出すことができます。
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日本人の食事摂取基準(2025年版)では、目標量として男性18~29歳と75歳以上は一日に20g以上、30~64歳は22g以上、65歳~74歳は21g以上、女性18~74歳は一日に18g以上、75歳以上は17g以上と設定されています。生活習慣病の発症予防の観点から考えると、成人では食物繊維を一日25g以上摂取するのが理想とされています。
参考)食物繊維の働きと1日の摂取量
野菜は不溶性食物繊維の割合が高いため、「野菜をたくさん食べれば大丈夫」という考え方だけでは水溶性食物繊維が不足する可能性があります。水溶性食物繊維を意識的に摂取するには、海藻類や大麦、果物、きのこ類などを積極的に取り入れることが推奨されます。バランスの良い食事を心がけることで、両方の食物繊維の健康効果を得ることができます。
ブランド陶器を使った食事は、食物繊維を多く含む料理をより美しく演出します。特に海藻サラダやきのこ料理、根菜の煮物などを盛り付ける際、上質な陶器の器を使うことで料理の色彩が引き立ち、食欲を促進する効果があります。和食器は水溶性食物繊維を豊富に含む海藻類や、不溶性食物繊維が豊富な根菜類を盛り付けるのに適しています。
陶器の器は熱伝導率が低いため、温かい料理を長時間適温で保つことができます。食物繊維を多く含む野菜の煮物やスープを提供する際に、この特性が活かされます。また、陶器の質感は料理の見た目を上品に仕上げ、食事の満足度を高める効果があります。
食物繊維を含む食品は時間をかけて咀嚼することが推奨されますが、美しい器に盛り付けられた料理はゆっくりと味わう動機付けになります。ブランド陶器を使うことで食事の時間が豊かになり、結果的に適切な量の食物繊維を摂取することにつながります。食物繊維豊富な食材を使った料理を、お気に入りの陶器で楽しむことは、健康的な食習慣を形成する一助となるでしょう。
健康長寿ネット:食物繊維の働きと1日の摂取量
文字数と内容の参考として、食物繊維の基礎知識から摂取基準までを詳しく解説しています。
ミツカン:水溶性食物繊維が多い食品と効率的な摂取方法
水溶性食物繊維を多く含む具体的な食品リストと、日常生活での取り入れ方を紹介しています。