青海波(せいがいは)は、穏やかな波がどこまでも続いている様子を表現した模様で、「未来永劫に」「平穏な生活が続いていくように」という意味が込められた縁起のよい柄です。広い海がもたらす恩恵を感じさせる柄として、無限に広がる波の文様に、人々の平安な暮らしへの願いが込められています。
参考)「青海波」とはどんな模様?由来や使われている場面について紹介…
波濤の雄大さは力強さや安定性を表し、水の流れの美しさは清々しさや調和を象徴しています。また、波のように未来永劫続いてほしいというポジティブな願いが込められた文様であり、海は水ですので、厄を水に流し清めるという意味も持ちます。
参考)日本が誇る青海波模樣の意味と由来 href="https://karakubuy.com/blogs/2024blog/meaning-and-origin-of-the-seikaiha" target="_blank">https://karakubuy.com/blogs/2024blog/meaning-and-origin-of-the-seikaihaamp;ndash; Karak…
半円を重ねて無限に広がる波や鱗を表す吉祥文として、結婚祝いや新築祝いなど大切な人への贈り物としても選ばれています。繁栄や長寿を表す縁起の良い文様として、着物や工芸品をはじめ様々な日用品にあしらわれてきた歴史があります。
参考)青海波:無限の美を紡ぐ日本の伝統文様|よみもの|アンティーク…
青海波文様の起源は、古代ペルシャまで遡ります。ササン朝ペルシャ(226-651年)で生まれた文様が、はるばる大陸を横断してシルクロードを経由し、飛鳥時代に日本に伝わったとされています。
参考)SEI-GAI-HA!|理子(ともこ)
この文様はすぐに人の心をつかんだようで、なんと6世紀の埴輪の衣装に青海波模様が刻まれています。古くは人物埴輪の衣装、陶器や蒔絵、舞楽の衣装、能装束、小袖にも用いられました。
参考)きものの文様【青海波(せいがいは)】名前の由来は雅楽の装束。…
平安時代には「青海波」という雅楽の中で名高い楽曲に因んで、その模様が用いられました。雅楽『青海波』の装束に用いられていたことから、この名がついたとされています。『源氏物語』の紅葉賀(もみじのが)の帖にも、源氏が「青海波」を舞う情景が描かれています。
参考)雅楽 GAGAKU|文化デジタルライブラリー
江戸時代の中期になって、青海勘七(せいかいかんしち)という塗師が特殊な刷毛で青海波を巧みに描いたことから、この文様が広く流布しました。
参考)青海波 - Wikipedia
青海波模様の食器は、日常使いからお祝いの席まで幅広く活用できる和食器として人気があります。半円を重ねて無限に広がる波や鱗を表す吉祥文で、着物などにも使われる伝統的な柄として知られています。
参考)青海波の食器の通販
陶器や磁器に描かれる青海波は、その細やかで美しい文様を熟練の型職人がひとつひとつ手彫りし、心を込めてうつわに仕上げています。日常使いはもちろん、お祝いの品や海外の方へのお土産にも最適なシリーズとして多くのメーカーから販売されています。
参考)吉祥 15皿 青海波(薄灰)
金と銀の塗りに青海波の模様をあしらったペアのお皿は、古くから使われる青海波の文様が金や銀の色合いとあいまって非常におしゃれな雰囲気になっています。おめでたい金銀のペアで、ご結婚の引出物やお祝いにお使いいただける漆器として人気です。
参考)ペア青海波皿 金彩・銀彩 結婚祝いのギフト 漆器の井助
京焼・清水焼の青海波食器は、一度焼成した後に上絵付けを施す技法を用いた器が多く、優しい表情の櫛目模様に明快な色合いの青海波が映えています。お祝い事の贈り物としても最適で、結婚祝いや新築祝いなどに「平穏な生活がいつまでも続く様に」という願いを込めて贈られています。
参考)和食器 酒器「青海波」おしゃれ ぐい呑 母の日 プレゼント …
青海波の文様には基本的なもの以外に、様々なバリエーションが存在します。江戸時代には、多様な種類の青海波が生まれました。
参考)青森伝統刺し子南部菱刺し。青海波文様の意味と由来、種類につい…
破れ青海波文は、青海波を敷き詰めずにところどころに破れ模様を作った文様です。連続文様の所々で形をぬかし、破れ目のようにして変化を出す文様として知られています。この変化に富んだデザインは、着物や工芸品で人気があります。
参考)日本の文様9つの基本パターン - いわの美術のお役立ち情報
菊青海波文は、菊の花を青海波に見立てた文様で、花の形で青海波を形づくった優雅なデザインです。松竹梅で青海波を形づくったものなど、バリエーションは豊富です。中の花が菊だと「菊青海波」、中が松だと「松青海波」と呼ばれます。
参考)波文様について|最新情報|骨董品買取・売却の極意
菱青海波は、青海波の扇型の部分が菱形になった文様です。幾何学的な美しさと青海波の持つ縁起の良さが組み合わさった独特のデザインとなっています。
参考)着物の伝統文様 ② 青海波(せいがいは)
これらの様々な青海波の種類は、同心円を互い違いに重ね、同心円の一部が扇状に重なり合った幾何文様の基本形をベースにしながら、それぞれに独自の美しさを持っています。
青海波模様は、食器だけでなく現代のインテリアや生活用品にも幅広く活用されています。オシャレでモダンなインテリアアートフレームとして、額縁や置物に青海波の組子細工が使われ、和モダンな空間を演出できます。
参考)https://item.rakuten.co.jp/katachi-lab/10000423/
食卓では、青海波の皿や取り皿、めん鉢、ボウルなど様々なサイズの食器が揃っており、普段の食事から特別な日のおもてなしまで幅広く使えます。手頃な大きさの皿は普段使いでお料理の盛付けにも便利で、縁起の良い文様が食卓に彩りを添えます。
酒器として使われる青海波のぐい呑みやおちょこは、「平穏な生活がいつまでも続く様に」という願いを込めて、父の日や母の日のプレゼント、お祝いの贈り物として人気があります。伝統工芸の技術が生きた和食器は、日本のみならず海外の方へのお土産としても喜ばれています。
仏壇やインテリア雑貨にも青海波が取り入れられており、現代的でモダンな祈りの空間を作り出しています。日本製ならではの精緻な作りや吉祥柄が浮かび上がる和モダンなデザインには、温もりと縁起の良さが感じられます。
参考)# 青海波 インテリア雑貨・生活道具 のおすすめ人気通販|…
青海波模様は、着物や手ぬぐい、刺し子などの伝統工芸品から、現代のファッションアイテムやアクセサリーまで、幅広い分野で愛され続けています。この永遠の幸せを願う文様を日常に取り入れることで、穏やかで豊かな暮らしを実感できるでしょう。