エディオンでは、ニカド電池を含む小型充電式電池の無料回収を全国の店舗で実施しています。回収の対象となるのは、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池の3種類で、これらは一般社団法人JBRCの回収協力店として登録されているエディオン各店で処分することができます。回収を希望する場合は、店舗のサービスカウンターでスタッフに直接依頼するか、店舗内に設置されている専用の回収ボックスに投入する方法があります。
参考)エディオンに回収ボックスはある?小型・大型家電回収サービスに…
店舗によって回収ボックスの設置状況が異なるため、事前に最寄りのエディオン店舗に確認することをおすすめします。エディオンネットショップでは使用済み電池の回収や処分は行っていないため、必ず実店舗を利用する必要があります。回収サービスは購入時でなくても利用できるため、自宅に不要なニカド電池がある場合は気軽に持ち込むことが可能です。
回収された小型充電式電池は、資源有効利用促進法に基づいてJBRCを通じて適切にリサイクルされ、ニッケルやカドミウムなどの希少な金属資源が再利用されます。
参考)電池リサイクル - 日立グローバルライフソリューションズ株式…
ニカド電池を処分する前には、必ず絶縁処理を施すことが重要です。絶縁処理とは、電池の金属端子部分にビニールテープやセロハンテープを貼り付けて、プラス極とマイナス極が他の金属や電池に接触しないようにする作業です。この処理を怠ると、輸送中や回収ボックス内で電池同士が接触してショートし、発熱・液漏れ・発火といった重大な事故につながる恐れがあります。
具体的な絶縁処理の手順としては、まず電池を機器から取り外し、プラス極とマイナス極の金属端子部分全体をビニールテープで覆います。特にリード線がある電池パックの場合は、リード線の端子部分も必ず絶縁してください。プラスチックケースやビニールケースに入った電池パックは、解体せずにそのままの状態で絶縁処理を行うことが推奨されています。
破損した電池や膨張している電池は回収対象外となるため、エディオンでは引き取りができません。このような電池は、自治体の指定する方法で処分する必要があります。ハードケースに収納されていないパウチ型やラミネート型の電池も回収対象外です。
参考)【エディオン】乾電池回収ボックスについて
ニカド電池(ニッケル・カドミウム電池)は、正極にオキシ水酸化ニッケル、負極にカドミウム、電解液に水酸化カリウム水溶液を使用した二次電池です。電圧は乾電池とほぼ同じ約1.2Vで、内部抵抗が低いため大電流の放電が可能という特性を持っています。
参考)充電池の種類と特徴
この高い放電率の特性により、ニカド電池は電動工具、コードレス電話、非常照明、ラジコン、ハイブリッドカーのモーター駆動用など、瞬間的に大きな出力が必要とされる機器に広く使用されてきました。特に焼結式ニカド電池は大出力放電とサイクル特性に優れ、電動工具や玩具などの用途に適しています。一方、発泡メタル式ニカド電池は高容量が特徴で、音響機器、映像機器、事務機、通信の携帯機器用バッテリーとして利用されていました。
参考)ニッケルカドミウム電池とは?長所や短所、寿命について解説しま…
最大500回程度の充電が可能で、安定した放電特性と大電流特性に優れているという利点がある一方、自己放電が多いことやメモリー効果が顕著であること、有害物質のカドミウムを含むことから、現在ではニッケル水素電池やリチウムイオン電池に置き換えられつつあります。それでも産業機器やセキュリティシステムなど、高負荷用途では依然として使用されています。
日本国内では、2001年4月に施行された資源有効利用促進法に基づき、ニカド電池を含む小型充電式電池の製造メーカーと機器メーカーに対して、使用済み電池の回収と再資源化が義務付けられています。この法律を受けて設立されたのが一般社団法人JBRC(Japan Battery Recycling Center)で、全国の協力店や協力自治体を通じて小型充電式電池の回収とリサイクルを推進しています。
参考)https://www.baj.or.jp/battery/recycle/recycle04.html
エディオンはJBRCの回収協力店として登録されており、JBRC会員企業が製造したニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池を無償で回収しています。回収された電池は、JBRCを通じて適切に処理され、ニッケルやカドミウム、コバルトなどの希少金属が再資源化されます。2018年度のJBRCの回収実績では、ニカド電池が821トンと高い回収量を記録しており、長期的には減少傾向にあるものの、依然として重要なリサイクル対象となっています。
参考)https://www.ksdenki.co.jp/store/service/recycle/
JBRC協力店での回収を利用する際の注意点として、事業者が使用した電池は協力店や協力自治体での廃棄ができず、事前にJBRCの排出者登録が必要です。また、回収対象となるのはリサイクルマークが付いたJBRC会員企業製の電池に限られるため、それ以外の電池は自治体の指定する方法で処分する必要があります。
参考)協力店・協力自治体検索(検索システム)
ヨドバシカメラやノジマ、ケーズデンキなど、他の大手家電量販店でも同様の回収サービスを実施しており、使用済みニカド電池の処分先として活用できます。
参考)ノジマ店舗で電池(バッテリー)を回収・処分できますか?
一般社団法人JBRC公式サイト - 小型充電式電池のリサイクルについて詳しい情報と協力店検索が可能
ニカド電池には、ニッケルやカドミウムといった希少な金属資源が使用されており、これらは鉱石から採掘される限りある資源です。カドミウムは毒性が高い重金属であり、適切に処理されずに廃棄されると土壌や水質の汚染を引き起こし、環境と人体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、使用済みニカド電池を適切に回収してリサイクルすることは、環境保全と資源の有効活用の両面で極めて重要です。
参考)https://www.mdpi.com/1422-0067/23/15/8677/pdf?version=1659608013
小型充電式電池のリサイクルでは、専門の処理施設で電池を分解し、含まれる金属を回収します。研究によれば、硫酸を用いた浸出処理によって、カドミウムとニッケルの回収率はほぼ100%に達することが報告されています。回収された金属は精製処理を経て、新たな電池や工業製品の材料として再利用されます。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9368978/
2018年度時点で、JBRCによる小型充電式電池の回収量は1,355トンに達し、9年ぶりに1,300トンを回復しました。この中でニカド電池は821トンを占めており、高い再資源化率を維持しています。こうしたリサイクル活動により、鉱石の新規採掘量を削減し、エネルギー消費を抑えることができるため、循環型社会の実現に大きく貢献しています。
鉱石に興味がある方にとって、使用済みニカド電池のリサイクルは、日常生活で手軽に参加できる資源循環の実践例と言えます。エディオンなどの回収協力店を利用することで、個人でも環境保護と資源の有効活用に貢献することができます。