F型コネクタは同軸ケーブルの中でも最も一般的なコネクタ形状で、テレビアンテナ配線などで広く使用されています。取付作業では、まずケーブルの先端から約9mmの位置に目印を入れ、カッターで切り込みを入れて外部被覆を剥きます。この際、内部の芯線に傷をつけないよう慎重に作業することが重要です。
参考)アンテナケーブル(テレビ配線ケーブル)の加工と接栓(コネクタ…
編組線は外側に折り返し、絶縁体をさらに数ミリカットして芯線を露出させます。F型コネクタ本体をケーブルに被せるように挿入し、編組線と絶縁体の間にしっかり押し込みます。防水型や高シールド型のF型コネクタでは、専用の圧着工具を使用して固定する製品もあります。
参考)すご楽コネクタ(高シールドF形)加工 - 同軸施工技術,放送…
作業完了後はテスターで導通を確認し、芯線が正しく接続されているかチェックすることが必須です。接続不良があると信号が伝わらず、映像が映らない、ノイズが発生するなどのトラブルにつながります。特に屋外配線や長距離配線では、接続の確実性が信号品質に直結します。
BNCコネクタは放送機器や計測器で広く使われる業務用コネクタで、F型コネクタよりも堅牢な接続が特徴です。圧着タイプのBNCコネクタでは、専用圧着工具が必須となります。ケーブルには圧着スリーブを通し、外部被覆、外部導体(編組)、絶縁体を指定寸法で切り取ります。
参考)P-741 同軸コネクター用圧着工具
中心コンタクトを中心導体(芯線)に装着し、専用圧着工具の該当ダイス(1.75mm)で圧着します。シェルを同軸ケーブルの絶縁体と外部導体の間に挿入し、圧着スリーブをシェルの指定位置へ移動させて再度圧着します。この二段階の圧着作業により、芯線と外部導体の両方が確実に固定されます。
参考)同軸コネクタBNCコネクタ・ケーブル取付方法|橋本興産
BNCコネクタには圧着タイプのほかに「半田・締付タイプ」も存在し、こちらは圧着工具が不要で中心コンタクトを半田付け、本体をナット締付で固定します。ケーブルが10m以上の長尺の場合は、締付タイプの方が抜けにくく推奨されます。どちらの方式も、最終的には導通確認とインピーダンス整合の確認が必要です。
同軸ケーブル用の圧着工具は、対応するコネクタ規格とケーブルサイズによって選択が異なります。F型コネクタ専用の圧着工具は、RG59、RG6、RG6Qなどの同軸ケーブルに対応し、防水型・非防水型の両方に使用できる製品が一般的です。価格帯は2,000円から8,000円程度で、成形確認機構付きの製品は作業の失敗を防ぎます。
参考)P-716 圧着工具(F型コネクター用)【HOZAN】 ホー…
BNC・TNC用の圧着工具は、中心コンタクト用(1.75mm)とスリーブ用(6.8mm/9.0mm)の複数のダイスを持ち、3C用と5C用のケーブルに対応します。カナレ電気やトーコネ製のコネクタに適合する製品が多く、純正品と同等の精度で作業可能です。解除レバー付きの製品は、サイズ間違いで圧着が完了できない場合に工具を開放できます。
参考)同軸コネクター工具 アーカイブ - アイウィス|IWISS …
マルチタイプの圧着工具は、F型・BNC・RCAコネクタに対応し、一台で複数の作業をこなせるため施工現場で重宝されます。コネクタの種類ごとに正しい位置決めがマーキングされており、コンパクト設計で狭小部での作業にも適しています。工具選びでは、対応ケーブル径と圧着精度、耐久性を重視することが長期的なコスト削減につながります。
参考)同軸コネクタの基礎 - 電子部品通販・代理店 BuhinDa…
同軸ケーブルの加工失敗で最も多いのが、剥き寸法の不正確さと芯線への傷です。専用のケーブルストリッパを使用すると、外部被覆と絶縁体を一度に正確な長さで剥くことができ、作業効率が大幅に向上します。ストリッパは3枚のブレードを1mm単位でセット可能で、任意の剥き長さに対応します。
参考)同軸コネクタの取り付けで失敗しないためのポイント
youtube
カッターで手作業する場合は、ケーブル先端にマジックで目印をつけ、刃を深く入れすぎないよう注意します。編組線は一度広げてから折り返し、指でスライドさせて密度を高めると半田メッキが容易になります。特に編組線を切りすぎると接続強度が低下するため、指定寸法を厳守することが重要です。
参考)https://qa.dxantenna.co.jp/faq_detail.html?category=amp;page=1amp;id=2469
剥き作業の際は、刃の高さ調整が正確に行われているか確認が必要です。外部被覆用の刃は編組線を切らない高さに、内部導体用の刃は絶縁体のみを切る高さに調整します。剥き長さが長い場合は、短く剥く作業を繰り返す方が芯線を傷つけるリスクが減ります。作業に慣れるには3~5回の練習が必要ですが、正しい手順を守ることで確実な接続が可能です。
参考)【L-RTK】初めてSMAコネクタと同軸ケーブル接合した<1…
同軸ケーブルのインピーダンスは50Ωまたは75Ωに分類され、接続する機器やアプリケーションに応じて選択します。50Ωは無線通信やデータ伝送に使用され、75Ωはテレビやビデオ信号の伝送に適しています。インピーダンス不整合があると信号反射が発生し、伝送品質が低下するため、ケーブルとコネクタのインピーダンスを一致させることが必須です。
参考)同軸ケーブルのインピーダンスとは?基礎知識と計測方法を徹底解…
同軸コネクタは同軸ケーブルのインピーダンスに合致するように設計され、同じ形状でも50Ω版と75Ω版では絶縁体の形状や内外径比が異なります。例えば、3C-2Vや5C-2Vは75Ωのケーブルで、テレビ受信配線に使用されます。5C-2Vは外径約7.7mmで減衰が少なく、中~長距離配線に適しています。
参考)50Ωコネクタと75Ωコネクタの違い
ケーブル選択では、伝送距離と周波数特性を考慮します。200mまでは3C-2V、500mまでの長距離伝送では5C-2Vが推奨されます。BS/CS放送を伝送する場合は、3C-2Vや5C-2Vでは対応できず、3C-FBや5C-FBなど高周波対応ケーブルが必要です。適切なケーブル選択とインピーダンス整合により、信号損失を最小限に抑え、高品質な伝送が実現します。
参考)同軸ケーブル
DXアンテナの同軸ケーブル加工方法 - F型接栓の取付手順と注意点
トーコネのBNCコネクタ取付解説 - 圧着タイプと半田タイプの選択基準
HOZAN P-716圧着工具仕様 - F型コネクタ用の工具選びに必須の情報
東京特殊電線の同軸ケーブルインピーダンス解説 - 50Ωと75Ωの違いと選定基準

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