サンハヤトのユニバーサル基板には、プロジェクトの規模に応じた多様なサイズラインナップが用意されています。小型サイズの代表格は47×72×1.6mm(ICB-88、ICB-288)で、価格は150円台から購入でき、小規模な回路のプロトタイピングや学習用途に最適です。中型サイズとして広く使われているのは115×160×1.6mm(ICB-96)で、価格は約924円となっており、多くの電子工作プロジェクトに対応できる汎用性の高さが特徴です。
参考)ユニバーサル基板 — サンハヤト 公式オンラインショップ
大型サイズでは130×180×1.6mm(ICB-141GHDなど)が用意されており、複雑な回路や多数の部品を搭載する場合に適しています。これらの基板は全て板厚1.6mmが標準となっており、機械的強度と加工のしやすさのバランスが取れた仕様になっています。サイズ選びの際は、部品配置をあらかじめ紙に描いてレイアウトを検討すると、必要な基板サイズを正確に判断できます。
参考)ユニバーサル基板(鉛フリー基板片面/130×180×1.6t…
ユニバーサル基板のピッチとは、ランド(はんだ付け部分)同士の間隔を指し、サンハヤト製品では2.54mmピッチが標準規格として採用されています。この2.54mm(0.1インチ)ピッチは、DIP-ICをはじめとする多くの電子部品の端子間隔と一致しており、部品を無理なく実装できる最も汎用性の高い規格です。穴径については、標準的なモデルでΦ1.0mm、精密タイプでΦ0.9mmが採用されており、一般的なリード部品の足径に対応しています。
参考)小型ユニバーサル基板(紙フェノール片面/47×72×1.6t…
ピッチ選びで注意すべき点は、異なるピッチの基板を誤って購入すると部品が入らないトラブルが発生することです。特にハーフピッチ(1.27mm)の基板は、1穴飛ばしで使えば2.54mmピッチの部品が入ると思われがちですが、実際には穴径が小さくて対応できないケースが多いため注意が必要です。特別な理由がない限り、縦横とも2.54mmピッチのユニバーサル基板を選択するのが無難で、多様な部品に対応できる柔軟性があります。
参考)ユニバーサル基板の選び方
サンハヤトのユニバーサル基板には、主に3種類の材質が使用されており、それぞれ特性と価格帯が異なります。最も安価なのは紙フェノール(FR-1)基板で、電気絶縁性に優れており家庭用電子工作や学習用途に適していますが、耐熱性や吸湿性ではガラス系材質に劣ります。中間グレードとしてガラスコンポジット(CEM-3)基板があり、紙フェノールより丈夫で歪みが少なく、価格と性能のバランスが取れた選択肢となっています。
参考)ユニバーサル基板(紙フェノール片面/115×160×1.6t…
最高品質はガラスエポキシ(FR-4)基板で、耐熱性、機械的強度、電気的特性すべてにおいて優れており、両面基板や多層基板の製造に使用されることが多い材質です。FR-4基板は高電圧回路や吸湿性を要求される用途、長期間使用する製品に最適で、初心者でも失敗しにくい特性を持っています。材質選びの基本的な考え方として、学習用やテスト回路には紙フェノール、実用的な製品にはガラスコンポジットまたはガラスエポキシを選ぶと良いでしょう。
参考)ユニバーサル基板 (両面スルーホールのすすめ) - レトロ電…
ユニバーサル基板には片面基板と両面基板があり、それぞれメリットとデメリットが明確に分かれています。片面基板は配線パターンが片面のみにあるため、比較的単純な回路に適しており、コストを安く抑えられる利点がありますが、配線の立体交差ができないため複雑な回路には不向きです。一方、両面基板は表裏両面を使用できるため、多少複雑な回路でもアートワークが容易で、最短距離で配線しやすく、DIP部品の場合はスルーホール内にもはんだが入るため機械的強度が高いという優位性があります。
参考)片面基板・両面基板・多層基板について - プリント基板 技術…
初心者には「両面スルーホール」基板の使用が強く推奨されており、その理由は片面基板では銅箔が剥がれて失敗しがちなためです。両面スルーホール基板は多少価格が高くなりますが、はんだ付け時の熱によるランドの剥離リスクが大幅に低減され、結果的に作業効率と成功率が向上します。実用的な電子回路を製作する場合、基板に穴をあけて裏面の配線に繋げることができる両面基板を選択することで、配線の自由度が高まり、複雑なレイアウトも実現可能になります。
参考)https://unicraft-jp.com/article/layer.shtml
ユニバーサル基板への部品実装では、まず部品配置を慎重に決めることが成功の鍵となります。基本原則として、入出力コネクタは基板の端に配置し、電圧・電流・周波数が極端に異なる部品は互いに離して配置し、配線ができるだけ交差しないようにレイアウトを工夫します。はんだ付けの順序は、抵抗やダイオードなどの高さの低い部品から固定していくのが鉄則ですが、ICを使った回路の場合はICを先に付けないとその後の配線が困難になるため例外的な対応が必要です。
参考)ユニバーサル基板の使い方
基板のカット加工については、紙フェノール基板であればハサミやカッターで比較的簡単に切断できますが、ガラス系材質の場合はディスクグラインダーやミニルーターを使用した方が綺麗に仕上がります。十字配線タイプのユニバーサル基板を使用すれば、ランドがデフォルトで縦横に繋がっているため、カッターやルーターで不要な部分をカットするだけでプリント基板のような配線が実現でき、はんだ付けが非常に楽で仕上がりもスッキリします。作業環境として、基板を裏返してはんだ付けする際に部品が落ちないよう、適切な治具や作業台を準備することも重要なポイントです。
参考)電子工作初心者向け。まずはここから!道具を揃えよう編 href="https://www.hobbyhappyblog.jp/electronics-tools-for-beginners/" target="_blank">https://www.hobbyhappyblog.jp/electronics-tools-for-beginners/amp;#8…
サンハヤト公式ショップ - ユニバーサル基板の詳細仕様や在庫確認に便利
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