気泡緩衝材は、ポリエチレンシートに粒状の気泡を持たせた緩衝材で、「プチプチ」や「エアキャップ」の名称で広く知られています。ポリエチレン素材で作られているため、非常に軽量でありながら高いクッション性を持ち、様々な形状のものを巻いて保護できる点が最大の特徴です。
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気泡緩衝材には2層構造と3層構造があり、3層タイプは耐久性が向上し、静電気対策が施された製品も存在します。粒径は一般的に10mmで、粒高は3.5mm程度が標準的なサイズとなっています。価格帯も比較的安く、コストパフォーマンスに優れているため、軽量包材から重量物まで幅広い用途で使用できます。
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ただし気泡緩衝材には注意点もあります。長期保存をすると気泡内の空気が抜けるため、緩衝効果が低下する恐れがあります。また、完全燃焼した場合でも有害ガス(塩化水素・ダイオキシン)を発生しないポリエチレン素材という環境面でのメリットも持っています。
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エアーピロー型緩衝材は、長方形のビニール袋に空気を封入した「空気の枕」タイプの緩衝材です。エアークッションやエアーパウチとも呼ばれ、主にダンボール箱と内容物の隙間を埋める用途に特化しています。
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形状はピロータイプ、バブルタイプ、チューブタイプの3種類があり、それぞれ用途が異なります。ピロータイプは箱の隙間に適量を入れて使用し、バブルタイプは大粒の気泡で衝撃を防ぎ、チューブタイプは箱の底に敷いたり側面の隙間に入れたりします。チューブタイプはつなぎ目部分が90度に曲がるため、箱の角にもしっかりフィットし、重量物の梱包にも向いています。
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製造機を活用して出荷直前に空気を注入するタイプが多く、保管スペースを取らない点も大きなメリットです。耐久性やクッション性に優れており、商品を確実に固定できるため、小さく衝撃に弱い電化製品や食器類の梱包において、気泡緩衝材と組み合わせて使用されることが多いです。
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バラ緩衝材は粒状の緩衝材で、主流のまゆ型の他、丸型や歯車型など様々な形状があります。クッション性に優れており、箱に製品を詰めた際の隙間埋めに使用され、複雑な形の隙間にもぴったり入れることができる点が特長です。
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主原料は2種類あり、それぞれ性質が異なります。コーンスターチ製のバラ緩衝材は環境に優しく、燃焼カロリーが低くて有毒ガスも出ないため、燃えるゴミに出せます。発泡に水蒸気を利用しており、可燃ゴミとしての処理が可能という点でエコな選択肢となっています。ただしつぶれやすいため、軽い製品の梱包に使用するのが適しています。
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一方、合成樹脂(ポリエチレン・ポリスチレンなど)製のバラ緩衝材はつぶれにくく、重い製品の梱包も可能です。復元力が高いため対象物を確実に固定保護でき、陶器や食器、割れ物の梱包に最適とされています。一粒の大きさは製品によって異なり、長さ30~50mm、直径15~28mmの範囲で選択できます。
ミラーマットは発泡ポリエチレンでできたシート状の緩衝材で、軽量で柔らかい質感が特徴です。お皿やガラスといった割れ物や精密機器の梱包をはじめ、家具やインテリアの表面保護などに使用されています。断熱性や防湿性に優れていますが、エアパッキンよりも緩衝力は高くありません。
引っ越しの荷造りでは、重ねたお皿の間に挟んだり、コップの取っ手部分に巻き付けるなど、細かい部分の梱包に使用されています。ミラーマットにはシートタイプとロールタイプに加えて、便利な封筒タイプも揃っており、用途に応じて選択できます。
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ボーガスペーパーは古紙100%の再生紙で作られているエコな紙製緩衝材です。引っ越しの荷造りや、商品の梱包、保護などに使用され、紙製なので手で簡単にカットでき、廃棄する際にも楽で手間がかかりません。軽量で扱いやすいだけでなく、コストパフォーマンスに優れており、くしゅくしゅとまるめれば箱のすき間を埋めることもできます。色がついているカラータイプはナチュラルな色味が人気で、化粧品、雑貨、アパレル、陶器製品、ギフトなどの梱包に適しています。
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巻きダンボールは、段ボール素材でできたシート状の緩衝材で、「片面段ボール」とも呼ばれます。通常のダンボールはライナーにフルート(波状の部分)が挟まっている3層構造ですが、巻き段ボールはライナーとフルートの2層構造になっています。そのため通常のダンボールとは違い柔らかい質感で、様々な形状のものを簡単に包むことができます。
巻き段ボールは巻いたり折り曲げたりすることができるため、段ボールに入らない大型の家具や不定形の商品の梱包に適しています。ただし緩衝性はあまり高くないため、衝撃に弱い商品を梱包するのは避けましょう。エンボス加工紙と呼ばれることもあり、大型の家具や家電なども包めるので様々なシーンで便利に使用できます。
紙パッキンは再生紙などでできたシンプルな紙製の緩衝材で、くしゃくしゃにして隙間を埋めるタイプや、波状に加工されたシートなどがあります。環境配慮型として評価されやすく、リサイクルしやすい点が大きなメリットです。緩衝性と柔軟性を兼ね備え、形状の調整がしやすく、包装材や仕切り材としても使える万能型となっています。衣類や陶器、レザー製品など、贈答用包装として広く使用され、商品の隙間を埋めて高級感を引き立てるスタイリッシュな緩衝材として活用されています。
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発泡スチロールは軽量で断熱性・保温性に優れており、主に家具や家電などの大型製品の梱包に使用されます。強度が高く固定できる緩衝材として、専用の形に加工したものが選ばれることが多いです。発泡スチロールは小さな穴が無数に空いているため非常に軽量で、衝撃吸収能力も高いという特徴を持っています。
ただし発泡スチロールには欠点もあります。再利用が難しく、廃棄時には容積が大きいため処分に困ることがあります。また、環境負荷の観点から、最近ではより環境に優しい代替品が求められる傾向にあります。
ウレタンフォームはスポンジのような見た目の緩衝材で、発泡ポリウレタンとも呼ばれます。小さな穴が無数に空いているため軽量で、滑りにくい点もメリットとして挙げられます。優れた断熱性も特徴のひとつで、CDやDVDなど、傷から守りたい商品の梱包に適しています。
ただしウレタンフォームは気泡緩衝材のように自由に形を変えることはできず、他の緩衝材に比べてコストがかかりやすいというデメリットがあります。厚み、密度、加工方法などによって様々な特性を持ち、幅広い用途で緩衝材として使用されています。
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ネット緩衝材は、フルーツキャップやボトルキャップ(メッシュキャップ)といったネット状になっている緩衝材のことです。発泡素材を使用していることからクッション性に優れており、ワインや調味料のボトルなどの保護に最適です。
伸縮性のあるネット素材は、ボトルにぴったりと密着して外部からの衝撃を吸収します。また、贈答やギフト用に箱詰めする際の型崩れ防止にも役立ちます。カラフルなパステルカラーのものも揃っており、見た目も華やかで、プレゼント包装にも適しています。
ネット緩衝材は瓶類の保護だけでなく、果物などの繊細な商品の梱包にも使用されています。柔軟性が高く、製品の形状に合わせてフィットするため、円筒形や球形の製品に特に適しています。使用後は小さく圧縮できるため、廃棄時の容積も少なくて済むという利点もあります。
ブランド陶器の梱包では、複数の緩衝材を組み合わせることが成功の鍵となります。割れ物は輸送中の衝撃に弱いため、商品と外装箱との距離(クリアランス)を確保する必要があります。また商品の表面も傷つきやすいので「こすれ」から保護する必要があります。
陶器梱包に最適な組み合わせは、「気泡緩衝材」「プチプチ」「バラ緩衝材」の3種類です。まず陶器自体を気泡緩衝材やミラーマットで包み、表面を衝撃から守ります。次に箱の底にエアーピローやバラ緩衝材を敷き詰め、包んだ陶器を配置します。最後に箱の隙間をバラ緩衝材やエアークッションで埋めることで、輸送中の揺れや衝撃から確実に保護できます。
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特に注意が必要なのは、割れやすい部分の重点的な保護です。コップの取っ手部分や茶碗の底部分をしっかりカバーすることを意識しましょう。また、大きく重いものから先に箱に入れ、小さく軽いものを上に載せるようにすることがポイントです。
梱包コストを最適化するには、商品の価値や壊れやすさに応じて緩衝材の種類を選ぶことが重要です。高級陶器にはミラーマットやバラ緩衝材を使い、一般的な陶器製品には気泡緩衝材とボーガスペーパーの組み合わせでコストを抑えることができます。
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